ビッグコミックスピリッツ47、46号にて、「ヒーローズ・カムバック」第一弾として細野不二彦「ギャラリーフェイク」前後篇が掲載されました。
こちらに関しては後述するとして、後編の掲載と同時に、同企画の趣旨の説明と、来週号の予告のページも掲載されています。
ここに書かれた、ゆうきまさみの意気込みの語り方がいいんだわ・・・
画像では、赤く囲んでいます。
編集部や、細野氏が書いた、格調高くこの企画の意味や執筆動機を語る文章と比べると、やや「浮き」もしているが(笑)、周囲の”空気”から堂々と、自然体で浮いていてこその光画部であり、R・田中一郎君なのではないか。
twitterではこう感想を書いた。
gryphonjapan (MMA)
本日スピリッツを購入、復活の細野不二彦「ギャラリーフェイク」を楽しんだが、ゆうきまさみのこの次号予告も秀逸。お涙頂戴的なウェットさを排除し、飄々とあり続けた「あ〜る」が震災復興を助けるというなら、この肩の力を抜いた日常の言葉こそふさわしい。
たぶん、その意味のあり方は被災地の読者にも伝わっていくことと思う。
しかし、あらためて旧作をざっと見たんだが、
「あ〜る」って、学園コメディ(学園変人もの)としては本当に最初から最後まで、ひょうひょうとした作風を保ち続けていたな・・・SKET DANCEにしろ、げんしけんにせよ「涼宮ハルヒ」にせよ、人間関係や恋愛、卒業がらみでどんなドタバタ作品も多少のウェットさが入るのがむしろデフォルトだろうに。だからこそ寿命が長いのかもしれない。
復活「ギャラリーフェイク」は
この作品は”細野版ブラックジャック”でもあるからして、この種のダーティー・ヒーローでは定番の「偽悪的な藤田の優しさを当初は知らず、評判を聞いて軽蔑、警戒する正義漢」「その悪い評判を利用して、大局的な”善”をなす主人公」という物語を描く−−ブラック・ジャックにも、たとえば
http://www.kurata-wataru.com/t-osamu/osamu153.html
にある「ダーティ・ジャック」や「六等星(椎竹先生の話)」とか・・・いくつかあったな。
これを細野氏は、震災被害の東北を舞台に「美術品・歴史的資料、個人的な思い出の品をがれきから拾い出したり、修復したりするボランティア活動」という実際にある事業と絡めて描いている。
その手並みはもう、「さすが名人」とかいいようがない。
最後のコマに、編集者の入れたコピーがある。
・・・・・・まだ、これからだから。
悪党(※「ヒーロー」とルビ)はただ何も言わず
去るのみ―――