167話。今公開中だから、まず読んでもらおうと思う。あとから解説とか感想とか書く。
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ぜんぜんこの作品のストーリーを知らない人向けに書くと、
主人公の少年は、半吸血鬼。
女性は探偵(だけど実質、吸血鬼ハンター)。
ふたりは協力して、別の吸血鬼がかかわる事件を解決していた(正確には悲しく重い結末で「解決」には程遠かったのだが…それでも、ひとつの区切りだった)。作中でも語られるように、その「慰労会」なのだ。
・・・・・だけど、少なくとも、今の段階で見る限り(つまりこれが何かの伏線でない限り)、どう考えても寿司屋の描写が丁寧でページを消費しすぎてる(笑)
それも、「最初に寿司でないお通しが、頼んでもいないのに出てくる」
とか
「うにが、スーパーとかで食べているものと味が別物」とか、なんか感想が素朴なんだよ。
で、思うんだが…。
漫画家といえば、いまの夢もチボーもない低成長ジャパンにおいて数少ない、超少数ながら成功すれば巨万の富が雨のように降ってくる商売じゃないですか。
原稿料、印税とか、原作料とかがふところに入ってくる自前のカネが増えてくるのもそうだが、
人気作家ともなれば編集部、そしてアニメ化ドラマ化が決まったときには制作プロダクションや放送局からも接待漬け(だよね?)。
そんななかで、スーパーとか100円寿司の「うに」しか食べたことないひとが、突然高級寿司屋を体験し、「キャビアの乗ったお通し」や、「ホンモノのウニ」を食べてそのおいしさにびっくり、感動する……というのは、…この漫画家、作者本人の限りなくナマに近い実体験だったんじゃないだろうか(笑)?
いや、別にそうであってもいいんだけどさ、あまりにも「高級寿司屋のすしはうまかった!」というテーマがダイレクトに、しかもこれまでの話の流れとは別に唐突に描かれ、その描写があまりにも丁寧なのが面白かった、という話。
実際、高級な寿司屋はおいしいんだろうね、とかなり素朴に、好感を持って受け止めた。
※この「好感を持って受け止めた」という点、ブクマのコメントの中に「ほほえましい」という表現があり、ああ、まさにそれがぴったりだ!と膝を叩いた。
いや、ほほえましいつってもリアルに考えれば、高級寿司をくらうカチグミは俺じゃなくて作者(&作中人物)であり、俺が「ほほえましく」思う余地なんて本来1ミリも無いよ(笑)!!
だが!!逆に言うと「高級寿司の上手さに新鮮な驚きを覚える」若者たちの描写が、実際に高級すしを食う立場でもない読者に「ほほえましさ」を感じさせることこそ、この作品・作者のワザマエなのだ、ろう。
ちなみに…ひょとして東野圭吾の伝説の名作「超税金対策殺人事件」のように、漫画で高級寿司屋が登場することが、確定申告で寿司屋の領収書を必要経費として落とすために必要だった、ということかもしれない(笑…と書こうとしたが、なんかありそうにも思えてきた!)
前年に収入が多かった作家が、納税額の高さに驚き、海外旅行や高価な買い物に使った金を経費として税務署に認めてもらえるように、ストーリーのつじつまを無視して連載中の小説の中に取り込んでいく「超税金対策殺人事件」。
kadobun.jp
以前書いた、この作品の別の箇所についての軽い感想。
m-dojo.hatenadiary.com
あと、以前にも紹介したが「高級な寿司屋はおいしいです」という、あまりにストレートなテーマを描いたのが「今夜、寿司屋で。」でした。
ブクマ情報によると、こういう作品もある由。同じ系列かあ