ビッグコミックスピリッツオリジナルで、何度か掲載された後、先の号から本格連載が始まった野村知紗の「看護助手のナナちゃん」。
いま知ったのだが、旦那さんが「とろける鉄工所」の野村宗弘さんなんだと(笑)。
ちょっと図版の画質が悪い上に小さいから伝わらないかもしれないが、看護助手が高齢者のお世話をするお話。
絵柄は、へたすると上の「実録!パンクラス」と同次元・・・ってことはいくらなんでもないだろうが、シンプルすぎて、さらにその先をいっているようなデザイン。だが、それがテーマの生々しさを防ぐ力にもなっているのが、漫画の一すじ縄ではいかないところだ。
世話をする患者の多くは認知症などを患っていて、記憶や感情にいろいろな異常がある。
認知症をふくめ、そのへんの障害をうまく利用して「泣かせ」の筋書きをつくる作品は最近、氾濫しすぎのきらいもあるが・・・この作品がそういうところを狙いに狙った”あざとい”ものなのか、それとも素直に経験や取材を反映したものかはわからない。
究極的には、どうでもいいともいえる。
ただ、数回のエピソードを見た限りでは…例えば「ヘルプマン」と比べると、ややしんどいことは意識的に避けている部分は今はあるにしても−−この作品はほどなく大化けすると思う。今回のブログではちょっと表面的に触れるだけだが、まだ本格的に始まったばかりであり、ブログで論じる人も紹介する人も少ないので、とりあえず名前だけでも覚えて帰ってください。
あ、あとよく雑誌名が混乱して見つからない人も多いので念を押しておくと「ビッグコミックオリジナル」掲載です(たしか)。
【追記】おお、調べたところ、この作品はビッグコミックで連載される前、黒潮マンガ大賞というのを受賞していたらしく、その作品を
http://www.dreamtribe.jp/comic/works.asp?work_id=800
で見ることが出来る。
これで実力(素質)はだいぶ理解してもらえるのでは。