INVISIBLE Dojo. ーQUIET & COLORFUL PLACE-

John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

山田英司さんの自伝、最高

本当に意外な形でお亡くなりになったポール牧師匠を含めて、どういうことをやっているのかよく分からないその周辺の格闘技事情。詳しくはこちらで。
http://kumapage.exblog.jp/m2004-12-01/#1423502

その、高須基仁氏の息子さんが編集長を務める「格闘伝説」。
当然ながらややK-1寄りのテイストで、そちら系選手のインタビューが多い独自の編集なのだが、そこに連載されている、元フルコン編集長の山田英司さんの書いている自伝?が物凄く面白い。

山田英司氏に関しては、別冊宝島FX「格闘技死闘読本」で、ごく最初期にメディアを通じ「(当時の)リングスやシュートボクシングは勝敗を決める形でやっている」と言明したパイオニアで、またその帰結としての「前田日明女子便所暴行(説教?)事件」の被害者としての知名度が高いのだが、紙プロムック「極真魂とは何か?」や大槻ケンヂ編集「直撃! 強くなりたい道」での語りで、理論や主張もさることながら、その場所にたどり着くまでの遍歴がめちゃくちゃに面白いことも知られていた。

その人が、神秘的強さを求め最初は中国拳法にハマり、しかしその中での「ん?ヘンだな」という疑問を育てることによって、「フルコンタクトカラテ」のポリシーを固めていった・・・という知られていたアウトラインを、もっと微細に語っているから面白くないわけが無い。



とくに、中国拳法への心酔とそこから疑問を抱く経緯は、いろんな人の名前やエピソードも登場して実にスリリング。一部この前、彼が使った「達人のトリック」を紹介したね。


この回想には当然松田隆智氏の名前も出てくる。
山田英司氏が、松田氏原作の傑作拳法漫画「拳児」の中で、ムエタイ技術やスパーリングを拳法に取り入れていばっている悪役「田英海」のモデルであることは一部で有名な事実だが、実は漫画の中での田英海vs蟷螂拳の達人は、実際にそれに類するものが行われたそうだ。
ただ、漫画とはちょっとディテールが違って、蟷螂拳側が負けたのだが。
(それ、ディテールじゃなくて大筋が違います)

その他、編集部にグローブやヘッドギアをおき、会社を訪れた格闘家には「接待スパー」をしていたのだが、そしたら同じ社の別の部屋にある中国拳法雑誌編集部に用がある拳法家は、そこを避けて出入りするようになった・・・という(笑)。

単行本には、たぶんならないだろうなあ。
山田氏はこっちでも活躍。
http://www.nifty.com/budo-ra/
ちなみに、同姓同名の法律関係者がいるので検索でデータを探すのはたいへん。