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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

「今日も吹部は!」登場の教師「リアル青春ドラマを見物したくて先生やってる」って面白キャラで興味深かった【創作系譜論】

該当回が残り1日なので、
急いで紹介を。
www.sunday-webry.com


話をわかるようにざっと解説するが
・主人公の男子は元野球部エースだが怪我で退部、誘われて次の目標として「吹部」に入る。
・それを誘った女子は密かにその男子が好き

・ただ、部活は少数の「本気でやろうよ!」勢とやや多数派の「まったりだらだらしたいんだよ」派が対立。コンクールという大舞台は、そもそも申し込まない=棄権しそう
・男子は熱血なので、即座にこの「本気でやろう」派に加わり、部を動かそうとする。誘った女子は、男子の仲間のふりをしてる。
・あまり裏の心理を見抜けない男子は、顧問教師に直訴する……
みたいな流れを、基本的にギャグとして描く作品だ。

で、登場した教師がクセモノで……

青春ドラマを見物したいので先生やってるひと(今日も吹部は!)
今日も吹部は 青春ドラマを見物したい教師

という…「リアル」な青春ドラマを観客として見物したいから先生をやっている、という。
この子は、ドラマのヒロインにふさわしいか、とかも鑑定する(笑)

今日も吹部は 青春ドラマを見物したい教師

このキャラクター設定が、いかにもコメディっぽくはあるけど、そこはかとなく「……ほんとにいるかもしれねぇな?」というざわつき感をもたらしているのだよ。







考えてみれば、こういうキャラクターにほんの少しだけ既視感がある。
まず「ねほりんぱほりん」の「腐女子」回で、BLの本質として、自分=女性はその恋愛劇に絡まない、それを見物するだけでいいんだ、みたいな意味で
「自分は、その漫画のヒロインになりたいんじゃない。その場面の、部屋の壁(空気、だったか?「虫」だったかも)になりたいんです」という、戦慄の台詞を聞いた……

ねほりんぱほりん 「腐女子


腐女子とは男性どうしの恋愛を描いたBL(ボーイズラブ)作品を愛する女性のこと。そこは自分の現実や恋愛が問われない、男たちを“壁”のようになって見つめるファンタジーの世界だ。通勤中や職場でも妄想でいっぱい。男性どうしを脳内で勝手に恋愛させ、人知れず楽しむ日々。豊かすぎる想像力で電車と駅、から揚げとレモンまで恋仲にしてしまう。ふだんはその趣味を隠し、周囲に“擬態”して生きる腐女子たちが赤裸々に語る。


www.nhk-ondemand.jp

それは、「こづかい万歳」で話題になった、駅のホームで酒を飲んで、そのホームの光景を見ているだけでドラマになる、と満足してるおじさん…自分でその場所を「ステーションバー」と呼んでいて…コミックDAYSにあるかな……

あった。
comic-days.com

こづかい万歳 ステーションバー 駅は人間ドラマ

たしか、この回のこの描写って、何か賛同とも批判ともつかない、反響がじん割と大きくなり…このマンガ全体の知名度、存在感を高めたんじゃないかな。どこかに痕跡ないかな。
あったよ!note、togetter、さらにはステーションバーが用語辞典にまで載ってるわ!

togetter.com

note.com
特に話題になったのが「ステーション・バー」の村田。彼は駅の片隅でこっそりと酒を飲み、駅にいる人々の人生を勝手に眺めて「生の映画を観ているようなモンだよ……」と感涙し、おまけに昼食はいつも名古屋駅きしめんをすごい表情で食べているわけです。そんなわけで本作の登場人物たちは、こづかい怪人とすら呼ばれています。まあ呼ばれるよね。

dic.pixiv.net


そうだ、「野武士のグルメ」第一話にも……定年退職して本当に自由を満喫する、その象徴が「公園の景色が舞台。自分はビールを飲んで観客席」

野武士のグルメ
野武士のグルメ 特等席

※コミックシ-モアの立ち読み可能部分で見られる
www.cmoa.jp



だけどさ、そうはいうけど、そんなに現実にドラマってないよ?
たしか旧共産圏とかCIAとかの盗聴専門官が言ってたけど、殆どの盗聴はどうでもいい内容の話をひたすら聞くだけだから、そっちのほうがストレスがたまる、みたいな話が…。
これだ
togetter.com

そこからドラマになりそうな現象を見つけて追えるとしたら、ある意味ジャーナリズム的才能がある。




そして、さらに連想は飛んで………そもそもの、こういうキャラの総元締めはこいつかもしんない。HUNTER×HUNTERの「トンパ」な。
この人物造形が出てきたときは、そのオリジナルさに度肝を抜かれたもんだった。
(最初はなんだかんだと、自分のもっと現実的な「利益」を追う、典型的・類型的な”小悪党”と思っていた。そう思わせておいて、もう一段深い闇がある…)

トンパ

オレがハンター試験に求めているのは合格じゃない
ほどよい刺激さ


自分の生命は堅守しながらすぐ側で死の瞬間を見物できるショー
夢多い前途ある若者がくいつぶされていく修羅の場
野心や希望が永遠に絶たれる一瞬の表情
次第にそれを見ることが楽しみとなった
meigenmeikan.com

まあ、こんなふうなことをいろいろ含めて、「学園内の”青春ドラマ”を見物することが最大のモチベーションになってる教師」というキャラクター設定が面白かった、という話。