【トンガ噴火お見舞】INVISIBLE D. ーQUIET & COLORFUL PLACE-

John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

「戦場に駆けるTOYOTA」・・・そして「大仏破壊」と4WD

はてなの人気ブログ「リアリズムと防衛を学ぶ」の
http://d.hatena.ne.jp/zyesuta/20100113
が話題となっている。
なるほどと読んでおりましたところ、以下のような小項目があった。

戦場で活躍したトヨタ

(写真も同ブログから)

 コンピュータ関係ばかりではありません。日本の輸出製品といえば、何といっても車です。チャド内戦ではトヨタ製のトラックがたくさん使われ、かなりの戦果をあげました。上の写真は兵士を満載している様子です。

 よりセンセーショナルだったのは、トヨタのトラックが改造され、荷台に対戦車ミサイルを搭載したことです。この対戦車トラック部隊(トヨタ製)が戦場を駆け巡り、時には敵軍の戦車も撃破して話題になりました。
(略)
・・・チャド内戦ではトヨタ車の軍事利用がとても印象的だったので、話題になり、「TOYOTA WAR(トヨタ戦争)」とまで呼ばれました。


これを読んで、ああ同じような記述があったなぁ、と高木徹氏の著作「大仏破壊」を思い出しました。

大仏破壊―ビンラディン、9・11へのプレリュード (文春文庫)

大仏破壊―ビンラディン、9・11へのプレリュード (文春文庫)

ある種の「亡命者」「居候」だったビンラディンが、タリバンの中で頭角をあらわし、いつしかタリバンそのものを牛耳るようになったきっかけに、やっぱりチャドと同様、日本の4WD車の内戦での大活躍があったというのです。

以下引用・・・とやればカッコいいのですが、この本は図書館で借りて読んだので今、手元にございません。
この前の「司馬遼太郎と軍事評論家」と同じパターンですね、すいません。
でも内容、概要をうろ覚えしておけばグーグル大明神にお伺いを立てられます。「”大仏破壊” 4WD」で検索しピックアップ。

http://gamefish.blog5.fc2.com/blog-entry-9.html

そしてその後タリバン勢力が北部同盟との戦闘で優位に立てなくなるとオサマ・ビン・ラディンが権力を得る。
4WDの車を一挙に50台以上買い与え、戦闘力を向上させるタリバンにとっては非常に旨い仲間と言ったところだろうか。
そして、その力を背景にタリバン内部の権力構造も一変する。
アルカイダの狂信的なイスラム信仰に感化されるオマル氏。
大仏破壊にGOサインを出す。
情報文化次官のホタキは破壊阻止に動くが、ホタキに届けられたのは・・・(略)


http://ameblo.jp/kwin/entry-10066300335.html

ビンラディンは、私たちタリバンの部隊が大きな損害を出し、苦境に陥ったようなときに、4WD車をまとめて4,50台買って送ってくれたんです。そういうことが私の知る限り3回ありました。その援助は戦況に決定的な変化をもたらしました」

タリバンの戦闘シーンの映像資料を・・・ 多くの場合、その車体後部には TOYOTANISSANの文字が書かれていた。ビンラディンがその財力にものを言わせ ・・・・
             「大仏破壊」 第6章 ビンラディンの贈り物 より


これは最後の、独自の趣旨部分がよく分からんが、同書の要約としては大変詳しい(※詳しすぎて「大仏破壊って本、読んでみようかな」と興味を持たれた方には、ややネタバレ気味にもなるのでご注意を)。
http://www.porsonale.co.jp/semi_c191.htm


・・・と、いう次第。
私もナイーブな平和ボケ日本の国民の一人であるので、トヨタとかニッサンとか三菱とかの技術者が精魂込めて設計し、労働者が作り上げた日本車の技術と品質管理の高さが、戦争でたいへん有効に使われていました、と最初に読んだ時には、かなり強いやりきれなさを感じまた。
だが、山地泥濘を駆け抜ける4WDが、それ以上に人命の保護と生活の質の向上にも役立っていることも間違いないだろう。戦争に使われるときだけエンストするって技術は開発されそうもないし、ある程度は呑み込むしかない話なのかなあ・・・・・・・と、上記の感想を持ったそのすぐ後に思ったものです。その一連の感情の動きが、今回のリンク先エントリでプレイバックしました。


あと、「小規模戦闘」というものには以前から興味を持っているのですが、タリバンと当時のアフガン軍閥の戦争がどの程度の規模で展開されていいたかはしらねど、ヘタしたら「50人vs30人」みたいな規模だったかもしれない。そういう戦争であったら、確かに「山の中でもガンガン走れるトヨタの4WD」が「恐怖! 機動ビグ・ザム」とか、「大ふへん者・前田慶次の馬にて候!!」みたいな、そういう無敵の超兵器として活躍するのかもしれない。
そういう目、小規模戦闘をやってる人や集団の感覚って逆にA国vsB国の全面戦争・・・というもの以上に、報道や資料にはないから感覚的にはつかみにくいかもしれない。


「大仏破壊」を大推薦。

軍事マニア的な評価はどうなのか分からないけど、まず2001年・・・911とその後の対米戦争前後のタリバンの指導者一人一人に固有名詞・個性があり、愛憎や裏切り、英雄行為があったという当たり前のことを丹念に追っているし、直接のインタビューなどにも成功している。

また、
「オマル氏は全アフガンの指導者になるよう推薦された時、同国の『伝説のマント』を羽織った」
「9.11とアフガン戦争の前、アメリカを訪問していたタリバン幹部の訪米団は、すっかりアメリカびいきになって帰ってきた」
アメリカ・アフガン戦争の時期、日本外務省の下っ端に、西側諸国の諜報機関が束になっても入手できない極秘の情報を次々と撮ってくる凄腕のインテリジェンス・オフィサーがいた」
などの意外な情報が満載だし、文章の香りも高い。

ここでは「いつか本格的に書評する」とくりかえしつつ、まだ取り残し、ブログ読者から「なんどめだ」といわれている

とあわせて大・大・大仏推薦するものであります。


あと、これらの本の基となったNHKのドキュメンタリー、
みなさまのほうからも、「皆様のNHK」に対して
「また再放送せんかいワレ」「さっさとNHKオンラインで視聴可能にしろや」
とご一緒に”圧力”をかけていただければ幸いです。(私は要望を送っているんだけど・・・)

上記「リアリズムと防衛を学ぶ」の作者はtwitterもやっている。

http://twitter.com/zyesuta

以前の「軍事評論家と民主主義(司馬遼太郎)」について

そうそう、引用したブログではかつて当道場本舗の
江畑謙介氏逝去で思い出したこと。軍事評論家を司馬遼太郎は「民主主義の象徴」と語った
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20091014#p2
というエントリを紹介・考察していただいたのだけれど

江畑謙介氏のメッセージComments
http://d.hatena.ne.jp/zyesuta/20091016/1255636477

そのときうろ覚えの内容を紹介するのみだった司馬の小文、原文をこの機会にUPしました
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20091014#p4