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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

ハンチョウ「未明の散歩」回が無料公開…から「深夜の解放感」描く作品を連想してみる

ちょっと眠かったり、長文をかくにはやや体調が最近すぐれない(ってただの肩凝りだけど)ので、まず、リンクとか画像を貼って、あとからいろいろスキマを埋めて書いてみるねその後ぶじ完成しました↓

無料公開は

「1日外出録ハンチョウ」第137話 「未明」(2023年12月30日現在無料)

comic-days.com
ネット公開でなく、雑誌に載ったあとにここで紹介したっけ。
その部分を再録

m-dojo.hatenadiary.com
137話は、偶然その日は超早起きして、なぜか眠くない大槻が、未明の街をぶらつく話だが…この逆に「それでも町は廻っている」の中で、カフェイン入り栄養ドリンクを飲んで眠れなくなった弟と一緒に歩鳥が深夜の街を歩く回があったね。弟さんは初めて”昨日と今日が切り替わる”深夜0時を起きて迎える。…というか藤子・F・不二雄にもドラえもんだかオバQにこのネタ出てきたな。「よるの世界の王さまだ」というタイトルがあった。
ameblo.jp

かんべむさしの短編にも、なぜかまったく「眠り」を必要とせず24時間起きっぱなし(それでまったく健康)の人が、それを有意義に使って…みたいな話があったっけ。


それらの話もよかったが、それに通じる、ちょっと不思議な、それでいて「あるある」な実感がある。

1日外出録ハンチョウ137話 早く目覚めて、早朝の街を徘徊

ただ、この朝4時からバーでモーニングセットがある、
なんてところは現実感がなくて「ご都合主義設定?」とか思うのだけど、
大都会東京の繁華街なら、そういうものも、あるんだろうかな。

1日外出録ハンチョウ 早朝の街で4時からモーニング

「焼いてるふたり」第113話 「よふかしうどんスープ雑炊」(有料)

comic-days.com

別に何が理由でもなく、なんとなく寝付けない。夫を布団に残して……こっそりおでかけ。

焼いてるふたり 深夜ドライブ
焼いてるふたり深夜ドライブ

そして、小腹がすいたと思ったらこれよ。
メーカーがほぼ類推可能なパッケージの描き方は、アグレッシブな何かか、CM的な絡みがあるのか……
まあ、それがうまいであろうことはゆるぎない事実。

焼いてるふたり
焼いてるふたりウドんスープで雑炊

そして、少々うらやましいことに「あ、眠くなってきた……」と再び布団に入り熟睡。普通の起床時間になってもぐっすりできるのは自宅で仕事ができる、フリーランスの特権か。

最後のキャッチコピー(単行本では消えるか)は「夫は知らない 深夜の大冒険!」だった。
端的で秀逸なコピーだが、これじゃ浮気みたいだな(笑)実際、そういう部分も含めた背徳感というか。


「野武士のグルメ」第二巻 夜食の回

「野武士のグルメ」でも、ちょっと夜食をたべたいと思ったが運のツキで、あれもこれもと台所をごっそごそ、次々と料理し始めるエピソードがあったな。

野武士のグルメ 夜食作り

「迷ったら焼き鳥の缶詰は、塩が大人だ」など、例によって
何の根拠があるんだ、という断言とかある(笑)

野武士のグルメ 夜食作り

そして、欲望のタガが少しずつ緩んでいく様は、まさに一種のジャンキーに似て…最後はこのありさま(笑)

野武士のグルメ 夜食作り



それでも町は廻っている」 16話「ナイトウォーカー」(2巻収録)

この作者らしく、いろんな断片の挿話が一つに繋がって、オチまでになっているのだけど、根本は単純だ。
栄養ドリンクを姉に勧められて飲んだ小学生の弟が夜、眠れないと訴える。お姉ちゃんはそこであろうことか「よし(こっそり)深夜の散歩に行こう」と。
午後11時半を回ったこの時間も「私にとっちゃ まだ宵の口みたいなもんだよ」というセリフが、無駄なイキリというかお姉さんぶりが感じられてほほえましい。
作者の石黒正数氏は、なんか引くレベルで「理想のお姉ちゃんとは何か?」を考え続けている哲学者らしい。(「もう、しませんから。」に登場して以前語ってた)

──ビジュアル的な要素に加えて、姉という属性も入っていますよね。石黒さんの「姉萌え」は有名ですが、姉キャラのどういったところに惹かれるのでしょう。

姉キャラが好きなわけではなく、姉が好きなんです。せっかくの機会なので言わせてもらえば、妹の姉ではなく、弟の姉じゃないとダメですね。弟1人姉1人。あと、ずっと同じ家に一緒に暮らしてないとダメ。自分に姉がいることがわかって、突然一緒に暮らすことになりました、とかいう設定は萎えます。

──こだわりがすごい。いったい姉のどこにそれほど惹かれるのでしょう。
natalie.mu

まあ、その話はどうでもいい。
治安がいいだけが「取り柄の街」だから、未成年2人で深夜の散歩をしても大丈夫…らしいのだが、そこでボディガードとして幼馴染の真田君もメンバーに加えようとして失敗する挿話とか、夜食にラーメンを食べようとしたら

それでも町は廻っている 深夜の散歩

天敵ともいえる交番のおまわりさんに出くわしかける話とかがいろいろ入って面白い。そうだ、たしかにまだ子供にとっては、夜の散歩だけで「深夜徘徊」という補導案件なのだった…

そしてコンビニに立ち合った時に、こんなイベントが発生する。

それでも町は廻っている 16話ナイトウォーカー 夜更かしの回


そうだよね、子供のころ、眠さをこらえて日付が変わる午前0時まで起きていたとき、やった!という充実感や、特別なことが起きてるというイベント性を感じたはずだ。
ここにあるように、その体験を覚えている人も多いのではないか。

それでも町は廻っている 日付が変わった瞬間


このイベントは、大晦日に発生することが多いよね。2023年12月31日の大晦日も、多くのお子さんがこの日付越えに挑んで(親がこの日だけ許可したりね)、成功して記憶に残ったり、途中で失敗して寝ちゃってがっかりだったりするのかな。でも今のお子さん、夜に強いよねえ。自分はひょうきん族や全員集合、欽ドンも最後まで見るのに失敗するぐらいだから、午後9時前に寝てたんだな…。

「ちゃんと覚えておけばよかったな…」という感慨の台詞も含め、なにかのノスタルジーを刺激する話だ。
この話は2巻収録の、通算第16話である。1年半ほど描いた後、この回になったわけだが、ある意味で「それでも町は廻っている」の方向性を定めた一本ではないか、と思ってる。



このほかにも、上でちょっと語った藤子・F・不二雄ドラえもん」の「夜の世界の王さまだ!」

ドラえもん夜の世界の王様だ

ameblo.jp


や、そのエピソードを辿れば日本の深夜営業史、コンビニ発展史にそのままなるとして知られるこち亀の「腹減った、夜食なんかないか?」「今は深夜ですよ、どこもやってませんよ」から何かの解決策を模索する話も含め…


これは名作まとめ
togetter.com


、やっぱり夜が明るくなった平成令和も含めて、まだまだ…いや人類が続く限り、真夜中や明け方は少し怖くてドキドキもする”異界”であり、その時間に活動するあれこれは、ちょっっぴり”背徳”であり、”冒険”だったりするのではないか。


そんなことを、こう並べて考えたりしました。(了)