【創作系譜論】
自分が作品を読んだわけじゃなく、紹介ブログを見た。
http://d.hatena.ne.jp/washburn1975/20140219
徳弘正也の『黄門さま』1巻が発売。
水戸黄門の諸国漫遊を「暴君の退屈しのぎのために多数の部下が犠牲になる」過酷な任務として描き、階級社会の恐ろしさを告発する社会派漫画です。まぁ要するに水戸黄門版『シグルイ』みたいなものですが、あちらが武士道と美意識に徹底的にこだわっていたのに対し、こちらは登場人物がほぼ現代人と…(略)
水戸光圀の諸国漫遊世直し旅…。しかし、その実態は格さん、助さん、くノ一がたくさん命を落としている危険な旅だった!! 貧乏侍の井上進ノ助は、貧乏から脱却しようと水戸藩の剣術指南役の仕官試験に飛びつくが、それは、死んだ“助さん"に代わる、次の“助さん"を決める試験で…!? 光圀公の指示の許、残虐な試験が始まる!!
- 作者: 徳弘正也
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2014/02/19
- メディア: コミック
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自分が上の紹介記事につけたブクマ
以前まどかやデビルマンを引き合いに「魔法少女の話をダークに描いたり、悪魔が正義みたいにお約束をひっくり返すなら『水戸黄門』いいんじゃない?」と書いたんだけど実現したー。
この記事です。
後半のみ再掲載しよう。
■「約束を ひっくり返す お約束」〜魔王と勇者、デビルマン、まどか☆マギカ・・・そして・・・水戸黄門
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20110903/p3このとき「お約束を壊せば、大評判になるに決まってる」作品として頭に浮かべたのは…「水戸黄門」だった(笑)
しかもその数ヵ月後「水戸黄門、人気低迷で打ち切り」という報道があった(爆笑)
ハード&ダークな、お約束を脱した「水戸黄門」は?
人気低迷で打ち切りになるんなら、一回開き直ってすんごくハードでダークな水戸黄門作ってみない???
えーと水戸のご老公は、少年時代に「度胸がある」と友人に証明するだけのために罪のない下層民を切り刻んだ(実話)。そのトラウマに毎晩悩まされているとか。民から搾り取るばかりに見えた悪代官は、実はそれで水路を整備し、民を根本的に豊かにしようとしていたのだ、とか。
・・・書いたけど、作っても失敗ぽいね(笑)。でもダーク&ハードな「水戸黄門」ってのは俺なんかじゃなく、しかるべき人が考えれば面白いかも。
この時代は、悪に配置されるのはちんけな一代官や藩家老、米商人じゃなくて、名君・賢君水戸黄門に対する悪政のバカ将軍・徳川綱吉という設定も多い(もとの講談は特にそうだ)
だが、これをひっくり返す視点で描いた歴史書も多い。多くは一般向けだが、俺は楽しめました。内容紹介の時間無いな。将軍と側用人の政治―新書・江戸時代〈1〉 (講談社現代新書)
- 作者: 大石慎三郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1995/06
- メディア: 新書
- クリック: 12回
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- 作者: 山室恭子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 1998/10
- メディア: 新書
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- 作者: 井沢元彦
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2007/06/28
- メディア: 単行本
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ここから派生した、徳川綱吉の記事も書いた。
専制君主の”啓蒙”が大衆を抑圧するとき〜新釈・徳川綱吉(生類憐みの例)
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20130711/p3
ま、そんな因縁がございますので、今回紹介されたこの作品はとくに興味深いですネ。