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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

「毎日かあさん」騒動その後

だいたい、これで余波は収まったようですが。


それで、この騒動が始まる前から、ごく最近の「毎日かあさん」を読んでいてふと気付いたことを、この騒動とは関係なく書いとこうと思う。

この夏休み、西原理恵子シンガポールのリゾートホテルに子供たちと一緒に行っていて、どこでもここでも、自分の息子が相変わらず「バカ」丸出しでもう思いっきり遊び倒していること、そしてその「バカさ加減」は、そのホテルに集まる世界中の子供たちが民族・国籍・宗教を超えて世界共通のものであることを、皮肉と愛情をたっぷり込めて描いている。

しかし、オールドファン(ってほどでもねえけど)は、西原の出世作である週刊朝日連載「恨ミシュラン」を思い出すわけですよ。グルメガイドのパロディとして、反骨や貧乏人・庶民の目から「王様は裸だ」と叫ぶというコンセプトをやや過剰に表現したこの漫画の中で、西原は「朝日のカネだ使っちまえ」を合言葉に高級レストランによく潜入したのだが、そこで金持ちの親に連れられた子供を発見すると

「こういうガキには無条件でワキ腹に蹴りを入れたくなるよな」

とか思いっきり書き倒し、投稿欄には上品な「週刊朝日」読者からの苦情が絶えなかった(笑)。


いや、実際のとこその後の西原は順調に漫画で良作、傑作を生み出し、経済的に成功しているのは間違いないし、自分の生活周辺を描く以上、その環境自体がリッチになってることを隠すことは不可能だろう。それに一人で子供を育てる以上、休暇で彼らに目を届かせるためには、子供たちもそいういう高級ホテルのような環境につれてくるしかない。
それは当然で、むしろその中でも、公園のどろんこやブランコと同様な「子供の本質的なバカさ(の重要性)」を描ける才能には脱帽するべきであろう。


しかし、それはそれとして「ガキの贅沢は無条件で憎い」と叫んでた”狂犬漫画家”が、時を経てそういう立場になったことが面白いのでアルよ。



右上は、実際に新聞には載らなかったコマ。
ちゃんと毎日新聞も、内容をチェックしている証拠です(笑)