ちょっと遅れた話になるが、最新号のkamiproにはジョシュ・バーネットがアントニオ・ホドリゴ・ノゲイラと闘ったときに見せた「キャッチレスリング」の技術を、伝説の「蛇の穴」のレスラー、ビル・ロビンソンが語るという企画がある。
日付を見ると取材日は9月19日。
ところで小生がhttp://d.hatena.ne.jp/gryphon/20060915#p1にて
・・・ロビンソンがほんとにこの技(ネックロック)を
殺しの技として持っていたなら、まさに幻想はつながるな。
そうだ!あの試合はぜひ高円寺の人間風車に見てもらわないと。
彼がこういう試合を見た後、インタビュー答えて言うせりふって
半分はプロレス幻想を守るハッタリに過ぎないんだけどさ(笑)、
それもまた久々に聞きたし。
と書いたのは9月15日。、彼らはこれを読んで取材に取り掛かった・・・・・わけはないのだが(笑)、さて人間風車は「青い目のケンシロウ」の技術をどう評したか。いわばリュウケンですね。
ノゲイラに代表されるように、マットに背中をつけて相手を受けるというスタイルはもともとは柔道や柔術のスタイルであると思う。ただ、ノゲイラが要所要所で見せているバックへの回り方やいくつかのテクニックはレスリングから由来している。
んだな。BTTのレスリングコーチはゴーラーとかいったっけ?相当の人だったはずだ。
柔道や柔術が意図的にゴービハインド(バックをとる)技術、というか戦略はあったか無かったかといえば、たぶんなかっただろう。
「最近の試合でスタンドでお互いに差し合って膠着する場面が多く見られるじゃないか。」
−−そういうシーンはよく見かけます。
「昔、イギリスにあったカンバーランド・ウエストモーランドスタイルの一流選手たちに、あの体勢にさせたら一瞬のうちに相手をひっくり返してしまうだろうね。それは間違いない!!」
まてまて、すごいが具体的にはどうやって?センセイ・ホリベがダン・スバーンvsケン・シャムロック(2回目)を見て「アルティメットは相撲化する!」と喝破したのは90年代半ばの話。ある意味、別の形で総合格闘技は「相撲化」したようにも思えるが(笑)、スタンドの差し合い膠着を打破するコンセプトがあるのなら知りたいところだ。
実はこれ以上に知りたいのは、やはり例のキャッチ流ネックロックだが、これをロビンソンさんは実演している。
素手とグローブではやはり絞め方(極め方?)が違うらしい。かなり微妙なのだが、素手の場合は
ググググゥワァッ(被害者の声)
で、グローブをはめると
ウウウググッ(被害者の声)
なんだって。
よくわかりましたね。
・・・・・・・・・いや、たとえばひねリン氏などにおかれては、この差異こそが知りたいところなのだろうし読みどころなのだろうが、kamiproは紙のプロレスのときから「敢えて技術論は載せない!」と宣言している雑誌だ。
おそらくは「詳しい技術解説はゴング格闘技でやりなさい」ということなのだろう。
そういえば、このキャッチの技術を受け継ぐスネークビット・ジャパンの井上学は、一見地味ながらひそかにパンクラスマットで実績を積み続け、前田吉朗や志田幹らがしのぎをけずる、フェザー級のトップ戦線をこれから伺おうかという位置に浮上しているのであります。
持ち味は鋭い打撃(笑)。
いいんだろうか。まあいいか。
コメント欄より
デ
井上選手に関しては、蛇の穴では総合としてのグラウンドをあまり練習していないとの話なので、仕方ないかと。勿論技術には互換する部分も有るのでしょうが。おそらく、井上選手の寝技の中核をなすのは出稽古で得たものだったり…。
16年前
migisoyo和月伸宏は、人間社会からドロップアウトした怪人たちが【怪人同士で】殺し合いをするというストーリーを書き続けてきた人で、無目的で陰鬱な殺し合いの連続に暗い喜び感じることができるか、が好きになれるかどうかのポイントだと思います。前作の「武装錬金」はなかなかの佳作ですよ。
16年前
gryphonああ、武装連金ってちょっと評判を間接的に聞いたことがあるな。
書く書くと言ってまだ手をつけてない「21世紀にリアルな怪獣モノは可能か?」という話はヒーローものも範囲に含めるから、本とはそのへんも読むだけは読んでおかないとだめかもしれない16年前
ひねリン>すごいが具体的にはどうやって?
ttp://www.bbc.co.uk/nationonfilm/topics/other-sports/
のfilm clip list の一番上のレスリングクリップの、最後に出てくる「くるくる投げ」みたいなやつじゃないでしょうか? ちょうどロビンソンが十代の頃の映像だし。カンバーランド&ウエストモーランドレスリングは、新組織(当然それ以前から伝統があるわけですが)が生まれて今年で百周年ということもあり、BBCのサイトをみるといっぱい大会の記事があります。16年前
gryphonそういえば読み、書き写しときながらあっさりスルーしてしまっていたが、「カンバーランド&ウエストモーランドレスリング」というのは初耳だったんだよな。
16年前
ひねリンイギリスの映像と言えば、「CATCH the hold not taken」というイギリスで作られた映像(内容はキャッチだけの歴史というより、アマレス、プロレスごたまぜ。「日本でランカシャースタイルを伝える人」として藤波さんまでインタビューされてる)をこないだ見たら、スネークピットの昔のレスラーがアメリカだかカナダだか行くことになった時に「試合で裏切られることがあればこれを使え」と例のグロヴィット(フェースロック)を教えられた思い出を語ってました。
で、ある人がこの映像をカール・ゴッチに見せたら、ゴッチは「なかなかよく出来てるが、イギリスのことばかりでアメリカのキャッチレスラーについてほとんど触れてないのがけしからん。アメリカのキャッチ・アズ・キャッチ・キャンの方がイギリスより断然強い選手を多く擁していたのだ」等と語ったそう。
16年前
ひねリンカンバーランド・・・(C&W)スタイルは、(上記urlのクリップからも察せられますが)お互い組み合って背中でグリップを組んでアゴを肩に乗せ合ったとこから開始し投げ合う、イングランドの上の方の高地(と思う)で行われてた伝統レスリングみたいです。
ある論文によると1800年代初には12000人、1900年代初には16000人の観客を集めたこともあるとか(いつも繁栄してたわけでなく、低迷期も何度も経験)。いつからか選手がセミプロ化して、はびこる八百長(barneying)とそれを制御しようとする組織の争いがいろいろあったみたいだけど、古い文献によると1713年に書かれたルールにすでに「選手はいかなる条件においても相手に勝ちを譲ってはならない」という条項があったそう。
現在行われているC&Wは当然、「カンブリア州の地域伝統の保全」(あるいは再発明)みたいな意味合いが大きいと思うんだけど、さすがに彼らもそれが日本で「プロレス神話の逆襲」(というネタ)として持ち出されてるとは想像してないでしょうね。
長文失礼。いつもそちらの懐に甘えさせてもらってます。
16年前
(仮)アニメの武装連金が始まりましたが、予想してたよりは良かったかも。
16年前
フリフリ (id:frigidstar)人間社会からドロップアウトした怪人<美青年キャラで腐に人気を博した『るろ剣』の時から、本人はフリークスキャラへの愛を公言してましたしね。
氏の最高傑作が『武装錬金』であるとしても、氏の最高傑作に「なり得たかもしれない」作品は『Gun Blaze West』であった。 それが打ち切られた後の武装錬金では、読者投票下位でもコミックス売り上げ上位で、ジャンプシステムとマニア層の乖離を証明した。
ジャンプシステムへの復讐を、冨樫とは違った形で成し遂げた訳だな。
16年前
gryphon長文失礼。いつもそちらの懐に甘えさせてもらってます<というか、またこういう貴重なコンテンツをこっちにもらう形でイインデスカ、と恐縮ですよ。ここには原稿料をもらえる知見と新事実があるというのに。
武装錬金では、読者投票下位でもコミックス売り上げ上位<へえ。日本の「メジャー」の中のメジャーたるジャンプもそうなるのね。