「歴史は繰り返す。一度目は悲劇として、二度目は喜劇として」―カール・マルクス
http://d.hatena.ne.jp/washburn1975/20140519
経由で
平壌で8月末に国際プロレス大会 猪木議員ら主催
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140519-00000032-asahi-int
北朝鮮の朝鮮中央通信は19日、平壌で8月末に国際プロレス大会が開かれると報じた。アントニオ猪木・参院議員と北朝鮮の張雄・国際武道大会委員長を共同委員長とする大会組織委員会が主催。「自主、平和、親善の理念で開催される大会は、日本と米国をはじめ世界の名だたるプロレスラーが参加する」と……
リンク先にある
「猪木なのになぜ国際プロレスなんだ」という問題も重要であるのだが
その考察はこんごに譲るとして、とりあえず、俺の原田久仁信画像ファイルが火を噴く。何度目だよこれ。
あらためて並べると、この漫画がジャーナリスティックな意味を持つ傑作だったことが分かる。いかに前回の「平和の祭典」が狂気に満ちたものだったか、ということも。
元はムックに収録されていたが、現在は単行本で読める。
●A猪木「50周年」裏伝説
- 作者: 原田久仁信
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2012/11/12
- メディア: 単行本
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デビュー50周年に合わせたスキャンダルの半世紀。活字でヒストリーをまとめ、劇画は猪木の最近のスキャンダル「イノキボンバイエ騒動」の裏舞台を描く
●大森隆男「箱舟に乗らなかった男」
09年にプロレス界から事実上引退し、金沢で旅館業を営む。三沢率いるノアから唯一背を向けた男の回想録
●ターザン山本「夢十夜」…「週刊プロレス」
伝説と破綻した私生活、ジャイアント馬にまつわるスキャンダル
●片山明…「フェニックス伝説」
92年、不慮の事故で車イス生活を送る元プロレスラーの苦闘の人生
●ゴマシオ…「100年の孤独」ナイガイタイムス「破産」の真相
●平壌の冷たい夏、95年「平和の祭典」 ほか
実はさらに、この北朝鮮興行の”闇”が語られている資料がある。
以前http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20120613/p1で紹介した、この本だ。
プロレス界最強仕掛人 永島オヤジの まぁだま~って読んでみてよ
- 作者: 永島勝司
- 出版社/メーカー: 晋遊舎
- 発売日: 2012/06/08
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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(略)…これはねえ、みんな信じないかもしれないけれど、新日本が北朝鮮でイベントやりますっていって、アリが行きますなんてことはあり得ないんだ。韓国へ行くんじゃない、北朝鮮だよ。アメリカの英雄が、自国と国交の無い国に行くなんてそんな無茶な話はない。
一番びっくりしたのが北朝鮮で「えー? アリが来るの?」って大騒ぎになったんだから。
(略)
しかしいま考えても本当にあれはよく来たよなあ。それでとりあえず奥さんと一緒に日本へ来て、名古屋発のチャーター機で北朝鮮に入るってときに南側の妨害があったらしい。
それだけでもあのピョンヤン大会が、1プロレス大会に留まらない大問題だったってわかるよな。(略)チャ・ウンが「大変だ、アリが来れない」って言って「何?」って。それで急遽日本に帰ってなんだかんだやって、アリだけでも来させてくれってことですったもんだがあったが、この交渉経緯や相手についてはちょっと控えさせてもらう。
(略)
俺が個人的に1000万円借りるアテを探して、個人の借金として借りて払ったんだから。そのカネはまあ後々に完済したけれども、どえらく以降にのしかかってきた。笑えない本当の話だよ。
とにかく、北朝鮮をアリが訪れたというのは、プロレスや格闘技のワクを超えた、国際政治上の事件だった。
あまり詳しいことはいえないけど、そりゃ日本のいろんな機関も、そのときは俺や俺の周辺を含めていろいろかぎまわったり、接触してきてね・・・俺の行動記録とかも、なんか公安関係には残っているみたいだよ。
あー、ちょうどいいタイミングで、ゴマシオインタビューがDropkickチャンネルに上がってるわ!!(有料かな?)
http://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar532691
――北朝鮮側が多少なりともお金を出す話はなかったんですか?
永島 一切ありません。ただ向こうはそんなことは言わないよ。「我が国でやりたいならどうぞ!」というスタンスだから。「総連と話し合ってくだい」と。
――総連側は出す話はあったんですか?
永島 出すわけないじゃないか(笑)。
――いや、表だけでもそういう話はあったのかなって。
永島 ないないない。それでスポンサーを集めるために猪木と歩き回ったんだよ。でも、在日一世二世は総連に献金したりするけど、三世四世は関係ないわけよ。実業家たちも世代が代わって考え方は違うから…(略)
ん?これは秘話!!
凄く助かったのは金正日が映画マニアで『男はつらいよ』の寅さんが大好きだろ。倍賞千恵子の弟で、当時新日本の取締役だった倍賞鉄夫を北に連れて行ってな(笑)。
――この男はさくらの弟だ、と(笑)。
永島 そうそう。そうしたら向こうの関係者は手を叩いて喜んでね。「この方がさくらさんの弟ですか!」って。
――ハハハハハハ!
永島 あのとき鉄男の存在は非常に役に立ったね(笑)。そういったことで北朝鮮の映画村にも連れて行かれてね。普通はそんな場所に外部の人間は行けませんよ。
――寅さんの力はそれくらい凄かったんですね(笑)。
あの国に「カネを出す」のは、どこのどいつ?そして手形の裏書きは…
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S21/S21KE000.html
第十五条 4項後半
選挙人は、その選択に関し公的にも私的にも責任を問はれない。
そもそも一昨年の選挙でかの人が出馬したときから、さんざん語っていたけど、プロレスを見ていれば猪木が国民の選良となるには不適切な人間だということは一般の人以上に分かる(笑)。
アントニオ猪木「維新」から出馬。同党と猪木の、北朝鮮政策の矛盾は?
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20130605/p1
でも当選しちゃって、またこういうふうに動き出してしまったんだ、無駄に行動力だけはあるから(笑)。
で、
カネだ。
前回は、上に書いたように、あの国の周辺にうごめく「ヤミ紳士」たちが「2億は朝銀から引っ張る」形で運営費を捻出したりした。ずさん融資と乱脈経営によって最終的には在日同胞と、日本国民に大きな損害を与えたあの金融機関の、一挿話である。
で、このときその朝銀からカネを引っ張ったヤミ紳士は「リキちゃん(長州力)の手形の裏書がほしいっ!」と。
結局こういう裏書は、その後奇蹟の「新日本vsUWFインター対抗戦」と「猪木引退興行」の大ヒットによって返済可能となったのだが、はっきりいってその二本の満塁ホームランが無かったら、新日本プロレスはその時点で終わっていた、とも言われる。
オウムと震災に日本が揺れた1995年に開かれた第一回ピョンヤン大会。
二代目の時代より、三代目のいまはさらに困窮している。モランボンもカネを出しやがらねえ!…という状況になって。
簡単に言っちゃえば、いま猪木のサイフになってるのは、
http://www.igf.jp/event/
に出ている、IGFのイベントの「協賛」になっている企業だよ。
HEIWA、フィールズ…だ。
ある意味ほんとに、今回も「平和の祭典」になるのか(笑)
しかし、企業には社会的責任、株主への説明責任つーもんがあるわけでして。とくに上場企業はネ。
かの全体主義体制・北朝鮮…というより「金王朝」と言ったほうが早いか、そういう王朝とこんなビジネスをやるとしたら、イスラエル協力企業が云々とか、ブラック企業が云々とかじゃない。
フィールズもHEIWAも、かくれもなき上場企業だ。
そしてどうも、6月に株主総会が両者ともあるらしい。
猪木はもはやどーでもいい、というかどうしようもない。
ま、石原慎太郎や橋下徹氏がどう見てるのかは、これもよーく聞くべきだが(笑)。
「フィールズ、平和は金王朝(北朝鮮)のプロレス興行に協賛するのか?あるいは他の企業が協賛するのか?」
このへんの問題がこんごの中心課題、というか中心的なスキャンダルであります。
関連企業の株主総会も含めて、そこをできるかぎり皆様注目して頂きたい。