このたび、小畑健・大場つぐみの新連載と「ヒカルの碁」の10周年を記念した紹介文を、複数の漫画系ニュースサイトで紹介していただきありがとうございました。
反響あり、望外の栄誉です。
さて、そのついでといってはへんですが、情報提供したいと思います。
普通だったらただの漫画ファンには縁が無い「ゴング格闘技」という雑誌が、夏休みを記念し、格闘家と格闘漫画家の対談を行っています。漫画家側は、人選を聞いたらだれもが納得する「バキ」板垣恵介と、「ホーリーランド」の森恒二。両方とも格闘技の実戦家であることも有名です。雑誌の表紙も範間刃牙。
格闘家はあんた国籍ほんとにアメリカですか、といいたくなる漫画通ジョシュ・バーネットと、森恒二氏と実際に交流のある日本人UFCファイターで、王座を狙えるような地位にいる(これは大リーガーなみにすごいんです)岡見勇信。
漫画的にも興味のある話がけっこう出てくるので、気が向いたらパラパラと呼んでいただいて、漫画系ニュースサイト各位でもご紹介をお願いいたします。
http://www.eastpress.co.jp/gonkaku/
◆特集
強さとは何か。
What Is True Strength?“世界一売れてる格闘技漫画家”と
“最強に最も近い男”が初対談!
ジョシュ・バーネット×
『刃牙』『餓狼伝』板垣恵介“ついに完結! 路上格闘漫画家”と
UFCミドル級王座トップコンテンダーの慧舟會対談
岡見勇信×『ホーリーランド』森恒二
「俺たちの“ホーリーランド”」
ジョシュはいきなり板垣に「バキ」ではなくデビュー作の「メイキャッパー」について尋ねるなど、相変わらずのシュートぶりを見せている(笑)板垣は板垣で
去年、僕は久しぶりにボクシングで練習試合をやったんだけど、わずか2Rを闘うために50日間、ロードワークにダッシュも取り入れてずいぶん頑張った。その結果が奥歯が2か所欠けて、肋骨が一ヵ月半ぐらいずっと痛かった(笑)
何をやっているんだ(笑)
おまけに、格闘技道場に命じて通わせているという(その時点ですげえ)腕におぼえのプロ格闘家でもあるアシスタントに、マットを敷いた仕事場内のトレーニングスペースでジョシュとスパーさせるし。
ただ、そのアシと板垣がトレーニングをしていると聞いたジョシュが
板垣さんの手を大事にしなきゃいけないのにダメじゃないですか(略)。
でもレッグロックはOK。松葉杖はアリだけど、腕が壊れたら読者の僕が困る
といっているのは微妙にホンネすぎて不謹慎のような(笑)
板垣は持論の「強さとはワガママを貫くこと」というような話を語るだけでなく
「リング上の試合はわずか5分10分だけど、非常に密度が高い。それを体験すると日常は退屈じゃないか?」
「カール・ゴッチやビル・ロビンソンはリアルファイトの場で試されていない、証明していないのになぜジョシュは尊敬しているの?」
「ステロイドについてどう思う?」
などの鋭い質問もしています。このやり取りがけっこう、彼の作品の場合は作中に生かされていくことが多い。今後期待しましょう。
ホーリーランドの「リアル」に本人が答える。
まず、日本の格闘家の中でも大型のほうの岡見勇信と、身長がほぼ同じなんだ森恒二(笑)。
この時点で確かに「路上のケンかでは相当強いわ、この人」と納得。新人時代、よく編集部は持ち込み原稿を没にできたなあ(笑)
で、連載中から、格闘技界からも賛否両論を呼ぶ「森理論」が、実際に格闘技雑誌でどう論じられるか。
森氏は語る
フィクション、ノンフィクションなら僕は面白いほうを撮ります。
だけど、最初から自分が格闘技で実際に感じたことを軸に描こうとは思っていました。
(略)服を引っ張られたとか裸拳で殴って拳を折ったりとか(略)自分が体験した感覚は他の作家さんと比べて有利なんじゃないかと思って取り入れたんです。
通称・引っ張りパンチ(笑)。
あれはだいぶ漫画的に分かりやすく描いているけど、いわゆる格闘マニアの批判がすごくて…(苦笑)。
実際に街で通用した技なんで鉄板だと思っていた。
そしたらドラマ化したときに主演の石垣祐磨君に指導したら、あることに気づいたの。彼は僕より10cm背が低かったから、肩口が邪魔になって殴れなかったんだ(後略)
ということで引っ張りパンチに関しての論争(そんなのあったのか)実際に本人がやれたということは分かるが、作中の神代ユウは長身の設定ではなかったので、批判のほうもそれなりに理はあったということでしょうか。
【参考】ホーリーランドの雰囲気が何となく分かる紙芝居動画
http://www20.tok2.com/home/gryphon/data/HOLYLAND.wmv
で、森恒二と板垣恵介はどちらが強いか。
ゴン格の編集部で遭って、挨拶したんだそうだよ。
「ほお・・・あの、森君か。獣の王(※ヤングアニマルだから)」
「はじめまして、板垣先生。チャンプオブチャンプス(※少年チャンピオンだから)とお会いできて光栄です」
「強いんだってナ、おめェ」
「いささか」
「漫画家の中で・・・一番強いかい?」
「それは試してみないとね」
ふたりの目に見えない制空圏が、徐々に近づいていく。
それが触れた瞬間、板垣のストレートパンチと森のハイキックが交錯した。
・・・・・・・・・・んなわけが無いが(対談がそもそも別の場所だ)、まあお互いがお互いの作品をどう思っているかには興味がある。漫画家はライバル心も旺盛だから、うまく煽れば上の妄想も現実となるかもしれん(笑)