http://facta.co.jp/blog/archives/20061001000252.html
・・・麻生外相が靖国神社の非政治化と非宗教法人化を骨子とする私案を提示したことが突破口となった。李外相もこれ以上の日中関係悪化は望まないとする発言があり、8月15日に小泉首相が靖国参拝しても中国は比較的冷静だった。
そして8月22日、李登輝前台湾総統の来日延期が報じられた。 9月12日から17日まで訪日すると発表して3日後、体調を理由に突如、延期を決めたのだ。
実は安倍氏が「新政権発足前なら」と李氏と日本で会談することを内諾していたが、突然キャンセルしたのだ。意味は大きい。安倍氏は日中首脳会談を実現するために、李登輝氏のみならず、台湾そのものを切り捨てたことになるからだ。祖父、岸信介元首相以来、福田赳夫、安倍晋太郎と脈々と続いてきた森派の「親台湾」は、安倍氏の手で果断に幕が引かれようとしている。
中国外務省は安倍氏の「君子豹変」を基本的に歓迎している。「靖国」と「台湾」では中国の政局のうえでも重みが決定的に違い、首脳会談受け入れへ国内説得の大義名分がつくことになるからだ。
台湾は最近の「アジア外交ゲーム」で全然登場しなかったが、(だって「八方ふさがりのアジア外交」という人も「毅然としたアジア外交」という人も対台湾外交のこと言わなかったろ)意外なところでキーを握った。これが事実なら問題だし、おかしい話なのだが最近、安倍や麻生が「価値観が同じ」という言い方で韓国との関係を再定義した。
実はこの論法は、台湾をも視野に入れていると常に言われている。
だから本音や経歴的には安倍・麻生が親台湾の可能性は高い。のだが、そもそも台湾は再来年、馬英九国民党が日本やアメリカの関係が無くとも、中国とは直接劇的に関係改善がなされる可能性がある。
なかなか複雑で面白い、そして緊張感のある話だ。