日本との貿易交渉に、突然自分も直接参加することにしたドナルド・トランプ氏。
アメリカのトランプ大統領は日本時間の16日午後7時半ごろ、日米の関税をめぐる交渉について言及。
トランプ大統領のSNSより
「日本はきょう、関税と軍事支援に関する費用、そして『公正な貿易』について交渉するため訪れる。私は財務長官と商務長官とともに協議に出席する」自身も出席することを明かしたほか、在日米軍の負担についても議題にあがる可能性を示唆しました。
これを受け、日本でも急きょ動きが。政府関係者によると、首相公邸で緊急会議が行われ、トランプ大統領が交渉の場に出席する意向を示したことを受け、対応を協議しているということです。
news.yahoo.co.jp
その変幻自在、予測不可能さに世界中が「翻弄される」という言いかたをメディアも当初はしていたが、
どうも実際の所、ホワイトハウス自分たち自身が未来予見が適当で行き当たりばったりなのだ、という事が徐々にわかってきて米国を主語に「迷走」と表現することも多い。
だ実際の所、アメリカの立ち位置から、けっきょく彼らが「迷走」すると世界が「翻弄」される…意味は結果的に同じになるのだという、ありがたくない現実を見せつけられるのだった。
しかし、トランプ氏は、自分のやってることがコロコロ変わることを一向に悪びれていないようなのだ。
トランプが自分の柔軟性を語る RAGE 「これは本のためのオンレコのインタビューですよ」私はいった。「私は大統領の主張を聞くために来ました。 政策についてもお聞きしたい。 私は大統領九人の本を書きましたが、重要なのは政策です。それが要であり、定義づけになります」
「賛成だ」 トランプはいった。「賛成だ。だが、政策は変わるものだよ。 私は柔軟であることを好む。 私がよく変わるというものもいる。たしかに変わる。 私は柔軟なほうが好きだ。政策を決めていて、 その政策のために煉瓦の壁を突き破るような人間ではない。容易に変わることができれば、煉瓦の壁 に突っ込む必要はないんだ」
・・・・・まあいい。というか以前も書いたけど、いい悪いの前に選挙、民意によってトランプ大統領が再び就任した以上、それは所与の前提だ。(特にそれがアメリカであるがゆえに)。
その前提をもとに、大統領は政策についてこう考えていると認識した上で交渉でもなんでもするほかない。
それは、同じく民主主義国家である韓国で、次期大統領になり得る李在明氏も相当に同じだろう。
閑話休題、
・・・・・てなトランプ氏のセリフを引き出したのが、自分でいうように「歴代9人の大統領の本をかいてきた」ボブ・ウッドワードの「RAGE」。
第一次トランプ政権のはなしだが、大統領カムバックもあり、印象に残る箇所を抜き出す読み方が面白いと思っている。
また章をあらためてそういう記事を書くけど、今回はもうひとつ引用したい。
ダン・コーツ…トランプ第一期政権で国家情報長官、マイク・ペンス…トランプ第一期政権副大統領。
ともに現在はトランプのもとを離れ批判的になっている。とくにペンスはバイデン政権への交代を非合法、超法規的に阻止しようとするトランプに歯向かい、歴史の激動期に名前を刻んだ。
ja.wikipedia.org
ワシントン・ポストなどによればペンスは州兵の動員などを指揮して暴徒を鎮圧したとされ[52]、上院に戻った際は「今日は連邦議会議事堂に残る暗黒の日であった ... 今日我々の連邦議会に大混乱をもたらした人たちへ告ぐ、あなたがたは負けたのだ、暴力は決して勝つことはなく自由が勝つ。そしてここはまだ市民たちの議事堂なのである」と襲撃を非難した[53]。
このふたりは、そうやってトランプと別れたとはいえ逆に言えば一度は陣営をともにしたわけで、超保守派である。それも、キリスト教を背景にしたゴリゴリの系統の。
異性問題などにも厳格ゆえに「ペンス・ルール」という言葉がつくられたほどだ。
dictionary.goo.ne.jp
そんなキリスト教原理主義者には、さまざまな女性スキャンダルも取りざたされたトランプに、手放しで好感を持ちはしない。
しかし、トランプでないと民主党の候補(当時はヒラリー・クリントン)に勝ち目はなさそうだ…
彼らは、トランプの初当選前に、彼を支持するか(支持する場合はペンスは自分が出馬しない、を意味する)を話し合ったという。
その時の理屈が、信仰の異なる当方からみたら、なんとも可笑しかったので、紹介したいのだ。
トランプ RAGE 蜘蛛の巣 (コーツの出身大学の掲げた標語は)”神とその王国のために”だった。福音派伝道師ビリー・グラハムが、この学校では不変の優勢な影響力を発揮していた。
長いあいだ祈ったあとで、今後のことについて決断する必要があると、四人の意見は一致した。ペンスは大統領に立候補すべきか、知事の二期目を目指すべきか?コーツは上院でつぎの任期を目指すべきか?
「将来のことと、神が私たちそれぞれをどこへ導いてくれるかについて話し合った」コーツはのちに説明した。「神には明らかにわかるだろうと祈った。明らかにするために祈るべきだという問題を、私は提示したと思う。自分がなにを望んでいるかではなく、神がなにを望むかを」
コーツは、神との専用回線のようなものがあると信じてはいなかった。「最終的には私たちは神の子であり、神には私たちのための計画があるということが、私たちの信仰に自然に備わっている。それがどういう計画かはわからないが、明らかになるよう素直に求めてそれを実現するのが、私たちのつとめだ」
ペンスは、旧約聖書のダビデの物語を述べた。ダビデがサウル王から逃れて洞窟に身を隠していると、神が蜘蛛を遣わして、洞窟の入口に巣を張らせた。蜘蛛の巣を見たサウル王は、洞窟にはいらなかった。蜘蛛がダビデの存在を隠して、命を救った。たとえ蜘蛛であっても、神の手にかかれば偉大な救済の道具になるという教訓だった(正統な旧約聖書に蜘蛛は登場せず、ユダヤ教の伝承にあるだけだが、説教に使われる例がある)。
祖父母が牧師だったマーシャ・コーツは、それほど思慮深く深遠な説教は聞いたことがないと思った。その物語は、わかり切っている疑問を提起する。一般に怖がられている蜘蛛が救いをもたらすのか?
食事が終わりかけたころには、ふたつの決断が明らかになっていた。コーツは、上院議員の任期が終わったら次期を目指さない。ペンスは大統領選挙に出馬しない。
ペンスが思いがけずトランプの副大統領候補に選ばれたことに、四人とも不意を打たれた。
悪いんだけどねえ、ケタケタ笑っちゃった。
・蜘蛛、嫌われ過ぎ。
・しかも神様、助け方が消極的すぎ(テレポーテーションかなんかでダビデを安全な場所に移せよ!)
その蜘蛛が、神の使いとして、聖なる賢王ダビデを助けたのだから、神がトランプを善き目的のために遣わすこともあるんだろう、という結論が剣呑すぎ。
・それを上院議員と州知事がまじめに今後の指針として考えている、という事実。
ちなみに蜘蛛は、お釈迦様の使いにもなっているのだから、誰のミッションでも完璧にこなす(釈迦ミッションの失敗は亡者側のせいだろう)重宝な便利屋さんなんかもしれん。ジャンプでいえば「ひまてん!」の主人公的な
しかも余談だが、この伝承は、イスラム教開祖ムハンマドとその支持者が、異教徒に追われてヒジュラ(拠点をメッカからヤスリブに移動したこと)した時の伝承でも言われてる。大いなる唯一神は同じだから同じ手法を使ったのじゃ、なのかもしれないが、また例によってだいぶイスラムは先行宗教をパク(この後少し省略)、と思わないでもないです。

繰り返すが
この「RAGE」は面白いファクト、言動が点在しているので、それを抜き出して紹介するというのをまた再度やっていきたい。