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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

「スポーツは今後、食えなくなる。でもそれは19世紀以前に戻るだけ」という仮説

1月から約半年更新が無く、このまま終了かと思われていた「マイネ・ザッヘ」ブログが最近更新され嬉しい限りである。
今回の「なでしこジャパン」優勝から論じられた話が面白く、また格闘技界をはじめ他のジャンルのヒントにもなるので紹介します。
http://meinesache.seesaa.net/article/215663888.html

(略)……すごい快挙を成し遂げた彼女たちですが、収入の低さについて、何とかすべきと言われています。なにしろ、月給は10万もらえればいい方というのですからひどい話です。

しかしこれは日本だけの話ではありません。開催国ドイツでも、女子リーグの平均集客数はわずか800人程度にすぎず、選手の月収は800ユーロにとどまるといいます。サッカーが女子スポーツとして定着し、圧倒的な競技人口を誇るアメリカでさえ、女子リーグでプレーする選手の年俸は、2万ドルからせいぜい6万ドルです。

こういう有様ですから、「これだけ注目をあびる大会を開けるのに、何かがおかしい」という主張は、日本のみならず、大会に夢中になった各国で共通して叫ばれています。

が、ぼくはそれは逆ではないかと思うのです。おかしいのは、スポーツをするだけで何十億も稼ぐ方で、これからの時代、スポーツはどんどん金にならないものになり、金のためではなく、好きだからプレーするという、女子サッカー選手たちの姿こそが、スポーツの主流に・・・(略)
 

(略)・・・何がアスリートを裕福な社会の名士にしたのかは単純で、新聞とラジオとテレビの普及です。
(略)…あちこちで、「マスメディアは永続的にあり続けるものではなく、時代とともに生まれ、消え去るものではないのか」という見方を聞くようになりました。もしそうであるならば、マスメディアとともに歩んできたスポーツも、19世紀以前の姿に戻る運命と……

ふむ。
この問いを全てのスポーツ選手が自らに、相手に問う時期も来るのか。

そして、この作品の続きと同様に「それでも自分の全部をぶつけねえと気が済まない」人間は絶えず、そしてスポーツは続いていくのか。
(このコマは第5巻)

オールラウンダー廻(5) (イブニングKC)

オールラウンダー廻(5) (イブニングKC)



銀河英雄伝説」はきっちりとした科学考察に基づいたハードSFではなく、そもそも作者も読者もそういうところを目標にしていない話だけど、先輩ベテランSF作家をうならせた、ある世界観がある。

ボタン戦争と称された一時代、レーダーと電子工学が奇形的に発達していた一時代をはぶいて、戦場における用兵にはつねに一定の法則がありました。兵力を集中すること、その兵力を高速で移動させること、この両者です。これを要約すればただ一言、「むだな兵力を作るな』です・・・

ヤン・ウェンリーの台詞として語られた。
そう、読者が「今よりさらに未来の戦争なら、お互いが核ミサイル打ち合って終わっちゃうんじゃね?」と突っ込もうとするところの機先を制して「そういう時代のほう(今の現実)のほうが例外なんですーー!だから未来の戦争は、ぐーぜんハンニバルやナポレオンや曹操の戦術に近くなるんですーー!」と言い張るというね(笑)。
でも「今現在が、歴史的には例外にすぎないかも」という視点は、視野をぐっと広げてくれる。


では人気ブログ「スポーツ見るもの語る者」はどう語ったか?

この二つをつなげると、ある意味絶妙の対比列伝になったな(笑)
http://blog.livedoor.jp/vitaminw/archives/52733476.html

・・・あんないいものが、「タダ」ですからね。しかしまぁ、回収はこれから。これまでは「結果は出ないけど頑張ってる子」でしたが、これからは「世界一のチーム」なのです。女子サッカーというマイナー競技において、まず結果を出さねば回収が始まらないことは、誰よりも彼女たちが知っています。だからこそ「結果がすべて」と言い切ったのです。

すべてのマイナーな文化を支えることを、社会の仕組みにするのは難しいもの。マイナーである中には、人気がない、価値が認められていないという側面もあるからです。ただ、なでしこはマイナーの殻を打ち破り、メジャーになった。日本を熱狂させた。「世界一」という最高の結果を出した。その金看板を手に、これから彼女たちの営業活動が始まるのです。

彼女たちはタダ見の客を責めたりしません。リーグ戦すらタダで見せているくらいです。感動は売り物ではないし、商売にするものではない。「感動したなら金をくれ」なんて言うはずないのです。しかし、今回タダで感動した人が、その感動をきっかけに彼女たちへの「愛情」を持つかもしれない。

愛情はお金に変換できます。ただ揺り動かされたのではなく、自分が何かをしたい、というわき上がる気持ちだからです。感動から愛情へのコンバージョン率を上げるには、「世界一」はきっと役に立つ。そして今現在、彼女たちが赤貧に喘いでいるという現実も、それを後押しするでしょう・・・(略)

もちろん、この後はお馴染みの爆笑選手紹介もきっちり同ブログはやってます。