大晦日Dynamite!で気になった試合にニコラス・ペタス対キム・ヨンヒョンがある。
これは既にあちこちで論じている人がいるけど「この試合であらためて、ホンマンはただでかさだけで勝っているんじゃなくて、適性のある逸材だと再確認した」という人は多いだろう。
私もホンマンの実力は過小評価するところがあって、K-1で勝った試合の相手もあの体格ならだれでも勝てる相手だろう(除く判定魔術のシュルト戦)、ぐらいな感覚が抜け切れなかった。だが、ペタスがああいう勝ち方を同体格のキム・ヨンヒョンにしたことで、逆にホンマンの評価を上げたよ。
今度、それを証明するためにペタス対ホンマンを組んでください。
もちろん、加えて一応はヒョードルのテイクダウンを二度防いで逆に潰したこともある。
そんなホンマン、今年一年は格闘技で頑張って、来年韓国軍に入隊すると朝鮮日報が報じた。
http://www.chosunonline.com/article/20080108000015
◆軍には来年初めに入隊
崔洪万は今年上半期に入隊通知書を受け取るものとみられている。崔洪万は1999年の身体検査で4級公益勤務の判定を受けた。以前は身長が196センチ以上の場合、兵役免除の措置が取られたが、同年1月に兵役法が変わり、身長に対する制限規定が廃止された。
問題は時期だ。崔洪万の代理人、パク・ユヒョン氏は「軍には当然行く。しかしK−1との契約を考え、来年初めごろの入隊を予定している。東亜大大学院を今年卒業するため、来年初めまで入隊を延ばすことができる」と語った。
韓流スターがこれに入るとか入らないとかで話題になったことがあったね。
この話題は、いま目覚ましい躍進を見せる韓国勢全体に関わる問題でして、まさにタイムリーなことに発売中の
[rakuten:fitnessshop:10001395:detail]
で、ライターの高崎計三氏が書いている。
http://www.fnlweb.com/blog/2007/12/fightlife_vol041221.php
の主要目次には掲載されてないが
・躍進中のコリアン・トップチームを訪ねて 「下がったら殺す」
台頭する韓国人選手の強さの秘密を探る!
2年間は「空白」か 韓国人格闘家と徴兵制
というのがあるのよ。
http://www.plus-blog.sportsnavi.com/solitario/article/501
…「Fight & Life」第4号では、韓国もののリポートを2本、書きました。一つはコリアン・トップチームというジムを訪れたもの、そしてもう一つは、韓国人選手と徴兵制を巡る問題についての特別リポートです。後者はかなりの長文。これまで、日本の格闘技メディアでこの問題にここまで踏み込んだものはなかったはず。読んでいただいて、感想など聞かせていただけるとうれしいです。
これによると、日本でも有名な格闘家だいたい既に兵役を済ませているが「トルネード・ソン」や「べ・ミョンホ」がまだ未入隊だそうだ。
とりあえず、皆さんご苦労様です。
他国のことであっても、その国の義務を果たす(予定の)人には敬意を表したい・・・とはいっても、他人事だからじゃないか、と彼らに言われたらそれまでだがね。ことにスポーツ選手は一番いいキャリアの2年間を取られるという焦りや悩みも有るという。
上の高崎記事では

韓国の軍隊―徴兵制は社会に何をもたらしているか (中公新書)
- 作者: 尹載善
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2004/08
- メディア: 新書
- クリック: 38回
- この商品を含むブログ (19件) を見る

- 作者: チュチュンヨン
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/05/19
- メディア: 文庫
- クリック: 8回
- この商品を含むブログ (5件) を見る

- 作者: イソンチャン,裴淵弘
- 出版社/メーカー: バジリコ
- 発売日: 2002/11
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (9件) を見る

- 作者: イユジョン,イヒョンソク
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/05/02
- メディア: コミック
- 購入: 1人 クリック: 24回
- この商品を含むブログ (27件) を見る
のふたつを推奨したい。旧日本軍の伝統もあり(スマン韓国の皆さん)、またもともと体育界的なノリと朱子学的上下関係も色濃く残る韓国社会、体育会系をさらにどぎつくしたような理不尽さ(つうかもともと日本の体育会系に軍隊の名残がある?)もたっぷりあって、内部のひとは大変だ。ただ当事者は外から見て「気の毒に」とかいうのとは別の視点や感覚も有る。
後者の「軍バリ!」題材の特殊さゆえか残念ながら途中で日本での翻訳連載は中断してしまった。麻生太郎さん、外務省はある国の風俗国情をよく知ることができる漫画を選び、翻訳出版を援助してもらえませんか(なんでもう外相辞めた麻生に頼むんだ)。
この問題はけっこう深いので、
機会があったら高崎記事や「軍バリ!」などを紹介しつつもう少し補足したい。