2013年5月16日、朝日新聞掲載の三谷幸喜連載コラム「ありふれた生活」より。
皆さんご存知でしょうが、状況を箇条書きで説明します
・三谷幸喜の劇「おのれナポレオン」に登場する女優天海祐希さんが、心筋梗塞で入院、途中降板。
・代役として急遽宮沢りえさんが登場し、短い練習時間にもかかわらずノーミスの名演で評価をあげた。
このへんは報道のとおりですが
・そして三谷幸喜は、天海を想定して書いた脚本を代役に合わせていろいろ細部の変更をした。
そんな前提で読んでください。
・・・野田秀樹さん扮するナポレオンが天海さんに向かって「でかい!」と怒鳴りつけるシーンがある。台本にはなく、稽古場で生まれた台詞(※もちろん天海氏がナチュラルに高身長なので成立する)。天海さんが「自分が小さいくせに」と返し、客席は盛り上がる。
だが代役宮沢りえさんの場合、身長差がそれほどないので、このやりとりは成立しない。野田さんは悩んだ末に「これみよがしな胸の谷間はなんだ!」と変更。確かに宮沢さんはスタイルがよく・・・・(略)ことさら胸が強調された衣装を着ている。どうしてもそこに目が行って…
。
(略)…りえさんの脇に立っていた山本耕史さんが、彼女の胸元をしみじみと見つめ「確かに凄いな」とつぶやくことにした…なんてくだらないことをやってるんだと思わないで下さい。こんな状況だからこそ、むしろ、こういうことが大事なのです。このことを早速天海さんに報告すると、しばらくして返信があった。私だって胸はあるんです、と天海さん。「他の部分が大きいので、そこが強調されないだけなんです!」
皆さん、ご安心下さい。天海祐希さんは元気です。
うちのブログの品格保持上、あまりここからの論はしないが(笑)、一寸笑ったので記録しておいた。さすが徳川家の指南役を務めた坊主の末裔だけのことはある。