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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

「仮面ライダーSpirits」(12日まで10巻無料)初期は本当に熱いが「読み続けてますか?」と聞かれたら…どうなる?

なんだかんだと「シン・仮面ライダー」がスマッシュヒット(あの動員・興行収入に不満を言うのは普通におかしい。十分だと思うが…)したおかげなのであろう。




comic-days.com

この作品が「2001年1月号」からの連載だと聞いて、あまりのことにちょっとクラっと来たが(笑)、その連載開始時の衝撃というか、勢いは本当にすさまじかった。

もともと村枝賢一って、その後長編を書くことが多かったけど、本来的には数話完結のやや人情噺っぽい物語が得意というイメージがあった。

それを生かして、「(昭和)仮面ライダーが、世界各地で悪の改造人間と戦っている。」という、テレビで出演俳優がけがをしたことを契機に登場した後付け設定(笑)を膨らませて、各地で各人各様の戦いぶりを数話かけて描いたのだ。
それが、今公開されている巻に収録されているものだけど、
「もともとのキャラクターが、長年愛されて個性やビジュアルがファンに浸透している」
「それを使って、自身もファンである作家が、自分の思いも込めて『俺流』のキャラとストーリーにする」という、二次創作というか、公式スピンオフというか、その形式がこれほどに融合し、効果を上げている作品を知らない…いや、ライダーとくればウルトラマン真船一雄の「ウルトラマン story0」なら、互角に比し得るか……


1人ずつみていこう(ストロンガーまで)

仮面ライダーspirits 初期

有名な、ボロボロにやられた滝に対してライダー1号が「俺とお前でダブルライダー」という場面だ。


仮面ライダーspirits 初期

すこしひょうきんで親しみやすいという設定だったね、ライダー2号こと一文字隼人は。


仮面ライダーspirits 初期

V3は少しクールでツンデレ的なキャラに。


仮面ライダーspirits 初期 ライダーマン

ライダーマン編は、物語的には一番傑作かも?(まあ、西部劇の「流れ者」話の翻案ではある)


仮面ライダーspirits 初期 仮面ライダーX

仮面ライダーXは海、水の担当イメージ。


仮面ライダーspirits 初期 アマゾン編

アマゾン ダダダ。 野生の彼と、超絶IQの人造天才児を絡ませている。


仮面ライダーspirits 初期 ストロンガー編
仮面ライダーspirits 初期 ストロンガー


そして締めくくりが日本に戻ってのストロンガー編なのだが、これは実写作品と世界や時間軸がかなり近接していて(じゃあ西暦何年なんだよ、とかいうな)。…そしていわば「ストロンガーとタックル」編、実写ではあまり描きようもなかったその2人を掘り下げている。


・・・・・・・・ということでいかがか。「仮面ライダーSpirits」が、スピンオフ史上、二次創作史上に残る傑作だったということはわかるでしょう。

ガンダムエース」「特撮エース」だったかもともとのこの作品の掲載誌「マガジンZ」なのか、講談社なのか角川なのか。

そのへんの歴史も再検証すると面白いのかもだが、この時期に???(だったかな?)こういう感じで「既存のヒーロ-…昔の人気アニメや人気特撮からキャラ、世界観をお借りして、新作をコミックにしてみたら面白くね?」というムーブメントが起きたよね?2001年作品なら、その初期の作品といってもいいのかもしれない。
これが、ここまでにクオリティ的な成功を収めたから、この路線が定着したんじゃなかろうかね。

そして今…2023年も「新仮面ライダーSpirits」は継続しているが…

ここから、記事トーンは一変する。
いまも、「新」が、月刊少年マガジンという大メジャー雑誌にずっと連載されていますよ・それは偉業ですよ?快挙ですよ??

で、皆さん読み続けてましたか、「新」を……。無印の「仮面ライダーSpirits」、上のような初期の熱い展開に熱狂したひとは。


いや、2001年から始まった作品、普通に読んでいれば読者の立ち位置が変わる。仕事も家庭も肉体的な若さも…感性も。


ただ、そういうものが変わらないアレであっても、新・仮面ライダーSpiritsをずっと、今に至るまで読み続けてる人は・・・・・・・・・・・少なかろう。
自分も月刊マガジンはサブスクにも入ってるから、一応目は通す。だが、正直見たはしから印象に残らず、「やれやれ、やっと最後まで読めた」的な労働感すらある。


ああああ、申し訳ない村枝先生。ぼくが悪いのだ。悪いのは読者なのだ。

別にとってつけた、引き延ばしの続編なわけじゃない。たぶん初期構想からあっただろう、本命のラスボス組織と戦っている。ライダーもゼクロスやスーパー1やスカイライダーも加わり、おのおのが個性を出して戦っている。敵にも暗闇大使とか、デルザー軍団の幹部とか、懐かしいキャラを配置している。何の文句があろうか…


たださ、個人の「お気持ち」だけど、なんかラスボスが宇宙にいると、その時点でなんかちょっと、今までと違う感じが出てくるような…それまで地上で五分のタイマンしてた悪の組織が、ボスが宇宙とか天空に行くと、なんかそこで変質するような……そんな気がするんですけど、どうでしょうかねええ。



ただ、それとは別に「何をいう、「新・仮面ライダーSpirits」になっても、バダンが宇宙規模になっても、相変わらず熱いぜ!2001年に仮面ライダーSpiritsが登場してから今まで、ずっと変わらないテンションで応援してるし、単行本も欠かさず買っているぜ!」という、熱心なファン層もいるのだろう。そういう方に、いろいろ託すので末永く、最後まで見届けてください……


仮面ライダーという番組の創作秘話を同じ作者が描いた、この作品も重要。庵野版も書かないかな(笑)