【処理水】各国の記者から中国に賛同できない声 マレーシア「日本は透明性保ってる」タイ「ASEANは賛成しないと思う」
(略)
処理水の放出をめぐり、中国はこれまで連日のように日本を非難してきました。中国外務省 汪文斌報道官
「日本政府は国際社会の強烈な疑問と反対を顧みず、一方的に核汚染水の海洋放出を強行した。中国はこれに断固とした反対と強烈な非難を表明する」中国には処理水問題を対日外交カードにしたい狙いがあったとみられますが、国際社会で同調する国は少なく、その思惑は外れた格好です。各国の記者からも中国の主張には賛同できないという声が相次いでいます。
マレーシアのメディア
「日本は処理水放出について透明性を保っている。中国の外交は表面上では紳士的でも、行動はそうではない」
タイのメディア
「ASEANは賛成しないと思う。攻撃的な外交ではなく、もっと適切な方法をとるべきだ」
newsdig.tbs.co.jp
これ文雄すげーな
— 笑顔で決めろ (@Smilebomber461) September 8, 2023
「飯食ってる場合じゃねえ」とタイミング逃さず李強捕まえてボール事前に投げといて、会議で「さっきも言うたことやけどな」と強く出るとか
だてに安倍政権で一番長く外相やってねえな pic.twitter.com/GTXpzcXlKu
・日本の立場を伝えるため相手の隙を付いて話しかける。
— あまおちりん (@amaochi) September 8, 2023
・15分という異例の長さ。逃がさない。
・「中国との関係を重視」と相手の逃げ道も作っておく。
・なのに、その直後のASEAN+日中韓の面前で「突出した行動」と強い口調で非難。
・首脳達みなビビる。
弱腰?は?
フミオショータイムやんけ。 https://t.co/09vPx1E3DG
そもそも的にいうと、7月のASEAN関連会議の時からである。
中国、処理水の問題化狙うも不発?ASEAN関連会合で賛同広がらず
ジャカルタ=斎藤徳彦 半田尚子2023年7月11日 22時06分
(略)
日本が今夏にも実施する処理水の海洋放出に、中国は「日本は他の方法を十分に検討していない」などとして強く反発している。今回の会議でも問題化し、ASEAN外相会議や、日本や中国も参加するASEAN地域フォーラム(ARF)などの場で議題とするよう求めているという。ただ、ASEAN側でこの問題への関心は高くなく、応じる可能性は今のところ低い。会議関係者の一人は朝日新聞の取材に「議論を求めているのは中国だけで、一連の会議で議題にすることはない」と話した。共同声明や議長声明にこの問題を盛り込む考えについても否定した。
日本スゴイとか岸田スゴイではなく、この件も含めて中国の「戦狼外交」のつけが回ってきたなぁ……という感じ。
これも今となっては遠い昔だが、ウクライナ戦争が勃発した時、今後世界はどう変わっていくか、という予想で、米国の学者だったかシンクタンクだったかがこういう予測をしていた。
・中国がウクライナ支援、ロシア非難で欧米諸国、西側と足並みをそろえる。その結果、「中国は問題の多い国家だが、なんだかんだと最終的には現行国際秩序を維持する側と言ってもいい」と評価され、国際的地位が飛躍的に高まり、発言力を増す(という世界線がある)
自分はいかにもありそうなことだと思い、「ロシアは本当になんてことをしてくれたんだ。直接的な被害だけでなく、こういう形で日本に被害が及ぶな…」と憂鬱になった…だが、今からみれば例の
「でも、そうならなかった…ならなかったんだよ。だからこの話はこれでおしまいなんだ」
な状況である。
ウクライナ問題などで完全に足並みをそろえている中国がその「見返り」として、処理水で中国の立場を支持するように要請したら、今のアメリカ、欧米、ASEANの態度はありえただろうか?
さらにもう一つ、これは本当に岸田外交とか日本外交とかでなく、天運、幸運なのだけど、韓国の尹政権が、今のような立場をとったこと。いやもちろん、実際にこの問題の発生前に日韓関係を好転させたのは岸田首相の決断も大きかっただろうけど、まず大前提としての韓国保守政権が、本当につい最近、超僅差で成立したからこそである。韓国で「共に民主党」政権だったら、こうはならなかっただろう。
「韓国尹政権の動きは大きかったし、状況を動かしたプレイヤー」
— 💙💛KOHNO, ←2m→ SIOUXSIE☆☆☆☆ワクチン4回目 (@KohnoSiouxsie) September 1, 2023
韓国メディアを追っかけてきて、その通りだと思います。
そして尹政権は “汚染水” の名称を変える検討を始めるまでになりました。https://t.co/jlCgZGgRsH https://t.co/dMl4Pdg8Af pic.twitter.com/Cu9gJHwyG2
ユン大統領当選時の票差を見れば、まさにバタフライエフェクトというか、ほんのわずかの差で中韓(と北朝鮮、ロシア)で”海洋放出反対枢軸”が作られた世界線もあったでしょう。100年後に架空歴史小説が作られてもおかしくない、ほんのわずかの差が生んだ、世界の差。https://t.co/KFa7pnWIcW
— Gryphon(INVISIBLE暫定的再起動 m-dojo) (@gryphonjapan) 2023年9月1日
得票率で小数点以下の大僅差でしたからね。。
— 💙💛KOHNO, ←2m→ SIOUXSIE☆☆☆☆ワクチン4回目 (@KohnoSiouxsie) 2023年9月1日
(投票日までの支持率は尹錫悦氏がやや優勢も、左派系が危機感で追い上げた)
李在明氏が当選していたら韓国の水産業は彼の風評加害に苦しめられ、科学者たちも発言の機会を封じ込められていたかもしれません。https://t.co/Q2wjXQyGsA pic.twitter.com/nHlQbPpblD
そう、「露中韓処理水反対枢軸」は、これは本当にありえた2023年の風景だったろう。そこは韓国の民意であると同時に、やはり運、偶然も左右する。
一方で韓国には2008年「狂牛病(BSE)」を巡っての危機感が政権をも揺るがした、という反省、見方によっては「成功体験」もある。
日本社会が覚えておくべきこと。
— 崔碩栄 (@Che_SYoung) September 5, 2023
「福島放流水」について反対派、危険を煽る人たちを覚えておくことだ。そして彼らが2、3年後にも同じ主張を一貫して語り続けるかどうかを見るべきだ。… pic.twitter.com/rPLGJGdbP1韓国は国がひっくり返るくらい大騒ぎした狂牛病デモ(米国産牛肉輸入反対デモ)を経験した。その時は反対派、危険を訴える人たちが「意識高い人たち」「勇気ある」と喝采を受けた。
しかし数年経ってからは米国産牛肉の消費が爆増。反対者たちさえ米国産牛肉を食べる場面が目撃され、大ブーイング。本人たちも今は誰も牛肉のことを言わない。言ったらバカにされるだけだから🙄
韓国で2008年に起きた「BSE(牛海綿状脳症)騒動」は科学がデマに屈した事例です。「今回はあの時のようにはならない」との見方は強いですが…https://t.co/ASeSiYZ7hy
— 日本経済新聞 政治・外交 Nikkei Politics (@nikkeiseijibu) 2023年8月26日
「韓国人の遺伝子型はBSE(牛海綿状脳症)に弱い」。科学が政治の主導する扇動に屈した例が韓国にある。
李明博(イ・ミョンバク)政権が08年に米国産牛肉の輸入再開に踏み切ろうとしたところ、デマを信じた市民が大規模な反対集会に加わった。
ありもしない言説がインターネットで拡散した背景には李政権と対立する勢力やメディアの存在があった。政権支持率は10%台まで下がった。
海に流れる処理水の影響を心配する人は6月末の韓国ギャラップの世論調査で8割近かった。日本の水産庁の統計をみると、韓国は主要国・地域のなかで年間1人当たり食用魚介類の消費量が最も大きい。
一般の国民には「将来、子どもたちに影響がないか心配だ」(ソウル市の40代会社員男性)といった不安な思いが当然ある。
www.nikkei.com
で、今の現状を…スポーツに例えると、こと処理水の、中国の主張との国際的支持をめぐる競争に限定するなら、野球なら4回を回って5-0、サッカーなら前半終了2-0、という感じだろうか。
もちろんゲームは後半次第で十分ひっくり返り得るし、ペナントレースとして考えたらはるかに道は遠い。
それに、中国はそもそも国際的な支持は求めるだろけど、そもそも「強さとはわがままを通す力(刃牙)」の通りに、自国単独で…たとえば今回の水産物全面禁止のように、単独で、しかもあからさまに力を見せつけて、賛同も支持もされないが畏怖させる、という戦略をとることもできる。いわゆる「シャープパワー論」にも通じる話。
だが、どちらにしても日本のやることは、処理水に関する透明性、客観性を高め、政治的にも技術的にも誠実にやっていくほかない。
もちろん中国の「突出(これは客観的にそうだろう)」を指摘するのも重要だが、本来的には、中国を敵視する必要も一対一の外交で考える必要もない。そのころには、中国の姿勢にも変化があるかもしれない。
「学べば、則ち固ならず」。