大石英司ブログはほとんどがメルマガに移行したりで読み応えが少なくなり、時々読み忘れたりしていた。
偶然、一ヶ月ほど前の文章を。
http://eiji.txt-nifty.com/diary/2008/04/post_10f7.html
(略)
えっと長野での聖火リレーに関して、長野県知事が田中康夫だったら違った対応になっただろう、とテレビで吹聴している底抜けにお馬鹿なコラムストがいるらしいから事実を書いておきましょう。
今週月曜日のTBSラジオ・アクセスでの田中康夫の発言です。午後10時半過ぎ。「チベットはもちろん中国の領土ですけれどもきちんと中国の一員なのですから、人権は尊重されなきゃいけません。でも、じゃあアメリカが昔ニカラグアで何やっていたのか……。私は温家宝に期待している。なんかTBSの昼間に出ている勝谷うんたらとかいう人は、 鬼の首を獲ったみたいにオリンピックけしからん! とか言っているけれどそうなの? 彼らがあがめ奉っているダライ・ラマは中沢新一みたいな人。人の心を掴むのは巧い人、バラク・オバマや小泉純一郎みたいな人。その彼が暴力はいかんと言っているのに……」
(だったらこの人は当然、大日本帝国の満州建国や朝鮮併合も、欧米はその頃アジアで何やっていたの? とか言ってくれるんだろなw)
あとダライ・ラマのことに関して言えば、彼の立場で、オリンピックのボイコットなんて早々言えるもんじゃないでしょう。彼は北京政府との交渉を望んでいるのですから。われわれは何を期待しているかと言えば、北京オリンピックが、チベット問題に限らず中国が蹂躙し続ける少数民族の問題が、それを契機にクローズアップされることであって、世界はそれを望んでいるに過ぎない。別に勝谷はオリンピックの粉砕を叫んでいるのか? いやまありそうだけど。
バ勝ッ谷がどんな幻想を見ているか知らないけれど、田中康夫は昔から一貫して中共べったりの男です。それは知事在職中も変わらなかったじゃん。彼の中国好きは、一つには、日本から行った要人が王侯貴族のもてなしを受けて籠絡されるパターンに過ぎないんだけど、もう一つは、中国礼讃が進歩的知識人の証であるみたいな次元の話ですよ。勝谷みたな脳天気(←実際に番組中でもそう言っていた)なウヨが中国嫌いを広言するから自分は中共を支持するというレベルのお話し。何か政治哲学があっての、中国べったりじゃない。
だいたい田中康夫みたいな男が、チベットなんて関わっても一銭にもならん人々の利益を一顧だにするわけがないだろう。
勝谷氏は、天下に隠れもなき田中康夫支持者だったはずだが個人的交流は余り無かったのか。異論があるのは結構でも「勝谷ナニガシ」はかわいそうだな。
ちなみに田岡元帥もよく仰る中国チベット支配の歴史的根拠だが、そもそもその論法を認めるなら現在独立しているモンゴルの独立正統性はどうなるって話だし、といいますかさらにそもそも論をいうなら清朝は「異民族である満州族が、旧満州地域から関中を制圧、占領した。さらにチベットも政治的支配(これも微妙な、というか特殊な形態なのだが)を行った」というもので、また普通の感覚では考えにくい。
アルジェをフランスが植民地にしていたので、それが撤退したら「フランスはアルジェリアの不可分の領土(逆ではない)だ」となるようなものにも近い。
なぜかというと、特殊なかの国の「王朝交代」概念、また支配者を被支配者の文化が塗りつぶす文化伝播力(まあイスラムやギリシャ文化もそうだが)、さらに人口圧力で漢民族がその地の多数派になる、というもので、これは「チャイナイズチャイナ」だな、という気がしてくる。