http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20050223ur01.htm
ニュース「イラクってどこ?」44%…世界認識調査日本の大学生の約44%が世界地図上でイラクの位置を正しく示せず、アメリカについても約3%がどこにあるのか分からない――。
日本地理学会が22日に発表した初の「世界認識調査」で、こんな実態が浮かんだ。同学会では地理学習の拡充などを求めている。
◆高校・大学生4800人調査 「地理離れ」くっきり
調査は昨年12月から今年2月にかけて、25大学の学生約3800人と、9高校の生徒約1000人を対象に実施。世界地図上の30か国に番号を付け、その中から、アメリカやイラク、北朝鮮など10か国の場所を選ばせた。
その結果、最も正答率が低かったのはウクライナで、大学生が54・8%、高校生が33%。イラク戦争や自衛隊派遣でニュースに登場する機会が多いイラクは、大学生56・5%、高校生54・1%にとどまり、五輪に沸いたギリシャもそれぞれ76・5%と59・4%だった。最も正答率が高かったアメリカでも大学生の約3%、高校生の約7%が間違えた。
同学会によると、高校の「地理歴史」は1989年の学習指導要領改訂以降、「世界史」を含めた2科目が必修となり、残り1科目に「地理」を選択する生徒は半数にとどまっている。同学会で地理教育専門委員会委員長を務める滝沢由美子・帝京大教授(地理学)は「地理と歴史をバランス良く学ばせることが大切だ」と話している。
これとまったく同じような「調査」をマンガコラムニスト・夏目房之介氏がもう十数年も前にやっておる。版型の問題で再販や文庫本化がしにくいのが難点だが、氏の週刊朝日長期連載・「夏目房之介の学問」で
30人に地図を書いてもらいました! 日本人にとって世界はどーなっておるのか?
という企画を行っていたのである。当時は今回と同じく、新聞コラムなどにも引用され話題になった。
これは今回の調査よりさらにシンプルに、みんなに「世界地図」をそらで書いてもらうというものだ。実際の本では、いくつもの例が示されて実に笑えるのだが、そこで夏目氏は、30人の傾向をまとめて法則化している。
・ニューヨークは西に移動する。
・香港は日本に近くなる。
・共に島国のフィリピンとイギリスが、ユーラシア大陸にくっついてしまう。
・インドシナ半島など、東南アジアの「萎縮」ないし「消滅」。
・中近東は混沌とする。
・アフリカは孤立化(ユーラシア大陸から切り離され、別の大陸だか島になる)
・ハワイは相対的に正解(笑)
・イタリア半島も相対的に正解(笑)
・自分も大した地図をかけないのに、他人の地図のおかしさは自信をもって笑うという目クソ鼻クソ傾向(笑)
・・・どれも合理的理由があるよな(笑)。
で、他のコラムなんかで「日本人の国際化、未だし」みたいな説教になったのはいいんだが、タチの悪いことに夏目氏は、その後「じゃあ、外国人はきちんと世界を把握しているのか?」ということで、外国人を集めて書いてもらった(笑)。
結果は・・・・・かわらないぐらいにだめであった。
これは学界の調査とは違って統計的な意味はないのだが、まあ、実感として言えばそーいうもんでしょう。
湾岸戦争の時、巡航ミサイルがバグダッドを攻撃しているのを
アメリカのスタンダップコメディアンが
「イラクの場所がわかるんだから、あのミサイルはわが国の
ハイスクールの生徒より上だ」とネタにしていたしな。
(ソースはここ↓)
- 作者: 高平哲郎
- 出版社/メーカー: 晶文社
- 発売日: 1994/02
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 14回
- この商品を含むブログ (6件) を見る
ちなみに椎名高志もこれをずっと前にネタにしていて、
やっぱり日本のOLはハワイと香港がめちゃでっかく、アメリカの農民の地図はアイダホ州が世界の中心(笑)。一番正確に描いたのは、世界の海を回遊するシロナガスクジラであったというオチでした。(「椎名百貨店」)
え、俺?俺は大丈夫だよ。この夏目コラムを観て以来、意識的に世界地図を書くようにし続けたのだから(笑)。
え、この実物を読みたい? うーん、公式サイトに掲載をお願いしてみたら?
http://www.ringolab.com/note/natsume2/