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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

「江戸漢詩選(下)」から、歴史的事件を詠んだ詩を保存。西郷隆盛や橋本左内の獄中詩、香港の様子、海防の焦り…

この続編。
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収録の趣旨を再掲載

……自分は直接、句集や詩集を読むことはほとんどない。だが、歴史の本を中心に、名句、名歌は突然引用されるものだ。あるいは芸術的には取るに足りない句も、その事件や人物に関わっていると重要な意味を持ったりもする。
そういう時、「遭ったらすぐに捕まえて保存する、忘れないように」というポケモン的なムーブが必要だと、経験で教わった。

岡本黄石

彦根藩家老 岡本黄石の漢詩

桜田門外の変の事後処理を江戸藩邸でした家老だという。歌の意味は、前半は「日本はずっと平和だった」後半は「しかし西欧は戦争と侵略をいまやほしいままだ、日本も考えを改め油断するな」…西欧のその領土拡張を、始皇帝の「秦」になぞらえている。




中村敬宇西国立志編著者)

中村敬宇漢詩 西洋の脅威を憂う

最後の文章が分かりにくいか
「勇者ですら厳重に戸締まりする」という諺があるだろ、
倉庫にカギをしなければ、ずるい奴は物品を奪おうとするよ…との意味



西郷隆盛「獄中有感」

ちょっと画像が上手く撮れなかったが、「このレベルで有名だとテキストがあるかも」と検索したら、西郷隆盛が自筆で書いたともされる作品も含め見つかった。
そこから引用しよう

blog.goo.ne.jp

読み
朝蒙恩遇夕焚抗 人生浮沈似晦明 縦不回光葵向日 若無開運意推誠 
洛陽知己皆為鬼 南嶼俘囚独竊生 生死何疑天附与 願留魂魄護皇城


朝に恩遇を蒙り、夕に焚抗(ふんこう)せらる。人生の浮沈、晦明(かいめい)に似たり。
縦(たと)い光を回らさずとも、葵は日に向かう。若し開運無くとも、意は誠を推さん。
洛陽の知己、皆鬼と為る。南嶼(なんしょ)の俘囚、独り生を竊(ぬす)む。
生死何ぞ疑わん、天の附与なるを。願わくば、魂魄を留)めて皇城を護らん。

橋下左内 獄中作3首のうちのひとつ

橋本左内 獄中作(のひとつ)

彼の「獄中作」は別のこちらのほうが有名らしい

獄中作     橋本左内

二十六年夢裡過,
顧思平昔感滋多。
天祥大節嘗心折,
土室猶吟正氣歌。


獄中の作

二十六年  夢裡に 過ぎ,
顧(かへりみ)て 平昔を 思へば   感 滋(ますま)す多し。
天祥の 大節  嘗(かつ)て 心折し,
土室 猶(なほ)も 吟ず  正氣の歌。
www5a.biglobe.ne.jp

杉聴雨(文久元年の遣欧使節メンバー)香港の様子を見て

杉聴雨の香港ルポ漢詩

島々の間に市場が開かれ、船が行き交う
アヘン戦争当時の失策を、今はもう話題にもならない
海の関所たる香港は、イギリスの領土になっている


こういう、海外見聞を詩にした「環海詩誌」という本を書いたらしい