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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

ジョシュが鈴木みのるから「キャッチ」教わる(ゴン格より)

はじめ、これを読む前は「鈴木みのるって、結局MMA(初期パンクラス的なグラウンド打撃、OFGのパンチなし試合を除く)ではほぼ実績なしじゃん。教えるったって何をよ?」と失礼にも思ってた部分があるのだが、いやいやこりゃまた失礼いたしました。
ジョシュ・バーネット本人が、ただのプロレスファン的温かい目だけじゃなく、実際に新日契約時代はスパーリングをやって「足首を極めたつもりなのに極まらない!ナゼナンダ!!」と驚いた、のだそうだ。まだまだ、いろんなところにいろんなヒントがあるものですなあ。
もちろんキャッチレスリングだけを極めても、もちろんADCCMMAで勝てる方向には行かないとは思うが。

ちなみに鈴木の足首がなぜ極まらないかというと、藤原嘉明直伝の教え「アキレス腱を掛けられたら『ここは俺の足首じゃない』と思え」だそうだ(笑)1、2の三四郎かよ。ただ、そこから発展させると『脱力』のコツが分かるとのこと



この記事は小生というより、現在キャッチレスリングを研究中のひねリン氏が発展させるべき対談ではあろうが。


ただ、この対談はキャッチの可能性と限界が両方見えた部分はある。
例えば、

ジョシュ 当時は極めた後は、極めた後の体勢からまたスタートすると聞いたけど。


鈴木 例えば、上でアームロックでタップ取ったら、その手は離すけどそのままのポジションでスタート。


ジョシュ 厳しいね、それは。


鈴木 結局、ギブアップして離してくれるのは、競技だから離してくれるのであって、関節がボキボキっていっても逃げなきゃいけないって状況を、僕らは教わってたんで。スポーツのためのトレーニングじゃなくてプロレスラー徒として身に着けなきゃいけないキャッチテクニックだから。下から極められても壊れるけど逃げられる方法とか、実は僕らは知ってたりする。で、その後どうするかとかもある。  P29


実に考えさせられる問題を、この対話ははらんでいる。
ご存知であろう。桜庭和志金原弘光田村潔司という、UWF出身だがMMAでも見るべき実績を残した選手たちは口をそろえて「UWFを、総合に対応できるようにしたのは安生洋二さん。一番の功績は、極めた後にそのままの体勢でまた始まるスパーの形式を、一本取ったらリセットしてまたスパーするやり方に修正したこと」と言っている。

たしかに、旧Uのスパー形式は新弟子、後輩にとって「単なるいじめ、根性試し」となり、兄弟子にとっては「俺は強いんだなあという自己満足、再確認の場」になってしまったことはほぼ確実だろう。ふつうのスパーのほうが、あきらかに技術を学ぶには有効なのである。これは確定した事実だといっていい。

しかし、なお鈴木のいう「タップしたら離すのは競技だから。旧Uのスパーは相手が極めて、さらに攻撃してくる状況を想定したもの」という話には、自己弁護ではない一片の真実も、存在するように思われるのだ。


実はここで、最近経験したお話を。
正月自分にフツーの親戚と会ったときだが、大晦日の話から、話題が格闘技に(ちなみに秋山成勲問題も知ってた。世間に届いてたよ)なって、中年のその親戚が「アントニオ猪木vsモハメド・アリ」を回想。


「あれは真剣勝負なのかな? 見てるとなんかすごく緊張感があって、やっぱり真剣だったと思うんだけど」


俺の答え。
「あれは勝敗とかその内容とかが、最後のギリギリまで揉めましてね。一応は引き分けで合意したんですが、双方とも『相手が突然裏切って、仕掛けてくるんじゃないか? 約束違反でも俺に勝てば、得るものが大きいからな』と不信感をずっと持ちながら闘っていたんですよ。だから、逆に『普通の真剣勝負』より緊張感があるんです」


その親戚は仕事柄、交渉ごととか折衝ごとが多い方なので、
あっさり「ああ、ゲーム理論だね」と専門用語を出して納得したのでした。


つまり一昔前のレスラーの「キャッチ」技術は、キャッチレスリングという競技の体系としてのものである以上に、

「プロレスなのに、あいてがうらぎった!」

  にげる
 ⇒はんげきする
 

という時に、そうびしていなければいけないアイテムだったのだ。


この項、ひねリン氏が読むまでひとやすみし、つづく。
というか またおって(・∀・)/


【補足】続きはhttp://d.hatena.ne.jp/gryphon/20070126#p1に書きました

余談 ミルコ・クロコップインタビューが海外で反響よぶ

ミルコのゴン格「契約6試合は2年もかけずにこなせる。3試合で王者になりPRIDE王ヒョードルと統一戦だ!!」つうコメントは、自分としては、「ははは、夢がある話だね。まあ実現しないとは思うけど」てなノリでこの部分を紹介したんですよ。

http://d.hatena.ne.jp/gryphonjapan/20070124/p1

そしたら、海外での反響はすごく大きかった(「コメントを書く」をクリックして御覧なさい)。秋山問題の報道もそれなりにあちらで反響を呼んだが、やはりそれより大きかったな。まあ、せっかく付き合い始めたらケータイ履歴に昔の彼女のがたくさん残ってた、ってな感じでしょうか(笑)。
まだ五味隆典の「GSPより俺のほうが強い」などの煽りネタがあるので、その反響も今後楽しみ。