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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

歴史に絡んで気になった記事2つ

「日本の黒い霧」、書かれた関係者遺族が訂正求める

http://news.mynavi.jp/news/2013/04/14/007/index.html

松本清張『日本の黒い霧』 関係者遺族抗議で読めなくなる?
[2013/04/14]
 

 新たな資料の発見で歴史の定説が覆るのは、現代史においても例外ではない。誰もが知る有名作家の「傑作」に、書き換えを迫られるという事態が起きている。

 作家・松本清張(1909-1992)といえば『砂の器』『点と線』などの推理小説で知られる国民作家だが、近現代史に取り組んだノンフィクション作品も有名だ。その代表作が『日本の黒い霧』である。
(略)
「革命を売る男・伊藤律」と題された第6話だ。主人公・伊藤律(1913-1989)の遺族が、「全くの無根拠と憶測で当局のスパイであったかのように記述されている」として、伊藤律の名誉回復と遺族の精神的苦痛を除去するために第6話の出版を取りやめるように、文藝春秋に申し入れ・・・

あ、昨日記者会見も行われたのか。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130415/k10013938511000.html

松本清張「日本の黒い霧」の訂正求める
4月15日 21時51分
 
作家・松本清張のノンフィクションの代表作「日本の黒い霧」の中で、スパイ事件のいわゆる「ゾルゲ事件」の端緒となる情報を警察に流したと記述された男性の遺族が会見を開き、「新たな証拠から作品で記述された説は覆っている」として、出版社に内容の訂正を求めていることを明らかにしました。

都内で会見を開いたのは、終戦直後の日本共産党の元最高幹部、伊藤律氏の次男の淳氏です・・・

さて、ある説が新資料その他で否定されたり、信憑性が疑わしくなってくる、ということはよくあることで、それによって過去の研究書をどう扱うか、という話はなるほど良く出てくる。ただ、遺族が内容の訂正を求めた場合はどうなるのかな。著者が生きていれば話し合うこともできるのだが、亡くなっているしね。実際、どう扱うのかってルールよくわからんぞ。

ああ、記者会見を受けて文藝春秋のスタンスも明らかになったね。

文藝春秋社は、「『日本の黒い霧』は、戦後史の謎を解明するうえで、極めて貴重な視点を提示した名著です。ただ、清張が執筆した当時は資料の制約もあり、その後、新しい事実も明らかになったことから、こうした経緯を具体的に説明する文章を付けて刊行を続けていくつもりです」と・・・

togetterの「創作と史実」論

■創作に対する史実からの批判について
http://togetter.com/li/447545
 
■創作が史実と誤認されることについて
http://togetter.com/li/451354

このふたつのtogetter、面白かったですよ。
下のtogetterに自分がつけたブクマ

現世の栄光も勝利も越え、最後に勝者になるのは「物語」だ。/みなもと太郎忠臣蔵漫画で、切腹する大石蔵之介が最後にいう
「わしらの勝ちはただの勝ちやない。この先、数百年勝ち続けるでえ…」

上に引用したのは「冗談新選組」に同時収録された「仁義なき忠臣蔵」という作品です。

冗談新選組

冗談新選組

三谷幸喜、愛読。

NHK大河ドラマ新選組!』の原点
「これがぼくにとっての新選組です!」
徹底対談:みなもと太郎×三谷幸喜付き!
 
これだけコンパクトに、スピーディーに、そして的確に、新選組の栄枯盛衰を描いているというのは凄い。いちばん感銘を受けたのは冒頭のナレーションで、「ややこしい時代をますますややこしくした男たち……」とあって。新選組のことをこんなにうまくまとめた文章はないなと(笑)。ああ、これなんだと思いましたね。NHKの人にもすぐに伝えました。(三谷幸喜氏談/本書より)
 
週刊少年マガジン』(1972年22~24号)に連載された、歴史とギャグが融合した傑作マンガ「冗談新選組」を収録。三谷幸喜との対談、歴史読本』連載の「仁義なき忠臣蔵」も掲載する。