10月13日付けで週刊少年サンデー編集長を退任いたしました。未曾有の危機にあった少年サンデーも6年3か月の在任中で劇的に業績改善し無事に次世代に引き継げたことを嬉しく思っています。サンデー史上異例の長さになった編集長生活を支えてくださった読者の皆様、作家さんにただただ感謝です<(_ _)>
— 市原武法 (@editor_ichihara) October 13, 2021
お疲れさまでした。
で、まず、そもそもサンデーがやはり就任当時…6年前は「未曽有の危機」(たしか「廃刊の手前」的な表現もあったはずだ)だったのかとあらためてビビる。
それが「業績改善」したというのは数字、経済的にどのぐらいなのか知りたいけど、まあそれは無理だろう。ただ、編集長の言葉を信じ、業績が改善したのは喜ばしい。
この人を「最終防衛ラインの指揮官」とか呼んでたやつまでいたからな。それ俺か。
思えばこのインタビューが反響を呼んだのだ。
週刊少年サンデー特集、新編集長・市原武法インタビュー (1/3) - コミックナタリー 特集・インタビュー
natalie.mu
(Q:)5年前に「古見さんはコミュ症です。」のオダトモヒトさん、「魔王城でおやすみ」の熊之股鍵次さんが本誌で読み切りを発表されて、翌年には2作の連載をスタートしていました。それが今ではおふたりともサンデーの看板作家という立ち位置にまで来ていますよね。
それは新人育成の正しいサイクルができたということですね。2016年に彼らは連載をスタートしていますけど、連載が始まったということはその前に長い長い新人時代があるわけで。優秀な新人さんを誠実に探してきて、きちんと担当して育成を開始する。そこから連載に辿り着くまでに最低でも3~5年はかかりますから。すごく早い人もいますけど、平均すると早くて3年。2016年に「古見さん」や「魔王城」が始まって、「魔王城」が映像化されたのが今年ですよね。だから連載開始して4〜5年後、新人さんと出会ってからだと7~10年後くらいに収穫の時期…
ただ、あらためて見ると自分は市原氏のとる路線とはやっぱ違うなあ、と感じた。
氏の前職「ゲッサン」の方から見てくと、氏の多分一番大きな新人発掘である「からかい上手の高木さん」は、何度も言明してるように、どーも勝負ルールがはっきりしてないのでイマイチ合わんし、
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「アオイホノオ」はおもしれーけどフリーエージェントの移籍(廃刊のヤンサンから)だし…
で、少年サンデーのほうでも確かに葬送のフリーレンはよい作品だが、血沸き肉躍る、次巻が待てないような傑作というより、ゆったりと味わう良作。
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また、大物をもう一度誌面に呼び込むシリーズの藤田和日郎「双亡亭壊すべし」も僕的にはちょっと守備範囲外だった。
あと「十勝ひとりぼっち農園」みたいな体当たりチャレンジ連載漫画より、もとのサンデーの作家作品を掘り下げる「もう、しませんから。」的な作品(つまり旧作「研究所」)を続けてほしかったです、
一番、市原氏に感謝し評価してるのは、「長期連載をそろそろ終わらせてもらうことにする」と就任時に言明しながら、椎名高志「絶対可憐チルドレン」を、ほぼ任期いっぱい連載させてもらい、ゆるゆると最終エピソードに到着させてもらったことだ。いわば公約違反を一番に評価している、というね(笑)
人気を終えるのとほぼ同時期に連載完結、というのはどっちの面子が立ったのだろうな(笑)
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・・・・・そういうことで、こうやって見ると氏の牽引する方向ってほんとに自分と違うのだが、
それでも雑誌から「活気」が生まれていったことは、ただの読者にも見て取れた。
そして伝統あるサンデーの存続に道筋をつけてくれたこと含め、感謝。