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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

個人情報と市場と。グーグルの”ビッグブラザー化”に、プライバシー尊重を売りの新検索サイトが対抗できないか?

http://www.47news.jp/CN/201202/CN2012022401001253.html

米グーグルが3月1日に変更するプライバシーポリシー(個人情報20+ 件保護方針)が波紋を広げている。同社の検索や電子メールなど60以上のサービスで収集する個人データをひとまとめにする計画で、大量の情報が集められて個人の趣味や行動がグーグル 件側に“丸裸”になる懸念が浮上。欧州連合(EU)が同社に延期を求めるなど欧米で反発の声が強まる。今後日本でも問題になる可能性がある。

 対象のサービスは電子メール「Gメール」や動画投稿サイト「ユーチューブ」など。同社の基本ソフト「アンドロイド」のスマートフォンを使っている場合、スマホの位置情報なども一括管理される

この問題はこの問題で今後さらに議論を呼ぶだろうし、抗議もあるだろうし解決策も模索されるだろう。
だが、それとはべつに、ちょっと仮想シミュレーションを考えたい。
かつて、こんな話題があった。

2006年10月08日
国民の血税300億をかけた「日の丸検索エンジン計画」は成功するのか
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/818163.html

このあとどうなったかは知らない。(ほんとは税金なんだから、それじゃまずいけど)
また、国がやるものが、以下のスタンスを取れるかもわからない。
だが、想像する・・以下SF小説

2012年3月1日。
グーグルが世界中の批判を浴びながら「今後のよりよいサービスのために」とプライバシーポリシーを変更、個人情報を収集し始めたとき、あるベンチャー企業がひっそりと広告を打った

検索エンジン「ニコニコ検索」をお届けします。

 
当方の検索力は、正直グーグルに及びません。サービスの範囲も狭いです。
しかし、当方の特徴・サービスは「お客様の個人情報に関心を持たない」ことにあります。
私たちは、法律に定められ強制される最低限の記録以外は、すべて意図的に『記録しないよう』に努力しています。だれが、どんなワードで、何を検索しどこのリンクに飛んだのか。これらの記録を、私たちは意識してあたう限りすばやく消去していくことを、会社の誇りとして宣言します。
個人情報を尊重してほしいと思う皆さんは、どうぞ多少ご不便かもしれませんが、この検索エンジンをお使いください・・・

ま、広告文面はどーでもいいんだけどさ。
こういうふうに、このIT時代、以前から言ってる「となりのビッグブラザー」時代には、「意図的に情報を捨てています、蓄積しません」と、「敢えて知らない方向に持って行く」方向性というのが求められるんじゃないかと思うの。図書館の貸し出し履歴がそれに近いかもしれないけど。

で、そういうふうなスタンスのところが「市場」を通じて支持されていくことによって、グーグル的なビッグブラザーに対抗できるんじゃないかなー、と。
逆に言えば、そうならないのはなぜかなー、と。
もし、上のようなスタンスの検索サイトを運営するところがあったら、皆さんはグーグルやヤフーじゃなくて、そこを積極的に使ったりしませんか?


以前、『未解決性犯罪事件の周辺地域で、警察はレンタル店のアダルト貸出履歴を把握してる…という話』
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20081210/p3
という記事を書いたんだけど、その表題どおりが現状だというところから、こんなふうに考察したことがあった。以下採録

…「市場」がこの問題の解決に奏功する可能性もある。
「私たちは顧客の秘密を守ります。令状が無い限り、捜査機関への情報提出はありえません」というAレンタル店が、そうしないレンタルB店に市場、消費者の支持が得られれば、おのずとそういう店が増えていくだろう。

2ちゃんねるが、閲覧・書き込み共に日本有数の多さなのは、まさにこの部分もかなり大きいのではないだろうか。

ただし、
「あのA店は、警察に情報を知られると困るやつらが利用してるんだって!おお怖い」「おちおち子供連れであの店に行けないわ」というような風評・評価により、まさに市場によって退場させられる可能性も高い。

どちらも机上の空論だからどうなるか分からない。

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あっ、ふと気付いた。保証金取れば、完全匿名レンタル店って可能だよね?
・今、DVDっておおよそ一万円しないんだっけ?
レンタル貸し店が借主の住所や氏名を把握するのは、借りっぱなしで帰ってこないと店がソンするからだよな。

じゃあ入会時に一万円の保証金をとって「XXカ月以内に返却が無く、一分一秒でも遅れたら、無条件で保証金没収です。ご承知の方だけ会員になってください」と納得してもらえれば、完全匿名でのレンタルDVD店って運営可能のような。

でも、上記の「A店」みたいになっちゃうか、いまさらそんなシステムを作ったら。
これも机上の、思考実験でした。

 
まあ実際問題、便利さに馴れた自分も含めての一般市民は、多少の不平をいいつつも、つつがなくグーグル・アンドロイドの各種サービスを使い続けるだろう。アイフォンがアンドロイド携帯よりプライバシーに配慮しているかも分からないし。


ただ、この機会に「匿名性」を売りにして、もはや覇権は揺るがないと思える一大グーグル帝国に挑戦する企業やグループがあったら面白いなあ。

自分はそういうところを本当につくる技術も企画力も経営力も無い。
だから<SF>で考えてみた、次第だ。

こういう議論を、山形浩生氏が翻訳した偉い人が言ってたなー、という記憶があった

訳者解説 -新教養主義宣言リターンズ- (木星叢書)

訳者解説 -新教養主義宣言リターンズ- (木星叢書)

という本でその本の要約を読んだときに、「そうや、XXXX、わかっとるやないけ、お前も!!」と前田日明ニーチェを評して言った言葉風に上から目線で共感した覚えがあったんだが・・・この本がどっかにあると探したのだが、いまはみつからねえ。

それでもみつけたのは、レッシグの「CODE」とか「コモンズ」とかいう本らしい。
http://d.hatena.ne.jp/durrett/20100901/1283316356
経由
http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya0719.html

山形の要を得た摘出を借りると、次のようなものとなる。
 
① 法律以外にも人の行為を規制する方法はある。市場でコストを高くすることやコミュニティなどで規範をつくること、そしてアーキテクチャを生かすことだ。
② ネットでは、そのなかでもコード(ソフトウェア)による規制がきわめて強力だ。だからネット上の規制は不完全どころか、コードを通じた完全すぎる規制が実現する可能性があるし、まさにその方向に向けてネットは動いている
③ 法律は、コントロールが完全になりすぎないような措置が意図的に講じてある(フェアコースやプライバシーなど)。コントロールが不完全であることに重要な民主主義の価値があるからだ。
④ その不完全さが残るようにするためにのみ、コードに規制をかければよいのではないか。
 
 大胆で、しかも筋の通った提案だ。

コモンズ

コモンズ

しかしまあ、こういう議論をレッシグがしているとわかったのはグーグル検索のおかげなんだがね(笑)山形浩生氏( id:wlj-Friday )は今度のグーグルのことについて何か書いてないかな。あとで調べてみよう。