ひとつぐらいは格闘技以外も書いておくか。
矢口高雄の「釣りキチ三平」平成版の新しいやつが、このほど出版された。
釣りキチ三平 平成版(7)三平inカムチャツカ エッソ ビストラヤ川編 (KCデラックス 週刊少年マガジン)
- 作者: 矢口高雄
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2005/05/11
- メディア: コミック
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これはコミックだけど、最初は雑誌みたいな形で出る。「カムチャッカ編」の続きであります。
で、最新版というのは(以後ネタバレ含む)このカムチャッカで、ばったり谷地坊主に再会。なぜかというと谷地坊主は、あの「高田屋嘉兵衛」の子孫だったというのだ!!!ベベベン。
その後、魚紳さんが「俺も司馬遼太郎の『菜の花の沖』は愛読していた」と言って、そのストーリーを三平君に話す・・・という設定で「菜の花の沖」が漫画化されているんだが、いいのかこれ(笑)。
これなら原作料を払わなくても何でも漫画化できるじゃないか(笑)。
・・・いや、たぶんそれなりに許可を得ているだろうし、参考文献にも挙げているし、そこそも基本的には司馬作品は史実ベースだからそんなことも無いのだろうが。
もともと矢口高雄は、原作をアレンジして、うまく漫画化するのもかなり上手い。「おとこ道」・・・いや、これは無かったことに。
松尾芭蕉「奥の細道」を彼は漫画化したりしているのですよ。
http://d.hatena.ne.jp/asin/4122038170
上手いもんだヨ、当時の伝統や歴史など、解説が必要なことを過不足なく絵で説明し、また詩情もうまく表現している。
だから矢口版「菜の花の沖」にも期待できると思うね。
今回は、ゴローニンが捕虜となったところで次回に続く・・・となっている。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4167105861/249-2133788-1249137
この作品、演劇化されているのもご存知?
http://www.warabi.jp/nanohana/
司馬ファンのPONさんはもう読んでいるのかね。
そういえばこの高田屋嘉兵衛物語、おなじみ「風雲児たち」(旧)でわすか10ページほど漫画化されていることをご存知だろうか。
なぜ10ぺージていどなのかというと、当時の潮出版「コミックトム」編集部が「幕末に行くまでの家庭はすべてはしょれ」と作者みなもと太郎に厳命、ここを書くスペースが無かったのだそうだ。
当時は俺も怒るまいことかなんと無知蒙昧頑迷固陋、まさに亡国天魔無間(地獄)国賊の所業なり、とさんざんあの雑誌をのろったもんですよ。潮出版はその後唯一日本文化に貢献していた同誌が廃刊し、いまは某名誉会長の言によってインクで紙資源を汚すだけの存在となっていることはご存知のとおり。
さてわき道にそれた。
みなもと太郎氏は、その極端なるページ数の中で、「高田屋物語」を見事につむぎだすことに成功している。
(続く)
- 作者: みなもと太郎
- 出版社/メーカー: リイド社
- 発売日: 2002/03/28
- メディア: コミック
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