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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

本日、金日成の誕生日。とあるシミュレーション

本日が金日成金正日のおやぢ)の誕生日。来年2012年は生誕100周年で、ついでに北朝鮮が強盛大国の扉を開く年だそうだ。
twitterの投稿文章を、適宜補足修正しつつ転載。

金日成生誕99年を記念し、SF(シミュレーション・フィクション)小説のシノプシスをひとつ。/(1)とある独裁者とその一族が、何年も権力を欲しいままにしていた国で、政権への不満が突如噴出。デモが発生し、それは大規模な暴動、そしてついに内戦に発展した(つづく)。
 
その国であまりにも長く続いた強権支配と、奇矯にも見える過激な言動や振る舞いに辟易していた国際社会は現行政権に冷たく、明確な退陣要求や、反政府勢力が樹立を宣言した「暫定政府」を支持する国も出てきた。現政権の独裁者は風前の灯と思われたが・・・(つづく)
 
独裁者は国際世論の動向や、何より国民の人権が一向に気にならないという強みがあった(笑)長年蓄財を重ねた一族の個人資産も使い、傭兵を含めた自分に忠誠を誓う正規軍を発動して猛反撃。一部の軍は暫定政府を自称する反政府勢力についていたが、組織力や装備に劣るため次々撃破された(つづく)
 
ここで反政府勢力は「あの独裁者は市民を虐殺している。世界は、正義のために軍事介入してほしい」と要請する。大統領選を控え強気を見せたい某国、独裁者と親密な関係で、本来は後ろ盾になるはずだが「あいつと心中はごめんだ」と思ってる某国、どさくさまぎれに影響力を強めたい某国・・・(続く)
 
大国の利害対立で一時は国連決議なぞできっこないともされていたが「表だってあの独裁者の味方したらヤバい」との思惑による棄権などもあり、独裁者を制裁する軍事介入が可能な決議が成立「してしまった」。さて準備に入ったとき、国内に強大な反戦世論を抱える国が反対と不参加を表明。(つづく)
 
そして、その独裁者vs反政府勢力に外国が軍事介入するためには地政学的に基地が重要となる国があった。だがそこは、その国の旧宗主国。現地反政府勢力も含め複雑な民族感情もある。一方で内乱が長引けば、難民が豊かなその国に殺到するかもしれない、というリスクもある。(つづく)
 
そもそも反政府側に力を貸すのが正義か?彼らの指導層も旧政権幹部たちではないか?そちらの側は、市民虐殺などは本当にしていないのか?直接の攻撃に不参加なら基地提供、資金援助、武器援助はいいのか?多くの問題をはらみつつ、風雲急を告げる20XX年の「朝鮮半島」だった・・・(完、解題あり)

【解題】以上のSF的妄想、読めば一目瞭然のように2011年のリビアのシチュエーションを北朝鮮に置き換えただけ。リビア問題は正直距離や文化的な縁遠さがあるが、詳細に考えるとこれまでの「正義論」を揺るがす部分は大きい。そしてイタリアやドイツの立場に日本が置かれた場合は。(続く)
空爆雨あられを降らすのがいいのか、反政府勢力が独裁者に壊滅させられるのを傍観するのがいいのか。ジャスミン革命北朝鮮に波及する可能性はなんとも言えないが、あるかもしれない一つの状況を敢えてSF的に想像させてもらいました(おしまい)