本記者クラブ賞に松本氏と清水氏
日本記者クラブ(滝鼻卓雄理事長)は19日、2007年度の日本記者クラブ賞を朝日新聞編集委員の松本仁一氏(64)と中日新聞東京本社(東京新聞)論説委員の清水美和氏(53)に贈ることを決めた。贈賞式は5月24日。松本氏は1968年に朝日新聞社に入社。中東総局長を経て93年から編集委員。ソ連で開発された自動小銃「カラシニコフ」の拡散に着目し、銃に支配・翻弄(ほんろう)されるアフリカや南米などの実態をとらえた長期企画が評価された。
「カラシニコフ」は本が出た時にここでも紹介したが、最近多くの映画でテーマと成った「少年兵」「アフリカ(途上国)のしんどさ」を先取りしている良著。続編も連載されてたが、あれももう単行本になっているよな?
【補足】コメント欄
sander 『http://d.hatena.ne.jp/asin/4022501650
ほい、続編。』
松本仁一氏受賞記念で紹介。
http://www.jica.go.jp/jicapark/frontier/0509/01.html
アフリカ支援には国を飛び越して、「一族」や「コミュニティ」と直接取引せよ、というのは面白い、いい視点だ。
http://www.jica.go.jp/jicapark/frontier/0509/01.html
松本●アフリカではコミュニティの存在が強いし、信頼できる「大きさ」です。住民の関心が弱い国家レベルで援助をするのは失敗するケースが多い。コミュニティとの関係から始めることこそ、アフリカの開発事業を成功させる鍵だと考えます。(略)小さなコミュニティが多いアフリカでは、ODAという観点からは金額が小さくて手間がかかっても、コミュニティへの直接の働きかけのほうが効果があると思います。相手国指導者の歓心を買うことが目的のような「見返り期待のODA」の時代は終わったのです。
松本●ケニア駐在時代は現地のJICA事務所に行って、隊員の報告書をよく見せてもらいました。ある理数科隊員の報告書は深刻でした。クラスで一番優秀な女子生徒が学校に来なくなってしまった。心配して家庭訪問したら、彼女は売春婦になっていた。街道沿いの部落に住む少女の家には父親がおらず、母親が売春で生活を支えていた。その母親が病気になり、彼女が売春をせざるをえなくなったのです。・・・・
・・・こうした報告書をきっかけに記事にしたケースはいくつもあります。隊員の報告書を読めば、その国の底辺の人々の現状や地域の問題点が理解できます。そこから日本がどのような協力をすべきかもわかると思います。国が真剣にアフリカの将来を懸念しているなら、もっと隊員の報告書を活用すべきです