なんだかんだと「シン・仮面ライダー」がスマッシュヒット(あの動員・興行収入に不満を言うのは普通におかしい。十分だと思うが…)したおかげなのであろう。
ライスピが10巻無料、6/12まで!村枝賢一先生も上手くて熱いから!!!
— 犬毛もふ (@moooomofu) May 30, 2023
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コミックdaysで仮面ライダーSPIRITSが10巻無料やってる。
— かじめ焼き (@kajime_yaki) May 30, 2023
読み直してみると、無印の頃は話がサクサク進むなあ。 pic.twitter.com/7ajDAbrXmm
この作品が「2001年1月号」からの連載だと聞いて、あまりのことにちょっとクラっと来たが(笑)、その連載開始時の衝撃というか、勢いは本当にすさまじかった。
もともと村枝賢一って、その後長編を書くことが多かったけど、本来的には数話完結のやや人情噺っぽい物語が得意というイメージがあった。
それを生かして、「(昭和)仮面ライダーが、世界各地で悪の改造人間と戦っている。」という、テレビで出演俳優がけがをしたことを契機に登場した後付け設定(笑)を膨らませて、各地で各人各様の戦いぶりを数話かけて描いたのだ。
それが、今公開されている巻に収録されているものだけど、
「もともとのキャラクターが、長年愛されて個性やビジュアルがファンに浸透している」
「それを使って、自身もファンである作家が、自分の思いも込めて『俺流』のキャラとストーリーにする」という、二次創作というか、公式スピンオフというか、その形式がこれほどに融合し、効果を上げている作品を知らない…いや、ライダーとくればウルトラマン。真船一雄の「ウルトラマン story0」なら、互角に比し得るか……
1人ずつみていこう(ストロンガーまで)
有名な、ボロボロにやられた滝に対してライダー1号が「俺とお前でダブルライダー」という場面だ。
すこしひょうきんで親しみやすいという設定だったね、ライダー2号こと一文字隼人は。
V3は少しクールでツンデレ的なキャラに。
ライダーマン編は、物語的には一番傑作かも?(まあ、西部劇の「流れ者」話の翻案ではある)
仮面ライダーXは海、水の担当イメージ。
アマゾン ダダダ。 野生の彼と、超絶IQの人造天才児を絡ませている。
そして締めくくりが日本に戻ってのストロンガー編なのだが、これは実写作品と世界や時間軸がかなり近接していて(じゃあ西暦何年なんだよ、とかいうな)。…そしていわば「ストロンガーとタックル」編、実写ではあまり描きようもなかったその2人を掘り下げている。
・・・・・・・・ということでいかがか。「仮面ライダーSpirits」が、スピンオフ史上、二次創作史上に残る傑作だったということはわかるでしょう。
「ガンダムエース」「特撮エース」だったかもともとのこの作品の掲載誌「マガジンZ」なのか、講談社なのか角川なのか。
そのへんの歴史も再検証すると面白いのかもだが、この時期に???(だったかな?)こういう感じで「既存のヒーロ-…昔の人気アニメや人気特撮からキャラ、世界観をお借りして、新作をコミックにしてみたら面白くね?」というムーブメントが起きたよね?2001年作品なら、その初期の作品といってもいいのかもしれない。
これが、ここまでにクオリティ的な成功を収めたから、この路線が定着したんじゃなかろうかね。
そして今…2023年も「新仮面ライダーSpirits」は継続しているが…
ここから、記事トーンは一変する。
いまも、「新」が、月刊少年マガジンという大メジャー雑誌にずっと連載されていますよ・それは偉業ですよ?快挙ですよ??
で、皆さん読み続けてましたか、「新」を……。無印の「仮面ライダーSpirits」、上のような初期の熱い展開に熱狂したひとは。
いや、2001年から始まった作品、普通に読んでいれば読者の立ち位置が変わる。仕事も家庭も肉体的な若さも…感性も。
ただ、そういうものが変わらないアレであっても、新・仮面ライダーSpiritsをずっと、今に至るまで読み続けてる人は・・・・・・・・・・・少なかろう。
自分も月刊マガジンはサブスクにも入ってるから、一応目は通す。だが、正直見たはしから印象に残らず、「やれやれ、やっと最後まで読めた」的な労働感すらある。
ああああ、申し訳ない村枝先生。ぼくが悪いのだ。悪いのは読者なのだ。
別にとってつけた、引き延ばしの続編なわけじゃない。たぶん初期構想からあっただろう、本命のラスボス組織と戦っている。ライダーもゼクロスやスーパー1やスカイライダーも加わり、おのおのが個性を出して戦っている。敵にも暗闇大使とか、デルザー軍団の幹部とか、懐かしいキャラを配置している。何の文句があろうか…
たださ、個人の「お気持ち」だけど、なんかラスボスが宇宙にいると、その時点でなんかちょっと、今までと違う感じが出てくるような…それまで地上で五分のタイマンしてた悪の組織が、ボスが宇宙とか天空に行くと、なんかそこで変質するような……そんな気がするんですけど、どうでしょうかねええ。
ただ、それとは別に「何をいう、「新・仮面ライダーSpirits」になっても、バダンが宇宙規模になっても、相変わらず熱いぜ!2001年に仮面ライダーSpiritsが登場してから今まで、ずっと変わらないテンションで応援してるし、単行本も欠かさず買っているぜ!」という、熱心なファン層もいるのだろう。そういう方に、いろいろ託すので末永く、最後まで見届けてください……