昨日は疲労の蓄積でなんと突然寝入ってしまったよ。ひさびさに一日空いたが、まあすぐに追いつく。
レスラーだけじゃありません
「・・クエストにはフリースタイルもグレコローマンも、カレッジスタイルもいっさいレスリングのクラスは設けていないよ・・・レスリングビジネスは将来の展望もなさそうだし。MMAのためにテイクダウンや防御の練習に時間は割いているけど、レスリングだけのクラスは無い。・・・チームクエストの選手は、レスラーから転向してきたものばかりだと誤解されているんだよね、今も
・・・でも、ここのファイターのほとんどはハイスクールで少しだけ経験した人間や、まったくレスリングの経験のない連中ばかりなんだ・・・」
へえ。チームクエストの若手連中は、日本ではパンクラスなどでしか見る機会はあまりないけど、レスラーだと思って闘ったりすると思わぬ落とし穴があるのか。エヴァン・タナーが加入したそうだから肩固めがチームの得意技になるかも。
地元の名士、ランディー
米国各地域のMMAへの態度についでだが、同チームの地元は・・・
「オレゴンの人々のMMAに対する姿勢はとてもポジティブなものだし、ここのボクシング・コミッションも私たちの姿勢を見て、非常に協力的だしね。」
−−サンクションを得るのに、クートゥア選手の実績が評価された部分もありますか
「MMAの戦績だけでなく、レスラーとしての実績もね。何よりもテーブルの席での彼の落ち着いた対応、紳士的な佇まいは特別な雰囲気があるからね」
(中略)「素晴らしいパフォーマンスをファイトの中で見せて、試合後はきちんと対戦相手に敬意を払う。この業界の人間に欠けている部分を、ランディはすごく大切にしている・・・「MMAはスポーツなんですよ」って人々に説いて回るより、ランディの姿勢を見てもらうほうが、ずっと理解してもらえるんだ。
たしかに、その地域のMMAをクレイジー・ホースとかが代表してたら、コミッションの見る目も冷たくなろう(笑)。でもオランダでは、テレビ討論にディック・フライが出演し(て、うまくいっ)たそうだ。
・・・・それはそれでスゲーな。
41歳の王者の練習
♪枯葉散る 白い テラスの午後3時・・・
いや、41歳と聞くとつい(笑)。
えー、もとに戻して、不惑を超えてUFCライトヘビーの”絶対王者”として君臨するランディ選手の練習方法を取材した高島学氏がたずねている。
−−やはりクートゥア選手の練習は、とてもハードなんですか。
この答えが意外だ↓
ランディのトレーニングはスマート、よりスマートに、何よりもスマートにというのが信条だ・・・集中して練習するのは3時間だ。私たちのやっている日に3時間のトレーニングは、究極的にスマートなものだと思う・・・
ここから先のインタビューが面白いと同時に、ある漫画を思い出した。
河合克敏「帯をギュッとね!」だ。
帯をギュッとね! (10) (少年サンデーコミックス〈ワイド版〉)
- 作者: 河合克敏
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2000/02
- メディア: コミック
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かなりの長期連載になったこの作品だが、もともとは「主人公が山嵐を使う」「ライバルは高慢ちきなエリート」などのよくいえば定番、悪く言えばベタなお約束をやっていて、、画期的な傑作になるとは思えなかった。
しかし、そのエピソードもうまく回収しつつ(山嵐は主人公の柔道センスを示す偶然となり、ライバルの人間味も後でだいぶ出てきた)、脇のサブキャラクターがそれぞれに個性を発揮して群像劇、もしくはヒーローチーム物、というべき進歩を見せた。
また、柔道というルールの中でありながら、荒唐無稽に陥る前でのバラエティある攻防を提示したと思う。(この作品の中で展開された柔道vsレスリングは、バキや修羅の門と比べてもいささかも遜色ない、”異種格闘技戦”であった)。
だが、さらにこの作品を一段高い舞台に上げたのは、勝ち進むなかでエリート集団との壁を感じた急進派が、もっともっと厳しく練習しようと主張したら、穏健派が「そこまでやって何になる?」と対立する、という後半のエピソードだ。
同種の話は「スラムダンク」でも赤木キャプテンの回想として出てきたね。
あれは直接描写はないが、やめた部員が軟弱ということになっている。それはそれでいい。
ただ、「帯をギュッとね!」ではいささか違っていて、主人公・粉川巧は「おれは楽しくやりたいなあ・・・」と言って、急進派の副リーダーは一度は失望するのだが「楽しくやるってのは別にラクするってことじゃないよ。例えばウエイトだって『これで筋肉がつく!』と思えば楽しいじゃん。そういう形で『楽しく』やれないかな」との主人公の言葉で、元来知性派の副リーダーはもういちど「”勝つための”練習強化」を練り上げる。
それはチーム・クエストのような「練習時間自体の短縮」も含むものだった。
そして、それ以外の強化案はそれ自体が伏線、ミステリーとなって終盤の物語を引っ張っていく・・・
「いまや、長時間練習するなんてやり方は
完全に時代遅れとなってるんだ」とか、その
副主人公は作品の中で行っていたな。
まあ年齢や種目やその人の特性にもよるんだろうが。
河合克敏氏はその後、異色ともいえる競艇漫画「モンキーターン」を少年誌でヒットさせるという、地味ながらも快挙といえる作業をなしとげ、ついこの前に長期連載を終了させた。
小生も、ぜんぜん競艇について知識がないのに、それでも楽しめるほどうまく専門知識を解説しつつドラマに組み込む手腕はみごとの一言であった。
(江川達也が「日露戦争物語」で会戦の資料と模式図をそのままマンガにして、しかもちっともわかり易くなっていないのを想起し、比較してみよ)
ただし、恋愛エピソードの挿入はヘタっつーか微妙にギクシャクしてたけどな(笑)
それはともかく、小生以前からの持論なのですが
「『総合格闘技』をリアルさとファンタジーを融合させてマンガにできるのは、河合克敏さんしかいない!」と思うのです。
彼ならアマ修斗やJJTCから勝ち上がる市井の一格闘家のドラマも描けるだろうし、逆にテレビ局や興行会社の思惑が絡んだビジネス闘争も描けると思うんだがいかがか。