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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

吉田豪とターザン山本、新連載。永田裕志vs前田日明の軍配は?

ロフトプラスンや紙プロで人気のこの二人のトークを、「週刊ファイト」で毎回連載するようになったそうです。


タ もう話にならないほど永田はつまらないよ!(略)永田の場合は理屈をつけて、一日中弁解するわけ。それがダメなんだよ(略)。


豪 「前田さんは引退してるから、やれないじゃないですか」とかの冷静な話になっちゃって(笑い)。こっちは気持ちが見たいだけなんですよね、実際。(略)本人としては結構してやったりって気分だったと思うんですよ。「オレとヒョードルの試合と、あなたとニールセンの試合を一緒にするな」という発言自体は。


タ  でも、それを言ってしまったらじゃあ前田とニールセンの試合はどこのリングでやったんだって話になるよね。(略)猪木さんから突然「総合の試合をやれ!」って頼まれて、しかも相手がミルコとかヒョードルとか凄いヤツだったから、そこに練習期間もなしに今すぐ出ろッたって勝てっこない。「でも、それが出来るのはオレしかいない。だからやった」って言ったら偉いんだよな。


豪 そうやってプロレスラーの凄さをアピールしないで、結果的に総合の試合の凄さをアピールしちゃいましたからね(笑い)。
(略)もともと競技をやってきちゃ人だからどうしても総合格闘技という競技に対する評価がたかくなるし、プロレスと一緒にしたら失礼だって思いもあるんでしょうけどね。

と、ジャッジ2-0で前田という形になったようデス。

リングス映像はなぜ商品化されないのか

http://blog.livedoor.jp/nhbnews/archives/23181510.html#comments


http://www.upper.co.jp/

アッパー創刊号は付録として永田さんが槍玉にあげた「前田日明vsドン・中矢・ニールセン(オリジナル・ノーカット版)」、「エメリヤーエンコ・ヒョードルvsヒカルド・アローナ」、「ヴォルク・ハンvsアントニオ・ホドリコ・ノゲイラ」、「前田日明特別講演会パーティ&プライベート」等の映像を収録したDVDがついています

ここで、このタイミングで前田日明vsニールセン戦を収録するか!
「ジャンルが違うだろ」とは言われる心配を考えていないのか?
ガチバカ諸氏が何かいったりしないのか?
謎は深まるばかり。

そしてなぞと言えば、リンク先の俺のコメント通りだが

グリフォン 2005年05月26日 23:27
この種の映像権利を、だれが握っているのか知りたいな。
特に前田日明がアッパーに協力するのは、社長との関係を考えればさもありなんだけど、前田一人がOKすれば、リングスの映像をこういう形で公開できるのか?

もちろんそんなことないはずで、いくばくかの権利料をどこかに払ったんだろうけど、その相場はどれくらいのものであるのか。新日本やテレ朝にも、ニールセンがらみで払ったのだろうか。
また、リングス映像に関しては、格闘技は結局のところそうそう採算が取れる種類のものではない、っていう巨大な現実があるんでしょう。
WOWOWだって、まだ潰れそうもないし自分でコンテンツを抱えていればいいと思ってるんだろう。今回は例外かな。


あ、それはそれとしてアローナvsヒョードルは貴重ですよ。
ハンvsノゲイラ、老兵ノゲイラの屈せぬ姿に涙。

しかし、時間的には余裕があっただろうから、おまけに1分スペースをあけてアンドレイ・コピィロフvsカステロ・ブランコ戦を入れてほしかった!

椎名高志のホームズパロディ(その後、単行本に)

前に書いた通りですが「少年サンデーGX」に椎名高志が読み切り「GSホームズ」を発表しています。ファンには既知の通りですが自身の大ヒット作「GS美神 極楽大作戦」の世界とホームズの世界をうまく合わせたもので、今回が二作目。
「不老不死の魔術を極めた錬金術師と、その部下のロボット」「何百年も生きる吸血鬼」など、時間を越えたキャラクターがいるのでこういう話をつくりやすいのですな。

以後、ネタバレを気にせず書くから各自注意してほしいが、
要はライへンバッハの滝でモリアーティと共に転落、その後3年間の履歴が不明だと言う史実(あえて「史実」と言おう)と、吸血鬼伝説をからませたものだ。吸血鬼を自分たちの「家畜」とし、その不死身のパワーを利用しようとするモリアーティ一派に、吸血鬼の生き残り(GS美神の登場人物、ピートも登場する)とコンビを組んだホームズたちが立ち向かうというストーリー。


やはり椎名氏の才能、知識は豊かで、例えば危険な生物である吸血鬼を大胆に捕獲した悪党に「私はインドで虎狩りをやっていたものでね」(つまり「虎狩りモラン」大佐!)と言わせるとか、最後に魔力で怪我の治療を受けたワトソン医師が「戦争の古傷があったんだが、肩だったか足だったか、分からなくなった」と感心する台詞を言わせている。
下のほうは「正典ホームズ」で作者コナン。・ドイルがうっかりテキトーに設定したため、暇な・・いや熱心なシャーロキアンがいまだに論争を継続している、「ワトソンの古傷の謎」というやつである。
こんな本筋にあまり関係のないお遊びをあえて入れ、にやりとさせるのは椎名氏の真骨頂でありますね。前の第一作の時「自分はシャーロキアンではない」と書いていたが、そりゃ通用しない(笑)。

そっから先はうまいもので、永遠を生きる吸血鬼の孤独と、いったんこれまた吸血鬼と化したホームズの心情的な交流と別離、いったん死んだと言われたホームズがワトソンと再開、今度は吸血鬼になっていると判ったときのドタバタ、敵の計画と能力、そして対決まできれいにまとまって、ハリウッド的なメジャー感ある娯楽作となっている。
マニア向けのようでいて、かなり一般に訴求するようなお話作りだ。
注目したいのは、最後の敵との対決アクション場面で、敵−味方−敵−味方の、シーソーの傾け方が非常に理にかなって分かりやすい。ある能力を発揮して有利に、しかしあっちにはこういう武器があってピンチに、しかし味方の彼がこういう活躍をしてくれて逆転・・・というのがよく練られている。特にこの種のジャンルでは、能力的に一枚落ちるコメディ・リリーフや脇役にどう活躍場を与えるかが技術なのだが、ワトソンがワトソンならではの活躍ぶりを見せてくれている。
このへんも、逆転また逆転の、最近の娯楽映画を見ている氏の基礎体力、基礎技術だろう。受け身を完璧に身に付けたNOAHの選手を見ているような安心感がある。


ただし、このソツのなさ、まとまり過ぎた完成度が逆に物足りない、という人がいるだろうな、という感覚もある。ジャンプ漫画的な、過剰な盛り上がりというものをコントロールし切ってしまう部分がたしかにあるからね。あとは多分、大ゴマをあまり使わないカメラワークの部分が違うのかも。
それでもシャーロキアンの端くれを名乗る自分としては、そっち込みで百点満点中三百点ぐらいあげたいのだが。


ところで新連載予定だった「絶対可憐チルドレン」ってどうなったんでしょうね。なんだか読み切りで、すでにSF漫画を対象に選ぶ「星雲賞漫画部門」にエントリーされたそうだが、むしろメディア部門が激戦のようで。

http://www.hamacon2.com/12.html

http://anime.blogzine.jp/animeanime/2005/04/36_8adb.html


あと、しつこく自分流に読んだ「最後の事件」と「大空白期」に関するパスティッシュ的考察を紹介しておく

シャーロク・ホームズ 
 「最後の事件」の真相に関する一考察
http://www20.tok2.com/home/gryphon/JAPANESE/BOOK-SELECTION/sherlock.htm

のちに椎名高志のホームズパロ2作は単行本に

椎名高志短編集 (少年サンデーコミックス)

椎名高志短編集 (少年サンデーコミックス)

  • 作者:椎名 高志
  • 発売日: 2003/12/18
  • メディア: コミック

この記事を書いた2005年には無かった「ネット試し読み」も普通になりました。

あー、試し読みから画像は前半部を引っ張れるじゃん!!こんな感じだよ

f:id:gryphon:20200806015217j:plain
ホームズの椎名高志パロ。第二作ではモリアーティとモランも

booklive.jp

「ハンター×ハンター」と「大物度」

漫画ついでにもうひとつ。「ハンター×ハンター」は今やすっかり、きちんと毎週見られるとか、ちゃんとした絵が入ってるとかという点では読者の信頼を失っているが、「おもしろい」という一点だけで生き残っているのだから大したものだ。
まんが道」では一回落としただけで業界から完全に干されるのに(笑)。
しかし、こうぶつ切りではストーリーを読者も覚えてないよね。あと、ひとつひとつのエピソードは完成されているんだけど、それを全体として最終的につなげられるのかな。

ま、それはそれとして、作者の富樫氏も椎名高志と資質はある点で似ていて、過去の名作を蓄積、収集、分解、再構成して己のものとするのに長けているんだと思うんですよね。

で今週号。
なんか怪しげな敵?が、主人公ゴンの前に現れて、何かの作戦で?「オレは敵じゃない、話があるんだ、信じられないだろうが聞いてくれ・・・」とあれこれ説得しようとしたら、ゴンが話もきかずに「わかった、信じる」の一言。
敵?のほうが大いにとまどう、という一幕だ。


漫画、小説など多くの物語に共通するものに「どっちが大物か?」を比べるという流れがある。これは形を変えたバトルものだったりするわけだけど、その大物感の演出に、「普通に考えれば信じちゃ危険な人や組織を、あっさりと信頼する」というパターンがありますね。
その懐の深さに、本当は裏切る気満々だった相手も感服して真の味方に・・・とかね。


「裏切られたら? 困る。ただ君を信じることが作戦の大前提なんだ」とシェーンコップに言った銀英伝ヤン・ウェンリー

「あなたは罪人ですが、罪びとでない人などおりませんよ」と忍び込んだ泥棒に倉庫番をさせた地蔵さん(ギャラリーフェイク

命を狙う捨丸をそばに置いた前田慶次・・・・


戦国時代の一応実話としても、北条攻めに遅参した伊達政宗に、豊臣秀吉は自分の刀を預け「いつでも切れる」という状況にさせてその度量に感服せしめた、ということになっているね。新井白石の父親も何十人もいる罪人(元侍)の警備をたった一人で命じられたとき、腰の大小を罪人にあずけ、「どうせ多勢に無勢で勝てぬ、逃げたいなら勝手に俺を切って逃げろ」と言って寝ていたら「俺たちもやせても枯れても武士、丸腰の相手は切れぬ」と脱走を結局あきらめたそうな。


時代は変わっても「漢の典型」を描くと言うのは変わらない部分があるのかもしれぬ。

ミルコ・クロコップvsマゴメドフ?

と、「天下の」ファイトスポーツが報じたよ〜信じるかは貴方次第

Mirko "Cro Cop" FilipovicThe Croatian media is reporting that a matchup of Mirko 'Cro Cop' Filipovic vs. Ibrahim Magomedov may be taking place on the PRIDE GP card on June 26th.Discuss this at Fightsport.com

MASTERキートン、書店で手に入らない?

http://www.narinari.com/Nd/2005054455.html
日付からすると先週の週刊文春か。たまたま忙しくて、2週ほど同雑誌には目を通してなかった、たしかに。

雁屋哲、自分がつまらない原作書いてるだけならまだ見逃してやる。なんで他人の名作を葬り去るようなことするんだ。

毎週、それなりに週刊文春に目を通している(なにしろ小林信彦高島俊男のコラムがある)読者にしては気づくのが遅くて汗顔の至り。
最近の「MASTERキートン」というキーワードのほとんどは、この問題についてかかれたものだよ。(キーワードから飛んでみよう!)