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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

「リバタリタン 荒野の中に 一人立つ」…思想的一貫性とはこういうことだ。よくも悪くも。

ロン・ポール
ちゃんとキーワードができているので説明は不要のようだ。共和党には一応籍をおいているが、筋金入りのリバタリアン。初期の大統領予備選(共和党)で、若者とインターネット利用層に奇妙な人気を持ち、存在感を発揮した。
この人の名前を、久々に新聞で見た。それも、いかにも彼らしい場面で。


http://sankei.jp.msn.com/world/america/080410/amr0804100905001-n1.htm

米下院、チベット弾圧の停止要求を決議
2008.4.10 09:05

 【ワシントン=山本秀也】米下院本会議は9日、「チベット弾圧の停止」などを中国政府に要求する決議を、賛成413、反対1のほぼ全会一致で採択した。決議は中国首脳に対し、チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世との直接対話に乗り出すよう求める条項も盛り込んだ。

 決議は民主党ペロシ議長が3日提出していたもので、異例のスピード採択となった・・・


http://sankei.jp.msn.com/world/america/080410/amr0804102325016-n2.htm

ブラウン英首相ら7カ国の首脳が不参加表明 北京五輪開会式
2008.4.10 23:28

サンフランシスコで聖火リレーが行われたこの日、議会からの圧力が高まった。下院本会議は、ペロシ議長が提出したチベットへの弾圧停止を求める決議をほぼ全会一致で採択した。

 決議には、共和党ロン・ポール議員1人が反対しただけで、賛成413。(1)チベット弾圧の停止(2)ダライ・ラマとの首脳対話実現(3)拘束されたチベット人僧侶らの即時釈放−を要求し、米国務省に、中国を人権抑圧国のリストから除外した年次人権報告書の判断を撤回するよう求めた。

 早くから「国際オリンピック委員会(IOC)が中国を五輪開催国に選んだのは失敗だった」と表明してきたペロシ議長主導の決議が、ほぼ全会一致の形で採択されたことは、大統領にとり無視できない圧力となることは間違いない・・・(略)


空気読まないKYどころじゃない。空気を・完全に・気にしてない、KKKだ(笑)。
この男はハニートラップにでも引っ掛かった中国の犬なのか。宗教弾圧を肯定する異教徒嫌いなのか。
いやいや、彼は共和党でありながらイラク戦争に反対し、今も即時撤兵を唱えている。ではガンジーにも似た平和主義者なのか。


答えは、徹底した不干渉主義者なのです。
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20071225#p5

アメリカはその気になれば地球を三回ぐらい壊せる武力がある。どこを恐れる必要があるんだ?だから何もしなくていい」

アメリカ一国が平和で民主主義で繁栄していれば、他の国で貧困、腐敗、内戦、侵略、弾圧、核開発…が何があろうが起きようが、別に気にすることはないじゃないか、という、とってもはっきりすっくりしたシンプルな論理に立つ人なのです。


私は実効性があろうがなかろうが、米国下院でチベット関連の決議があったことを喜ぶものだが、下院議員413人…彼らが代表する有権者でいえば一億人近いのだろうか、それに対してリバータリアンが堂々一人で屹立する様には思想的にも美学的にも面白そうではないか。秋山成勲に「三万人のブーイングに一人で喧嘩を売れるのは男冥利だろう」という評価があったが、それに近いな。


しかし、じゃあ本当にロン・ポールが大統領になり、世界のすべてに不干渉な、かつての孤立主義アメリカを復活させたら世界はよりよいのかというと、どうなんでしょう。今回の下院決議を主導したぺロシ議長も、ポール議員も日本では「ブッシュに反対する雄」として紹介されたが、ここまで違う。

世界に対して不干渉を決め込もうとするアメリカを、さらに力技で引っ張り込む冒険活劇というかピカレスクロマンが、何度目の紹介だろうか。

数日前に再読したのであります。書評十番勝負の候補のひとつです。