これもまた、新聞の切り抜き帳代わりに。
朝日新聞5月6日付け夕刊「ニッポン人脈記」。
「夜と霧」のフランクルをめぐる人々を特集した記事だったが、知らない話しがあった。
以下引用
池田香代子(62)の新訳『夜と霧』に、自費で薬を与えていた収容所長を、解放後に囚人たちがかばう話があった。
本当だった。
所長はカール・ホフマンという。このあたりの中心的な強制収容所だったダッハウ記念館に、解放されたユダヤ人たちとホフマンの写真が展示されている。<囚人たちの話によれば、ホフマンは囚人を殴ることを禁止し、追加の衣服や食べ物を与え、自費で薬を買った>
囚人たちは所長を,
初めバイエルンの森に隠したという。
しかしホフマンの自由は短かった。トウルクハイムに残る手紙などを調べた元教師アロイス・エップレ(60)によると、別の収容所での殺人容疑で逮捕された。「ナチス親衛隊員だったから逮捕された。殺人の証人はいなかったが、有罪になって数年拘束されたようだ」
苦しい心情を伝える手紙が残っているが、エップレは「ホフマンは敗戦が見えていたから親切にしたのではないか。良い人は収容所長にまでならない」と言う。その後も時折、住民を訪ねてきたが、73年ごろ命を絶ったという。
解放40周年の式典で、フランクルはユダヤ人オ少女をいかくまった農家をたたえ、「感謝したいのに亡くなった人」の一人としてホフマンを上げた。ごくまれな善行だったとしてもなかなかできないことなのだと。
「彼は死ぬまで自分を非難して苦しんでいたと司祭から聞いた。私は彼のためになにもできなかったことを残念に思う」
自分は「夜と霧」を読んだことがあるが忘れてしまった。
何しろ読んだのが小学生では理解できず、難しいというかひたすら怖かった。子供らに徹底した反戦教育(あるいは反共教育も)をやるのはいいことかも知れない?が、発達段階によっては猟奇的、ホラー的に「怖い」ということで終わってしまうかもしれない。
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