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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

田母神俊雄論文に関し。現大統領政策の論評を全面禁止にしてる?米軍に倣えばスッキリか

まず、俺の文民統制の理解としては、政治のトップたちは、軍のトップに対して全面的に生殺与奪の権利を握ってると思うのね。
だから
「今日の占いで、黒がアンラッキカラーだった。だから黒木、お前クビ」
「お前、顔なんかむかつくからクビ」
であってもいいんじゃないかと。(「空幕長」など、頂点の役職としては。公務員としての身分はまた別で、普通に保証。)
その解任・任命の適否は選挙で問えばいいだけで。

だから今回、田母神氏が外部に論文発表→政府が不適切と判断→役職は奪う→役職にいたから定年延長されていたので、役職がなくなった時点で即解任
この手続きは別に問題は無く、彼が「言論弾圧」というのはまったく筋違いだろう。


一歩進んで、懲戒免職にできたのか?という話について
http://obiekt.seesaa.net/article/109390325.html
で聞いてみたら

(前略)今回、
「(広い意味で)無能と分かった」→「空幕長を解任」→「君は同職として定年延長されていた。その職じゃないので即定年だ」
これはよく分かるし全面的に賛成なのですが、「懲戒免職にできるはず」という議論は無理筋でしょうか、それともやろうと思えば時間はかかってもやれそうなのでしょうか?

Posted by Gryphon at 2008年11月10日 21:28:04



ここのサイトさんの記事が参考になるのではと。
http://www.axis-cafe.net/weblog/t-ohya/archives/000573.html

結論としては「出来たかもしれんけど、時間がかかる上に、「戒告」処分で終わっちまう可能性が高い」とのこと。
Posted by 名無しT72神信者 at 2008年11月10日 21:51:41


「おおやにき」を出先で紹介されるまで気づかなかったとはうかつだった。
http://www.axis-cafe.net/weblog/t-ohya/archives/000573.html

・・・そもそもあほおであるというのは分限処分の問題であって懲戒処分の対象ではないのであるが、仮に懲戒するとしてどのような理由でどのような処分が科せるかということが問題になるだろう。そこでたとえば「栃木県職員の懲戒処分の基準」を見ると(ぐぐったら一番最初に見つかっただけなので栃木県であることに深い意味はない)、免職に相当する行為は正当な理由のない21日以上の欠勤や争議行為の煽動、秘密漏洩により公務の運営に「重大な支障」を生じた場合、重度のセクシュアル・ハラスメント、公金横領や収賄といったあたりであり、職場内秩序紊乱は暴力を伴った場合ですら停職まで・・・(略)・・・自衛官という職務の特殊性から(略)責任は重く、処罰もそれだけ重くなるべきだという考え方も適当であろう。しかしそれでもなお、まあこれで懲戒免職に持ち込むのは無理やなというのが、相場というものではあるまいか。


懲戒処分の「相場」が立ちふさがるか。役職とは別に公務員の身分に関して相場を越えると裁判で負ける可能性がある、なるほどな。
冒頭の一節だけど、なんか昔の名画(人種偏見がテーマか?)に
無知を裁く法律は無い。それが残念だ
というセリフがあったらしい。

たとえば国会において公務として答弁するような場合においてはともかく、個人としての立場において政府見解と異なる主張をすることが信用失墜行為であるとか非違行為だということにはならない。言論の自由という問題もあるし、仮にそのようなことを認めれば法人化まで国立大学教員は国家公務員であったので、たとえば自衛隊の合憲性について政府見解と異なる主張を公表していた憲法学者は全員懲戒処分ということになる。いや我々には学問の自由があるのでと反論する人がいるかもしれないがすでに述べた通りそれは学問的な検証のプロセスを経るという「査読誌の自由」であると・・・・

・・・政治的行為の問題についても同様で、規定が悪用された場合のことを考えるとこれに該当するのは特定の政治勢力(典型的には政党)を支援する目的で・明確にそのための行為を取った場合に限定しないとまずい・・・

・・・なお空幕長の職を解くことについては人事異動の問題であって、「懲戒処分としての降任」(略)に当たらない。幕僚長は階級ではなく官職であり(階級としては空将のまま)、「職務の級」は「事務官等」に対してのみ適用される概念だからである。従ってこれについては、権限の乱用に当たるような場合であればともかく、職務の性質を考えれば政治上の問題について内閣と意見を異にするとか、防衛大臣との信頼関係が築けないまたは失われたという程度の理由で十分であろう。

米国は論評自体を禁止?

んで表題の話だが以下の・・・・すんません、「おっ有益な情報だ」とコピーした時に元文章がどこか記録し忘れた。
たぶん日経のどこかのコラムです。

田母神氏の第一の問題は、政府、防衛省の観点から見るとき、危機管理体制としての情報統制が全くとれていないことです。これをまず指摘しなければなりません。

 昨年の2月、私はNHKの「地球特派員」という番組の取材でアメリカ、ノースカロライナ州フォートブラッグ基地に体験入隊して、インタビューや訓練参加などしたのですが、そのときの軍人たちの、発言への気の張りようは大変なものでした。

 彼らの最高司令官は大統領である「ジョージ・ブッシュJr.」で、その施策へのあらゆる論評は「軍務規定違反」とされ、職位を失う理由とされてしまうからです。憲法の保障する個人の内心の自由とともに、軍人としての宣誓=契約と義務の履行への強い意識は、大変印象的でした。

 ところが今回の田母神氏のケースでは、空幕長という責任ある立場にある・・・・

ブッシュの政策を全部論評できないってのは、ある意味かなりつらいだろうなァ(笑)
んで、自衛隊の失敗というのは同じような規定をしていなかった?ことで、同じような規定を作っててくれてればすべて解決したのではないかね。(今回は「歴史観」で直接的な政策批判ではない、と言い逃れること可能かな?)


【追記】コメント欄で教えてもらった。おおや説とは少し重なり、少し異なる
http://ameblo.jp/rintaro-o/entry-10162898436.html

・・・公務員への懲戒処分ということで対応を検討し、それがダメだったので退職というかたちを取ったようですが、具体的に検討してみると「微妙だな」と思います。田母神さんは「政治の方向に影響を与える意図で特定の政策を主張」する目的を持ってなかったかな、「政治的目的のために官職、職権その他公私の影響力を利用」してなかったか、あるいは「政治的目的を有する署名文書を発行」してなかったか・・・、たしかに規定振りとの関係でグレーゾーンはありますが、こういう議論が全くないのはとても残念です。

この法令の読み方については各位にもそれぞれ見解があるでしょう。ただ少なくとも、法令違反に類する行為というところまでは行けるでしょう・・・

全公務員or高級官僚or自衛隊の上位役職者は、政府見解に反する持論を述べたらその役を解ける。右でも左でも・・・・でいいか?

そういう人物がいるかどうか分からないけど、
アメリカのイラク侵攻は、やはり侵略戦争であったと思う」
「米国の原爆投下は、ジェノサイドである」
「中国のチベット侵攻・併合は、独立国家への侵略だった」
竹島はやはり韓国領。領有権主張はやめて友情島に」
昭和天皇はやはり戦争責任があった」


などを架空のX空幕長が発言した際、すべて「言論は自由」として役職を解くことに抗議するか?逆に「政府見解に反する発言だ。解任するべき」と言うか。この想像上のX空幕長への自分の態度をイメージすると面白い。
もしくはこれが外務官僚、財務官僚、文部官僚のトップ・・・という別の完了や、一般自衛官や公立学校の校長・一般教師などにも適用される(べき)か?もひとつのテーマ。

科学と統計への挑戦。「yahooの投票では私を支持している」

あったりまえのことを書いてエントリをつくるのも恐縮だが


世論調査はどんなものでも、一応は無作為抽出であって、だからこそ全体を反映できる
■ネット投票は「ネットが出来る、使える環境にある人」が
■「(一人が一回投票など)本人確認不十分のまま」
■「投票したい人だけが投票する」
■だから、どの社がどんな規模でやっている世論調査よりも不正確になる。


のです。田母神俊雄氏は、そのへんのことを知らなかったのか。


んで、私はこの統計マジック系のあれこれが好きなジャンルなんですが、最近新聞記者が書いた講談社新書?の「総理は何で決まるか」みたいなタイトルの新書が、ちょっと最近の世論調査の新知見を描いてて面白かったです。
ちょっと立ち読みしただけなので、あとで購入なりして詳しく紹介したい。