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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

異説異伝・なぜ小沢一郎は、中国要人の天皇訪問を無理矢理セッティングしたのか?

天皇特例会見:陛下、習中国副主席と会見 副主席「心から感謝」

 天皇陛下は(※2009年12月)15日午前、来日中の中国の習近平国家副主席と皇居・宮殿「竹の間」で会見した。陛下と習副主席が会うのは初めて。天皇陛下が中国の政府要人と会うのは、昨年5月に国賓として来日した胡錦濤国家主席以来。陛下は、胡主席が副主席時代の98年に来日した際も皇居・宮殿で会見している・・・


この、数日後のことである。
「小沢先生!! ご多忙中申し訳ありません、ですが、わたくし、先生から教わったものとして一言申し上げたく・・・やはりあの会見は、ちょっと強引だったのではないでしょうか!!」

すでに夜おそく、民主党幹事長室を出て、車に乗り込もうとしていたところを待ち構え、直訴まがいの行為に及んだのは、一年生議員・田中美絵子であった。かつてジャーナリストとしてさまざまな場所に潜入取材し、世界をまたにかけて飛び回った民主党の女性ホープは、それだからこそ、だれもが恐れる小沢一郎に、大胆に直言しようという意思を固めていたのだ。


「わたしには、中国をそこまで重んじる先生の真意が分かりかねます!それに、先生の事務所には、何かさまざまなお金の話がささやかれています!そのお金はどこから来たんですか!!」
「な、なんて非礼なっ、下がりなさい!!」
そうたしなめる秘書を手で制する小沢。
「・・・・ふむ。田中君か…。君には確かに、言っておくべきことかもしれないな。その質問には、これから行く場所に同行してもらえれば分かるかもしれないが…乗るかね?」
そう促すと、自分はいち早く乗り込んだ。
田中は思いがけない話にほんの1秒ほどひるんだが、そこはかつての腕利きジャーナリストである。正義感のみならず好奇心も旺盛だ。
その申し出を受け、車の後部ドアを開けた。


◆  ◆  ◆  ◆
「・・・なぜ君を連れて行くかわかるかね?・・・君はかつて、スフィンクス像に上ったそうだな」
「若気のいたりで、お恥ずかしい話です」
エジプトの国法に触れる行為であることは当時も分かっていた。ただ、その場に立ったとき、何か不思議な声が、ここに上がれと呼ぶような気がして、それに抗えなかったのだ・・・・そんな言い訳が通じるわけもないと思ったので、一言も取材では語らなかったが。

「君も、呼ばれたのか」
「え?なぜそれを!!!」


小沢は、政策のあれこれの時と同様、何の説明もしなかった。
かわりに、つぶやいた
「朝は4本足、昼は2本足、夜は3本足・・・・」
スフィンクスがかつて旅人に問いを発したという、世界最古のクイズだ。そして、生まれ、老いて死ぬ人間の宿命をうたった、悲しい詩でもある。
「だが、夜の次に再び朝日を見ることができたら・・・・」


◆  ◆  ◆  ◆

ある時点から、田中美絵子の席の周りはカーテンが張られ、周りの景色が見えなくなった。車も何度も右へ左へ曲がり、同じところを回っているようでもある。すでに、方向感覚を失い、ようやく到着したその場所も、いったいどこであるかは分からなかった。

「ここだ。」
小さな扉を開ける小沢。その向こうには、下へ降りてゆく螺旋階段が見える。

カツン、
カツン、
カツン、
小さく、2名の足音が響く。
「目的地につくまで、少し歴史のテストをしようか・・・。僕が自民党時代に所属していた派閥を知っているかね」
竹下登先生がおつくりになられた経世会ですね。小沢先生はそこの”七奉行”のお一人でした」
さすがはかつて、行動力のみならず博覧強記で知られた硬派ジャーナリストである。よどみなく答えた。
「その前は?」
田中角栄先生の田中派ですね。鉄の結束の田中軍団。」
「一人はみんなのために、みんなは一人のために・・・そういう誓いがあったな」
ふっふっふと含み笑いをする小沢。「そして、カネまみれの金権集団だったわけだ」
「せ、先生はそういう風潮を変えるために自民党を飛び出して・・・」あわててフォローをする田中美絵子だが、小沢は目でそれを制すとかまわず続ける。
「そんなことは問題じゃあない。君に聞きたいのは、そのカネはどうやって作ったのかってことだよ。世間では田中派錬金術とか言っていたがね・・」
「・・・・・・」そんなことはしらないし、知っていても言えるわけがないではないか。美絵子は沈黙した。
しかし、小沢は上機嫌である。

「ヒントをあげよう。世間はやっぱり馬鹿にできない、大衆は何かを知っているということ。そしてわが田中派のスローガンだよ。わからないかね?ではスローガンを、本来の言い方で言い直そうか。『全は一、一は全』。これだよ。」


田中美絵子にとっては、話の着地点が全く分からず、恐怖がじわじわと沸いてきた。いや、恐怖の理由はもうひとつある。
この螺旋階段、どこまでいっても終わりが無いのだ。地下に降りていく階段だったはずだ。
だが、この小沢との不思議な問答の間も、二人の足は止まらなかった。いったい、深度何メートルあるのだ?


◆ ◆ ◆ ◆
「さきほどの答えは、ついたら教えるとして」
小沢は話題を変えた。
「僕の故郷は岩手県であることは知っているね?」
「それはもちろん」
「平泉に来たことは?」
「そりゃ、旅のライターでしたから。金色堂はとっても素敵でした」
「ははは、いまでこそ田舎だが黄金に輝く、日本のエルドラドであった時期もあったんだよ。奥州藤原氏は、実質上独立王国だった。その前、アテルイの時代はさらに名実ともに独立国だった。・・・やつらの軍隊が来るまではな」
やつらとは源氏の軍のことだろうか。坂上田村麻呂の軍隊だろうか。しかしどちらにせよ、小沢一郎はそこに激しい敵意を燃やしているようだった。
「君と姓が同じオヤジ・・・田中角栄の地盤は、長岡だった。ここはかつて、菊の御紋の旗を掲げた官軍によって火の海となった。もう一人の僕の師匠、竹下登は出雲の人。国ゆずりをした、いやさせられたオオクニヌシの側のものだよ」

「つまり、やつに義理にはないのさ」

この「やつ」とは・・・田中美絵子は、聞いてはならない話を聞いているのではないかという緊張で、手のひらにじっとり汗をかいた。


◆  ◆  ◆
ついに螺旋階段は終わり、巨大な扉が、2人の前に立ちはだかった。しかし奇妙なことに、曼荼羅のような、魔方陣のような不思議な幾何学模様が門の真ん中にあるだけで、鍵穴も暗証番号のボタンもない。
「この模様、エジプトでみたような・・・」田中美絵子はおぼろげな記憶を振り絞ろうとしたが、えたいのしれない緊張と恐怖でどうにも考えがまとまらない。

小沢は田中美絵子に、こう宣言した。
「この扉の向こうに行くと、ぼくは民主党幹事長・小沢一郎ではない」
「『新越山会』会長秘匿指令第671号執行者・小沢一郎である」
そして、両手を合わせたあと指で、門の”魔法陣”をなぞった。
「・・・全は一。一は全・・・・」

門は、世にも不気味な音を立てて開いた。
◆  ◆  ◆  ◆

田中美絵子は、門の中に一歩はいるなり腰を抜かした。
そこには、まばゆいばかりの黄金が山と積まれている。政治とカネというが、これだけの金があれば民主党の100年ぶんの政治資金はまかなえそうだ。

「小沢先生、これは・・・」
「わが岩手、奥州王国にかつてあり、今は失われた、まさに錬金術の力だ・・・それが、どういう経路か、一説には義経を通じて甲斐源氏に秘法の断片が渡り、かつての武田信玄がそれを利用して黄金をつくり、軍資金としたという。・・・その秘法の、そのまた一部を継承していたのが、金丸信先生なのだ」

田中美絵子はその名を聞き、最後に「床下に金の延べ棒を隠していた」として脱税の罪で裁かれた、昭和・平成初期の大物政治家を思い出した。そうか、その黄金は・・・・



◆  ◆  ◆
「すごい・・・科学の常識を覆し、元素そのものを変えるなんて・・・」
「いや、これもまだまだ不完全なのだ。ここまでやれるのは金丸先生しかいないしな」
「すると、金丸先生が亡くなったあと、もう金は作れないのですか?」
「亡くなった、あと・・・か・・・」
小沢は、黄金の廊下を抜け、別の扉を開いた。
そして、「みなさま、お久しぶりでございます」と、丁寧に頭を下げた。

あの小沢先生が、あんなに頭を下げるなんて・・・田中美絵子は、うしろからそっと覗き込んだ。
そして、さっきとは比べ物にならない絶叫をあげた。あと少しで失神するところだった。


なぜなら、そこにいたのは死んだとされた金丸信と、そして竹下登小渕恵三橋本龍太郎の4人ではないか!!それも、なんというか・・・4人の顔形は時折は鮮明になり、だからこぞ彼女も認識できたのだが、ものの数秒もすると粘土のような、泥のような不定形の形に、その人たちはなっていく。そして一体化し、また再び人の顔、形になり・・・それはなんとも、この世のものとは思えぬ光景であった。


金丸が、息子のようにかわいがったという小沢に声をかける。
「おそかったのう、一郎や。計画は進んでるか?」
「はっ、秘匿指令671号に関しては、重要な進展がありました」

「ほう、さすがはいっちゃんだ」と、生前から派閥のムードメーカーだった小渕が場を和ませるが
「そのご活躍で、今では新越山会の『会長代行』と呼ばれているらしいね」と、毒と刃をふくんだ口調で言ったのは、生前から皮肉屋で知られた橋本龍太郎だ。


「まあまあ、こういうのは司・司(つかさつかさ)に任せておくのが一番だわな。わたしたちは4人で麻雀でもやりつつ、気長に待つことだわな」と、竹下登がまとめる。
もちろん4人とも、語っては形が崩れ、形が崩れてはまたよみがえる。

「ようは、完璧なる錬金術の知識がそろえば、命も自由に操れる。わしらと、わしらの指導者は不死の命と大いなる知識を得るのじゃ」


「それに必要な二つを抑え、そしてそれを交わらせることに成功しました。」


「あれはご苦労様だったね。いささか無理もしたようだが、する価値のある無理だったよ」
頭の回転の速さをうたわれた橋本が、今度はすなおに小沢をほめる。かつて同年代のライバルでもあった男からの賞賛に、小沢の顔がほころんだ。


「今は、どこもすべての体系的な錬金術の知識を持つものはございません。
。だが、それでも断片的な知識のありかは分かっております。。
中国の正統王朝が受け継ぎ、いまは中国共産党が受け継ぐ錬金術の知識。
そして、やつら・・・呉の太伯から受け継いだとされる皇室の秘儀!!!
このふたつが交わるとき、わが新越山会錬金術がそこに絡めば・・・・ククククク!」


小沢は、自体の進展ぶりを報告し、あらためて大きな一歩を踏み出したことを再確認した。


「頼むぞ一郎・・・・わしらの復活のため、そして親分の復活のため・・・・」
「はっ、来るべき経世会・そして木曜クラブ田中派)の再統合と復活のために、そしてそのとき、われらが王・田中角栄もよみがえり・・・・」


3人の元首相と、1人の元副首相・・・その不定形の”もの”は、このときだけは声を合わせた。
易姓革命の日、きたる!!」


そして、その「もの」のさらに奥・・・・巨大な、そして豪華な棺の中に、人の形をいまは保てないほどにどろりとした別の”もの”が、だれにも聞き取れないほどの小さな声で、棺の中でつぶやいたのは偶然だろうか。

「よっしゃ・・・よっしゃ・・・」


(第一部完)

この後のどうでもいいし、たぶん形にならないメモ

・世界の錬金術の秘法は、4つの部分に分かれて伝わっている。
ひとつは中国共産党の受け継いだ秘法。命をつかさどる技法にすぐれ、毛沢東訒小平が長生きなのはこのため。


ひとつはかつて反朝廷だった勢力(出雲、奥州藤原氏アテルイ、奥州佐幕派)などにばらばらに伝わったが、悪魔的天才・田中角栄がそれを統合し、再構成した秘法。黄金形成などは進んでいるが、「生命」をいじるのは不得意。


ひとつはなんと!田中派のライバル福田派が握っていた。福田派のルーツ・岸信介満州を牛耳っていたころ、満州国皇帝溥儀を脅して入手した。中国王朝の流れを汲みつつ、満州遊牧民渤海に伝わっていたオリジナルの教え、そして攘夷の急先鋒・長州藩山口県)の教えも加わっている。清王朝の秘儀を受け継ぎ、日本伝統の錬金術(一部)と合体させたグループだったから「”清和”会」なのだ。(うまいこというな俺)。その、異能の使い手が小泉純一郎(その術の特徴はなぞ?)。安倍は岸信介直伝の強みもあるが、能力は劣る。だがその未熟さが危険・・・


そして、残りの最後のひとつが天皇家にある!!これは各派の錬金術のすべてを統合する、結節点となる教え(物品?道具?)らしい。だが、まったくの謎。


天皇家の受け継ぐ錬金術は、かつて伝説として伝わり、今は否定され歴史の中に隠れた「天皇家の遠祖・呉の太伯」からつたわったものだという。


・実はその天皇にまつろわぬ民の代表は、呉と対立した「越」の末裔(呉越同舟・・・)であり、だから「越山会」とかつて田中は名乗ったのだ!!(うまいこというねえ俺)昭和天皇はゆえに田中角栄を嫌い、怖れていた(実際そんな噂があった)。


小沢一郎の行動は、基本的には秘密組織「新越山会」のサポートで行われている。そして小沢は生前の田中角栄が、あらゆる法規に優先することを許可した『秘匿指令671号』に基づいて闇の権力を自由に操れる。


・だが中国との連携はそのためだけなのか。今回の天皇習近平会談を仕組んだ理由とは。橋本龍太郎(半復活)は、小沢の意図を怪しんでいるふしもあるらしい。


・そう、中国は独自の思惑があった。毛『沢』東、訒小『平』、江『沢』民、胡錦『濤』、そして習近『平』と、水の属性を持つもの(※「平」は、水が器をどう傾けても水面が平らなため中国では水の属性があるとされる)によって受け継がれた中国共産党錬金術の秘法。五行説では「金生水」である。そして、小「沢」一郎・・・・!


・小沢が連れてきた150人の議員と胡錦濤は握手したが、これは議員の「気」を吸い取る胡錦濤の・・・


・ちなみに田中派は「木曜クラブ」である。水生木であり「金克木」。
田中美絵子は、本人も知らないが田中角栄、そしてその娘田中真紀子につながる血を持つ。だからこそスフィンクス像にも呼ばれ、この場所にも連れてこられた・・・・


羽毛田宮内庁長官も忍術の使い手。


まあこんなことをちりばめていくと伝奇っぽい、という話でした。

最後あたりには

「わたしの草薙の剣を、取ってきてくれ・・・」とかで〆たい気もする。

(このひとつ下に「創作ノート」があります)