「カラシニコフ」「アフリカを食べる」で有名な朝日の名物記者・松本仁一が連載を同紙で始めた。
「国を壊す」と題し、ジンバブエの混乱を書いている。
治安の悪化、ハイバーインフレ、モラル崩壊、人種対立の扇動・・・などお決まりの展開が並ぶが、そのジンバブエは30、20年ほど前はアフリカで最も安定し、豊かなトップランナーだったのだ。
自分は中小国家が着実に発展し、安定しているさまを知るのが好きで、過去いくつか、キューバやモロッコ、チリなどについてエントリを書いている。
その正反対だが、そこそこの安定を見せていた国家が急激に転落するさまも反面教師として大いに研究するべきだろう。
まだ連載は三回目だが、しみじみ感じるのは「良いほうにも悪いほうにも、国を一新させるのには、20-30年で一応の形が整う」ということ。
明治維新1861年。日清戦争での勝利が1894年。
太平洋戦争敗戦が1945年。30年後の1975年は
http://ja.wikipedia.org/wiki/1975%E5%B9%B4
な感じだ。
灰色の狼、ケマル・パシャがオスマン帝国に反旗を翻したのが1919年、政教分離の共和国を作り、大統領として没したのが1938年。
朴正煕がクーデターで政権を取ったのが1961年。大統領のまま暗殺されたのが1979年。1988年にソウルオリンピック開催。
国を作るも壊すも、実は簡単なのかもしれない。
http://www.geocities.co.jp/Technopolis/1041/jukyo4.html
子貢、政を問う。子曰く、食を足し兵を足し、民をしてこれを信ぜしむ。子貢が曰く、必ずやむを得ずして去らば、斯の三者において何れをか先にせん。曰く、兵を去らん。曰く、必ずやむを得ずして去らば、斯の二者において何れをか先にせん。曰く食を去らん。古えより皆死あり、民は信なくば立たず。
(子貢が政治の事をおたずねした。先生はいわれた、「食糧を十分にして軍備を十分にして、人民には信を持たせることだ。」といわれた。「どうしてもやむをえずに捨てるなら、この三つの中でどれを先にしますか。」というと、先生は「軍備を捨てる。」といわれた。「どうしてもやむをえずに捨てるなら、この二つの中でどれを先にしますか。」というと、「食糧を捨てる。[食糧がなければ人はしぬが]昔からだれにも死はある。人民は信がなければ安定しない。」といわれた。」

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