http://www.mainichi-msn.co.jp/sports/battle/news/20060609k0000m050057000c.html
榊原社長は「一連の報道は事実無根であり、反社会的な団体との付き合いは過去も現在も一切ない。犯罪行為も一切ない」とし、横浜地検に講談社などを偽計業務妨害と名誉毀損容疑で告訴し、損害賠償訴訟を検討していることを明らかにした。
民事訴訟を行うことは「決定」だったと仄聞していたが、本人が検討というんだから検討なんだろうな。
昔の記事が誤報なのかトーンダウンか。
それはともかく、こういう感じで名誉毀損だ偽計業務妨害だかがあったと。
そのとき、民事と刑事、どっちが本気度が高いのか。
ここからは一般論かつ、私も知識が完璧なわけではないのでいろいろ補足して欲しいのだが、たとえば噂の真相も民事で訴えられ続けたが、一番大事になったのは刑事告訴されたときだった(在宅起訴、有罪確定)
ざっくり言うとこうだよな。
民事訴訟の場合は、取り下げようと思えばいつでも取り下げられる。
しかし刑事の場合は、いったん検察が起訴したら、告訴した人があとで心変わりしても関係ない。
その代わり、検察や警察が「やっぱこりゃ無理ですわ」となったら刑事訴訟は無い。
民事はまあ、とりあえず後半が始まる確率は高い、というかよっぽどいい加減じゃないかぎり始まる。
で、ここで訴える側・・・たとえば仮にヨシモリローが「真相の噂」を訴えたいとしよう。
じゃあここで、(ア)ヨシモリローがほんとに事実無根の報道に怒った場合、そして(イ)ホントは根も葉もあるんだけど、マスコミ向けのポーズとして怒ったふり、追及するふりをした場合、どっちのほうがいいのか。
こちらだと「民事だけが弱気で、刑事なら本気だ」というニュアンスが書いてある。
http://www.asahi-net.or.jp/~PB6M-OGR/bit017.htm
『噂の真相』7月号には、大手紙の総理番記者氏の次のような発言が引用されています。
「…それでもさすがに刑事告訴まではできなかった。刑事告訴すれば、それこそ問題の犯歴から息子のクスリ疑惑(引用者注:一人息子の森佑喜氏が、愛人の I 嬢とともにコカインを使用したことを、I 嬢が『噂の真相』誌に暴露した件)まですべて、捜査当局に徹底的に調べられますからね。だから民事にしたんです」
(ちなみに最終的には賠償金ナシで和解)
ここから敷衍すると、DSEが今回週刊現代を民事でなく刑事で訴えたのは自信と本気の表れ、となる。つうか私もそう思ってたのよ。
ところが日経新聞2006年5.14に
「被害者は警察を呼べるか 告訴不受理アンケートを読む」
という記事が掲載された。
http://www.nichibenren.or.jp/ja/committee/list/kokuso_houkoku.html
のことらしいんだが、同新聞のほうをとりあえず読むと、「告訴をなかなか受理してもらえなかった体験がある」弁護士は70%。
その「ある」の回答者の告訴件数と処理結果をまとめると、約650件のうち30%が最終的に受理されなかったそうだ。
これは警察の怠慢か。たしかに刑事訴訟法で告訴告発を受ける義務を持っているのだ当局は。
しかし同記事では警察側の本音として
「犯罪の嫌疑が無かったり、必要な資料がそろっていない訴えもあれば、告訴状を出しっぱなしでその内容を裏付ける調べに協力しない告訴人もいる」とのくだりがある。また
「アンケートの自由記載の欄には・・・「弁護士がラフな資料しか提供できない場合」がるのを認める書き込みもあった」という。
じゃあ、ここで疑問。
上のヨシモリローの(イ)の場合、「本気じゃないから刑事訴訟はしなかったんだろ」と言われないように「刑事告訴を証拠不十分でもとりあえずしといてお茶を濁し、あとは証拠も出さず捜査にも協力せず、不受理になるのを待つ(それでカッコがつく)」というカタチは、ありえるのだろうかどうだろうか。
また余談ながら、民事だろうが刑事だろうが、こういう反撃方法もある。
森喜朗首相が月刊誌「噂の真相」の記事をめぐって起こした名誉棄損訴訟に絡み、噂の真相側は「記事は真実なのに、事実無根と提訴され信用を傷つけられた」として森首相に1000万円の損害賠償などを求める訴訟を10日、東京地裁に起こした。
刑事告訴の場合は「虚偽告訴罪」という刑罰もある。このリスクという点では、確かに刑事で訴えるほうが重い。
http://www.annie.ne.jp/~schim/ultima_ratio/joubun/keiho/221.html
第百七十二条 【 虚偽告訴等 】
人に刑事又は懲戒の処分を受けさせる目的で、虚偽の告訴、告発
その他の申告をした者は、三月以上十年以下の懲役に処する。
まあ、これを週刊現代がやる見込みはほとんど無いのだけれど。