社会の様々な指標のモニタリングや政策検証の機会をもっと広く民間に開こうというのがわたしたちの志です。長文なのでFBに投稿しておきました。https://t.co/jlxFAsF1gw
— 三浦瑠麗 Lully MIURA (@lullymiura) February 14, 2022
前半の「今後どうなる」話はさておいて、後半の「なぜ自分達はこのデータ分析を発表してるのか」の話について読んでみた。
(前半は今後についての話。大幅(略))
なお、付言しておきますが、CATs-QUICKの予測はビッグデータ分析とAIを駆使した実務的な指針であり、学術誌に載せるための分析ではありません。学術的な目的に沿った厳密な論証をしようとすれば、本来は最低でも数年はかかるはずです。
しかし、現在は学術的に厳密な手法で行われた「予測」が即座に科学的リテラシーの不足しているメディアに露出し、それがあたかも「既定路線」であるかのように報じられます。一方で、とられる対策だけは社会的なものなので、科学的ではないざっくりとした制限措置が出されます(百貨店のみ閉鎖し、ホームセンターや家電量販店が開いていた第4波をご記憶でしょうか?)。
社会との対話におけるこうしたリスクコミュニケーションのあり方に私はこの二年間疑問を持っており、もっと実務的な指針が必要であるという認識のもと、CATsを組織しています。
人間社会は複雑系であり、学術的にどんなに精緻に仮定を置いて予測しても、一歩先の未来を正確に予測するまでには至っていません。学術的な感染症予測モデル分野の発展にはこれまで大変な長い時間がかかって来たでしょうし、これからもたくさんの時間が必要でしょう。つまり、もっと長い目で見るべきだということです。
学術目的でのモデルと実務目的での予測が異なる性質ものだからと言って、各国で両者が併用されていないわけではありません。イギリスでは、ビッグデータ分析が「どの場所の人流がもっとも感染拡大に繋がっているか」を見るために使われ、それを分科会に分析提供している中堅研究者たちも見ているようです。CATsの分析は、分科会の先生方にも自主勉強会でお見せし、意見交換をしています。
というわけで、社会の様々な指標のモニタリングや政策検証の機会を…(略)
https://www.facebook.com/lully.miura/posts/10223199218303393
いちおう、政府の分科会に「意見具申」はしてたんだ!! 自主勉強会となると、公的記録に残ってるかはしらぬが。
金土日が連休で、本日あるいはあしたの数字に、反動も含めてどれぐらい反映されているかがわからぬが……本日の数字は。
その文章とほぼ重なるように読んだ、こっちと合わせてみると面白かった
コロナ危機は学術研究と政策(もしくはより広く社会)の程よい距離感に関して、疫学の世界を超えて示唆があるのかもしれません。
— Taisuke Nakata (@NakataTaisuke) 2022年2月12日
以下、(マクロ)経済学と政策の距離感に関して示唆のある引用を4つ。
1/N
途中をいくつか(略)
データから何を学べるかに関しての限界は、クロスセクションの経済学では事前の情報があまり重要でない「狭い推論問題の慎重なフレーミング」を導きました。先ほどの質問者が「信頼革命」という言葉で言及していたことで、これは「事前の不確実性が重要ではない」問いを立てることとも言えます。
— Taisuke Nakata (@NakataTaisuke) 2022年2月12日
11/N
主流派経済学は、誰もが正しいと信じているが実際には全くのナンセンスであるアイデアに溢れている。
— Taisuke Nakata (@NakataTaisuke) 2022年2月12日
15/N
こういった状況は有害で危険だろうか?一つの自然な懸念は、もしかしたら信憑性がないが広く信じられているアイデアが重要な政策決定の基礎を成してしまう事である。
— Taisuke Nakata (@NakataTaisuke) 2022年2月12日
17/N
そういった言葉が発せられる背景と、コロナ危機において感染症数理学が時おりそのような言葉で描写される背景は似ているのかと推測しています。
— Taisuke Nakata (@NakataTaisuke) 2022年2月12日
20/N
学術的研究の社会実装を目指す際には、一般の人々の間での一定の理解と支持が有益だと考えられます。
— Taisuke Nakata (@NakataTaisuke) 2022年2月12日
研究の付加価値を正しく認識して、それ以上のものを押し付けないように注意を払うことが社会実装において重要かもしれないです。
特に多くの人々の生活に影響を与える政策に関しては。
N/N
仲田先生の連ツイで思い出したが、最初の緊急事態が解除された頃、Twitterである医師が西浦氏擁護の流れで「経済学は景気の動向すら外す」と批判していた。これは認識が根本から違っていて、一般の人も景気の予測が外れることがあると認知できていることが社会実装されているという証だんだと思う https://t.co/MYWkv5bLh8
— 外骨 (@mediclubman) February 13, 2022
理論疫学が感染症の予測ができるレベルに達していないことは国民に認知されていなかった。そして西浦氏はその認知のミスマッチを利用して強い対策を政府に求めたように私には見えた。結果として、理論疫学に対するぬぐいがたい反発と不信を生んだのは当然の帰結だった。残念なことですが。
— 外骨 (@mediclubman) 2022年2月13日
けっきょく「予測は、どの程度当たるのか」ということは、やはり結果から逆算するか、その手段を詳しく検証するしかない。
そういえば、西浦予測とCATs予測って、結果的にある時期から、ピークアウトの日にちについては重なっていては、いましたが。