GONKAKUのインタビューから。p35
GONKAKU (ゴンカク) 2007年 11月号 [雑誌]
- 出版社/メーカー: イースト・プレス
- 発売日: 2007/09/22
- メディア: 雑誌
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===PRIDEに来た最初の頃は「ホームレス」と売り出されていましたね。
ランペイジ
「(前半部略。数日から一週間外で過ごしたり、キャンピングカーに住んでいた時期が短期間あっただけという話) でも、ゴミ箱を漁っているホームレスみたいな言い方を大々的にされたのは恥ずかしかったね。問題はハートなんだ。ハングリーと精神の貧しさは違う。自分を貶めたくは無いんだ。金を恵んでもらうことはしない。乞食に慣れてしまったら、本当のホームレスになるしかないんだよ」
小生はまだ未契約なんだけどkamipro携帯サイトで、ランペイジが英国でホームレスに無心されたときのちょっといい話が載っていた気がするな。(貧しくても物乞いはしちゃいけない、と金は出さず、その代わりに・・・みたいな話だった)
こういう形の矜持というのは個人に属するのか、それともある種の社会的伝統や家族内の教育が生み出すのかはわからない。
個人的に思い出したのはアブドーラ・ザ・ブッチャーの自伝。
- 作者: アブドーラザブッチャー,Abdullah The Butcher
- 出版社/メーカー: 東邦出版
- 発売日: 2003/05
- メディア: 単行本
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この本によるとブッチャーの父親は、デトロイトの自動車工だった。
給金は貧しいが、フォードという大企業の一社員であることを大変に誇りに思い、毎日食卓には家族全員をそろわせ、人間いかに生きるべきかというモラルを語っていたという。
で、ブッチャーは「生活を豊かにしたいなら勤勉に行動しなければいけない」と熱心にアルバイトに励んだ。チャリティーバザーだといって集めた品を売りさばくとか、泣き売するとかそんなんも含めてだが(笑)。
いい悪いは別として、こういうある種のアグレッシブさというのは、アメリカのアフリカ系住民の中にはまだ残っているのだろうか。
彼の喋りでは、例の「黒人意識」を王者になってからもどう表現しているのかが気になっていたが、日本向け記事だけなのかあちらでも同じなのか
「MMAに転向しようと思ったのは・・・ここでは話せないなあ。このテーブルは周りが白人だらけだからね(笑)」
「MMA選手も白人ばっかりでさ。黒人の選手はそんなにいなくて。で、友達が…あっ、そいつは白人なんだけどな。『こんな戦いに自分も入りたくないか?』って。俺は『白人相手に戦って刑務所に入らなくていいのか?』って答えてね。そんなふうに釣られたんだ」
「断っておくけど、俺は人種差別はしないよ。白人も好きだし。一部ではあるかもしれないけど(笑)」
「黒人の選手は少ないからいつもブーイング…ここでもまた受けている…でも問題ない、ブーイングは俺をより強くするだけだ」
「俺はこれまで長い時間、不公平に扱われていた。そのことは俺に多くの決断を与えた
し、よりハードにトレーニングするきっかけを与えてくれたんだ」
相変わらず、人種問題への意識は強いようだ。アメリカ社会のメインストリームでこの言行が受け入れられるのかな。
だが、そういう意識を、MMAでの闘いが昇華してくれたようだ。
でも実際に試合をしてからはそんなことはどうでもよくなった。
MMAはもっと奥深いものだろ?
リングや金網の中には、俺を興奮させる何って言うか…炎みたいなものがある。それはうまく使えば俺を燃えさせるけど、使い方を間違ると、俺自身を焼き尽くすんだ。ボロボロにね。だからMMAをやればやるほどのめり込んでいったよ。
相変わらず言葉がうまいなあ。2007年格闘技名言賞(ないよ、そんなの)の有力候補だ。
ゴッチ語録を引き継ぐのは、ランペイジ語録か。