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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています 

「銀魂」&「SKET DANCE」のコラボが、コラボを越えた相互批評となった傑作の件。

どうも週刊漫画誌の紹介を引っ張り続けて、来週号が出る直前になってしまうというのが自分の悪い癖だ。大急ぎで。
今回、春からアニメ化(二期スタート)された作品というくくりで、少年ジャンプ内に「銀魂」と「SKET DANCEスケットダンス)」の二つの作品のコラボが掲載されています。
この種のコラボは「ドラQパーマン」以来(って伝わらないよ!)、自分にとってはとても嬉しい企画だし、こういうコラボは「Aは愛読しているけどBは読んでいない(その逆も)」というファンに、もう片方を再発見させる効用もある。ですが、正直最近はこういうのが増えてきて往時のスペシャル感は少ない。

それでも、今回はなんとおまけ漫画とかではない。二人の作家とも本編をお休みし、さらにそれで「合作漫画」を描くんじゃなくて、それぞれが片方のキャラクターを自ら描き、別のお話が二本載るという超本格的なコラボ…というかある意味競作。
本気度はこのスタイルから、そして内容からびんびんと伝わってきます。
もう少し詳しい内容は、こちらなんかをご参照のこと。

http://ameblo.jp/miyamasato/entry-10860019812.html
http://ameblo.jp/miyamasato/entry-10860940455.html
http://ameblo.jp/miyamasato/entry-10862790871.html

コラボ作品中で言ってるけど、両方とも持ち味あからさまに似てるんだよね

自分はもともと、両作品とも連載が相当経ってから存在を知った。
特にスケットダンスを最初に知ったのは「ライバル雑誌だからと言って、『カイジ』の大ネタをさくっとネタばらし(※大ネタの根幹自体は有名なクイズ・パズルなので)して妨害しようとしているトンでもないエグいやつ」という認識でしたからなー(笑)。このブログのどこかに・・・
ああ、あったあった
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20100412/p5

それでも何が切っ掛けになるか分からないもので、これを契機にスケットダンスを読み出して見ると、実によくできている。「出来がいい」「まとまっている」という言い方には、なんか褒めて無い感じも漂ってしまうけど、「良作」というにふさわしいかと思いますね。また、ジャンプ漫画にやはり究極のところでは必要な「青臭い倫理観」も、学園ものであることをうまく利用して、下品にならずに打ち出している。
 
学園お騒がせ集団vs権力的な生徒会やら他の学園変人たち、というくくりでは共通する「究極超人あ〜る」なんか、この作品と比べると相当ドライというか、人情もの的なところはほぼ皆無に近いスラップスティックだ。それが照れや臭みのない作品としての、あ〜るの強みなんだけれども、まかり間違えば青少年の生きる指針ともなりかねないような倫理を時に打ち出すスケットダンスは、それはそれでやっぱり立派なものだ。
いじめ問題の回かなんかでは、本当に悩んでいた子から感謝のファンレターが来て嬉しかったと単行本で書いていたっけ。
 
そして時たまかすかに、また時にはあからさまに出てくる藤子不二雄的テイスト、ここにも私は高評価をつけたい。
※藤子テイスト?の例
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20100928/p4
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20101119/p6 


さらに「ツッコミ」の表現をひとひねりもふたひねりもして、ここで笑わせる!という重点項目にしているところも個人的には好き。その時のツッコミ表現に関しては「漫画の台詞は少なめに」という原則を放り投げてもやるんだよな。これはおそらく、自分が疎かったゼロ年代の「お笑い」のほうの影響が大きいんじゃないかとも思うし、ひょっとしたら重鎮「こち亀」の伝統もあるのかもしれない。
 
さて、銀魂は・・・と書こうと思ったら、上の話ってほぼ銀魂も同じだと気づいたわ!!倫理性も藤子的テイストも、ツッコミ重視で台詞の長さをいとわないことも同じだァァァァァ!!だから共通点多いんだよォォォォ!!こういう風に語尾を延ばすのが「銀魂」スタイルだってこともコラボ漫画の中では自分たちでツッコンでいるけどなァァァァ!!!
 

作者二人は理想の師弟関係

んなわけで銀魂と、スケットダンスは作風似てるなーー、ってのは読んでればすぐに感じるっす。んで自分、読みはじめのころに「銀魂」作者の空知英秋、「SKETDANCE」作者の篠原健太の名前でウィキペディアを見てみた。んで、「ほー、やっぱり篠原って空知のアシスタントだったんだね。納得納得」と、記憶の「納得!やっぱりそうか」ファイルに入れておいた。


師弟の作品が同時期にアニメ化され、コラボ作品を両者が描く。まったく二人とも感慨深いものがあるでしょうね。
あまり似てる似てるというとパクリだ劣化版だというふうな皮肉に取られかねないが(というか「劣化」って言葉もコラボで出てる…)、しかしスケットダンス銀魂の影響がすぐに分かる一方で「オリジナリティはありますか?」ときかれれば「はい、すごくありますよ。」と迷いなく答えられる。
師匠の血を受け継ぎ、そしてそれを消さないままでさらに自分の個性をも打ち出せる。
これは例えるなら、松本零士新谷かおるのような。

「批評殺すにゃ刃物はいらぬ パロディとツッコミ すればよい」

ただ、上の話を書いてもやや空しいのは、この二人がそれぞれに相手のキャラを借用する形式で描いたコラボ2編、すでに批評の論点をツッコミ、パロディによって先取りしまくっているからだ(笑)
椎名高志の自虐的メタ言及もそういう傾向あるけど、これをされるといくら金を取らない(取れない)シロート芸だからといって、こっちは分析的な文章書きにくくてしょーがねー。ぜんぶ先取りされてんだもんな。
評論はパロディの代わりは出来ないが、優れたパロディとツッコミは、それ自体が批評なんだ。

だから今回のコラボは、ある意味師弟が相互の作品を「批評」し合ったと言える。やはり弱肉強食のジャンプ育ち、互いにナイフを持って「刺し」に行ってるところもなくは無い(笑)。そういう観点からも、ぜひ興味のなかった方もご覧あれ。

ちなみに「じゃあその2作品を読んでみようかな」という人は

このタイプの作品は徐々に方向性が定まって行くので、1巻が合わなかった人も、3巻ぐらいまでは読み続けてほしーなー。

銀魂-ぎんたま- 1

銀魂-ぎんたま- 1

SKET DANCE 1 (ジャンプコミックス)

SKET DANCE 1 (ジャンプコミックス)

おまけ。「最も地味な主人公を決めるのは、もう少し待ってくれないか…」

このコラボ漫画の空知執筆編では、「どっちの漫画に華があるか!」の争いから「どっちのリーダーが派手か!」となり、そして二人が仲間から「結局どっちも地味だよね」と遠慮なく言われていじけます(笑)。
 

ここに、出版者の壁を越えて講談社との再コラボも考えてもらえないだろうか・・・

「うちの主人公も、『闘っている相手の得意技をコピーする』って必殺技があるんだけどねー、これもけっこう地味で使い勝手悪くてねぇ」
「ぶっちゃけ、脇役の俺が主人公のライバルに準決勝で敗退してお膳立てできてんのに、敵討ちどころかそもそも自分も決勝進出できなかった−なんてジャンプじゃありえないっしょ」
「『オールラウンダー廻』ってのもなあ、大体オールラウンダーを気取るやつって個性が無いと相場が決まってんだよね」
「それだから諌山創さんがサイン色紙に主人公以外のキャラ描いてもらう(http://blog.livedoor.jp/isayamahazime/archives/4090938.html)ことになるんだよ」
twitterでも今号、主人公よりマキちゃんのほうが圧倒的に話題だもんね」
「父親との再会だってお姉さんから知らされて『ふーん』てなもんでしょ。米軍が監視する中でご飯一緒に食う、ぐらいのスケール感ないのかね」
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なんかぁ、全然・・・俺の気持ち通じてないっつうかァ・・・格闘界のためにカラダ張ってぇ、こういうリアルな描写や展開やってる感じでぇ…なのになんかァ・・・みんな全然やる気なくてェ・・・

「いや君の気持ちは分かるよ」と

Big hearts 1 (モーニングKC)

Big hearts 1 (モーニングKC)

の主人公が言い出したらガチだが、オチとしては通じにくいな。

オールラウンダー廻(6) (イブニングKC)

オールラウンダー廻(6) (イブニングKC)