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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

続「人を襲うイカ」の話。番組内容を詳しく紹介します(ディスカバリーチャンネル「野生の恐怖」)

昨日、予想外の大きな反響を呼んだ「人を襲うイカ」の話。
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20091021#p2
からの続きです。

本日、資料としてくわしく紹介しよう。これを元にウィキペも新項目を作ったり編集しなければ。

まず、番組全体のコンセプトをHPから引用します
http://japan.discovery.com/0917sp/index.php

デイブが体験する野生の恐怖
Rogue Nature With Dave Salmoni


チンパンジーが女子供を襲い、巨大な生物が釣り人を水中に引きずりこみ、人喰い熊が街を闊歩。そして象が暴れ回る。ライオンが、トラ、猛獣が人間に襲いかかる…。動物学者にして猛獣使い、ハンサムな風貌と強靭な肉体を持つ、デイブ・サルモニが未開の大自然と恐るべき動物たちに迫るシリーズ。デイブが案内するのは、ジャングルの掟が支配する弱肉強食の世界。人間と自然が交差する最前線では何が起こっているのか。全6回

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このシリーズの、この回だと。

http://japan.discovery.com/episode/index.php?eid1=864879&eid2=000000

【HV制作】深海に生息するフンボルトイカ。メキシコの漁師たちは、フンボルトイカを「赤い悪魔」と呼び、恐れている。というのも、このイカは、ボートの上の人間を一瞬で水中深く引きずりこむほどの力を持っているというのだ。この伝説が本当かどうかを調べるため、デイブは完全防備で海に潜る。果たして、フンボルトイカに遭遇できるのだろうか。全6話


ここからが内容のレポートです。ただ、忠実に紹介したいところと、心の内なる梶原一騎が脚色した場面が微妙に混じっております。ご了承ください。

オープニング

コルテス海・・・美しい海をもつ理想的な観光地
だが、ここには恐るべき支配者がいた!!
フンボルトイカ・・・2m、70kg!!
漁師たちの間ではすでに「赤い悪魔」の異名を持ち、恐ろしい存在であることは周知の事実だった。

その凶暴性を調べるために、イカを一匹つり上げ、それを解体して海に放す・・・するとこのけだものは、仲間の死骸に興奮し、その死肉を食らうのだ!!

無害か、凶暴か?

ベテランの水中写真家スコット・カッセル。10年で300回もフンボルトイカに遭遇した彼は、その恐怖を語る
「やつには肩をはずされ、鼓膜も破られた。やつの引き込む力は半端じゃない。・・・人類への脅威だよ!!(ほんとに「人類への脅威」と言った)」

だが、象牙の塔権威主義者たちは現場の証言に目をつぶる。
スタンフォード大のギリ―教授は20年以上研究した権威であると自称し「フンボルトイカが凶暴?そんなバカなこといっちゃいかんよ!・・漁で遭難した猟師が多いことをイカのせいにした伝説にすぎん。・私は数回しか潜ったことはないけどな!、君も学界に残りたければ、どっちにつくかよく考えたまえ」
カ・・・カテエ!まるで溶岩石のように凝り固まったギリー教授のアタマ!!

だが、彼はこうもいう・・・
イカの個性、性格にもよるね。たちの悪いイカなら人に乱暴するかもしれん・・・・(ホントにこういった)」

その脅威のスペック! & 美人解剖学者登場

やつの10の足・・・正確にいうと8本の腕と2本の触覚にはすべて鋭い歯がある!!吸盤とともに、これが肉に食い込んだら。
水中移動の時速は30km、食欲は旺盛、貪欲で幼いころから共食いは日常の修羅道・・・強いものしか生き残れないのだ!!
その強さが、水中では目立つ「赤」を身にまとう、敵を恐れない赤ぞなえなのだ。

しかし、地元猟師は危険と隣りあわせで今日もフンボルトイカと闘う。
アジア市場で、このイカは高く売れるのだ・・・ここにも途上国と先進国の格差が・・・日本にもその責任はある。

ここで美人の女性解剖科学者 スザンナ・カマリロが登場。なんてドラマチックな展開だ。

彼女はイカの死骸からするどい吸盤、水を噴出するろうと(外とう膜)、頭の水をきるヒレ、2本の触覚・・・などを主人公に教える。
「いかにつかまって吸い付かれると、何千もの歯で噛まれるような感覚なのよ・・・」
そう解説するスザンナの表情は、妖しく美しかった。

スパーリングの相手は・・・

さて、先ほどのベテラン水中写真家はこう断言する。
フンボルトイカと階級が同じなら、人間に勝ち目は無い・・・・」

しかし、それでも闘うしかない主人公は実際に潜水する前に特訓をすることを試みる。
だが、ここで大きな壁に当たる。
フンボルトイカは、実際に人間に飼われることをいさぎよしとしない孤高の戦士で、水族館にとらわれてもえさを食べず、数日にして自ら命を絶つ。だからスパーリングの相手が居ない・・・

そこで、主人公はミズダコを参考にしようとする(ホントよ)。

たこ!!

そしてミズダコの恐るべき力に、主人公は戦慄する!!
彼らの共通点は「知的なハンター」だということだ。神経の半分を腕に収め、腕は脳からの命令を待たず、自ら動いていくのだ。それが大きな知性を生む。

知能は犬に匹敵するとも言われ、迷路を推論して抜け出すこともできれば、びんの「ふた」を「ねじって」開けることも可能だ(それができる生物が何種、地球に存在する?)

女性比較心理学者ジェニファー・メイザーも実験に参加する。彼女はこういう。
「たこは一度開けたら、そのふたの開け方を覚えているのよ・・・・」
この実験でも、。たこの腕が次々とやってきて、主人公の腕に絡みつく
「すごい力だ!」驚く主人公。

比較心理学者はいう。「あなたの呼吸装置を、たこは水中で外しかねないわよ」


主人公はたこ専門家、ジェームズ・コズグローブから教えを受ける。
「巣にちかづくと、やつらが吸盤をこちらに向ける」
「鍛えた人間でも勝てませんか?」
「・・・・人間の腕は何本だ? やつらは8本。力も強いし、海はやつのd土俵・・・。俺からの忠告はただひとつだ、やつらを本気にさせるな」(本当にこういう意味のことをいった)

何度も「たこにおそられたら命が危険」と繰り返すジェームズ。
だが、主人公は海で6メートルのたこと出会い、こう結論する。
「たこは心穏やかな紳士だ」。

<引用者註>・・俺に言わせればとんでもない話で、「何言ってんだこのタコ!」といいたいのだが、逆に言うとタコですら穏やかに見えるほどフンボルトイカが凶暴だということだ。


イカとの死闘前夜。準備と装備

いよいよイカと遭遇すべく準備する主人公。周囲からのアドバイス
「保護スーツを来ていけ。まだましだ」
「くちばしで噛まれたら、テニスボール大の肉片がむしられるから気をつけて」
「指をかまれたら?骨折する」
「それですめばいいね。」
「たぶん保護スーツを着てれば指の切断は免れるから」
「まあ、体重50キロの肉食のインコに、蜘蛛の脚が生えていると思えばいいよ」(ホントにこういった)

そして、噛み付かれて下に引きずられるということに慣れるため、主人公は警察犬のシェパードと特訓した(ホント)。
なぜだと思ったが「かまれても死にはしない、ということを感覚で覚えてパニックにならないためという。」

決戦!!メキシコの青い海

そしてメキシコ・バハ半島へ。
「頭はイカのことでいっぱいです」と語る主人公。一匹のおとりイカにカメラをつけて泳がせ、自分も一緒に泳ぐが・・・このときは生態に迫れなかった。

最後の手段として、まずえさを海に投げ込み、興奮したイカの群れの中に自分ももぐることを決意する主人公。

「興奮したイカの海に行く船に、素人を乗せるのはこれがはじめてだぜ」という船のクルー。
「何より怖いのは、自分が対処できない状況に陥ることだ」と、初めて心の中の弱音を見せる主人公。


イカは肉片を見ると、競争心丸出しになるからな。見ものだ」
イカにハグされてきな」
「普通は避けるけどな」
「肉にありつけないイカは、ダイバーもえさに見えるかもしれんぜ」
憎まれ口をたたきつつ主人公を気遣うクルー。


そしていよいよ、船はコルテス海へ。
えさは・・・当然、同じイカ。共食いをさせ、仲間同士の壮絶な争いを引き起こすのだ。
肉片は当然ぐちゃぐちゃになり、争奪戦に敗れたイカは弱り、墨を吐き、自分自身が弱った獲物となって他の以下を引き寄せる、そしてそこでふたたび・・・と暴力が暴力の連鎖を生むという・・・・。

狂乱の海に潜る主人公。やってくるイカを見て「美しい・・・」とつぶやくが、その刹那!!

そして悪魔は海に笑う。

「やられた!」
「顔を噛まれた!」
「うようよいる!」
「姿が見えると思ったら大間違いだった」
「とびっきりのハンターの住み処にいること自体が危険なんだ」
「大量に来た!」
「このフル装備が無かったら生きていないよ」
「来やがれ!」
「もう勘弁してくれ」
「最高だぜ」
「また顔を噛まれた」
「ホラー映画と同じだ!」
「今のは痛かった」
「すごい力だ!」
「化け物め!」
「すごく早い!」
「いきなり顔の前に来る!」
「30匹はいる!」
「興奮状態だ」


こんな叫びが水中無線で母船にひっきりなしに入る。
そして残り気圧、41気圧・・・・


主人公はこう悟る。
「海は人間のものではないということだ。フンボルトイカは間違いなく、生粋のハンターだった。大きさはサメほどだが、サメより遥かに賢い・・・・」
(了)

補足。11月にも視聴のチャンスあり。

11/30 (月) 23:00〜00:00