2019年7月のTweetだけど。訂正しなければならない。この数年のDNA考古学の進展は、新石器時代から青銅器時代の人類文化の全貌を驚くべき正確さで明らかにしつつある。 https://t.co/n49UB3CoeE
— m-take (@takeonomado) February 21, 2021
過去300年かけて築かれて来た膨大な考古学的成果が、オセロのコマが裏返るように激変する瞬間、私達は今まさに立ち会っている。
— m-take (@takeonomado) 2021年2月21日
武器はDNA考古学だけじゃない。炭素14による年代測定法は縄文土器の履歴を7千年ほど過去に戻したけど、それ以外にも他の放射性同位元素も使い「物質の時間軸的な指紋」が精密に測定できるようになってきた。
— m-take (@takeonomado) 2021年2月21日
ストーンヘンジ近くにBC2400年頃に埋葬された「Amesbury Archer/アームズベリーの射手」と呼ばれる遺骨は、歯に残る酸素同位体(炭素14ではなく)から、出身地は中央ヨーロッパ、アルプスあたりと推定されている。生育した地域で摂取した水分が歯に蓄積し、それは地域ごとに違った指紋を持つから。
— m-take (@takeonomado) 2021年2月21日
シーザーのガリア戦記に「(ヨーロッパの)ケルト人はモナ島(現在のイギリス、アングルシー島)の聖地に修行する」という記述があるが、それは新石器時代、青銅器時代を通じた、ヨーロッパからブリテン島への憧憬の記憶が根底にあったのかも知れない。
— m-take (@takeonomado) 2021年2月21日
(反駁する論文もあり激論の真っ最中だが、あえて)
— m-take (@takeonomado) 2021年2月21日
デンマークのEgtvedに埋葬された少女。BC1370年に亡くなった時は18歳前後。南ドイツで生まれ、Egtvedへ旅し、最後の3年間は往復していた事が歯や髪の毛に含まれる酸素同位体から分かった。
(デンマーク国立博物館) pic.twitter.com/x7ikIpTfzP
2010年、スヴァンテペーボがネアンデルタール人のDNAを解析し、現生人類との交雑を証明し、2019年にはAlissa Mittnikが150人近くの古代DNAを解析し、南ドイツ、青銅器時代の650年にわたる権力構造と家族関係を解析している。 pic.twitter.com/7WskpfSHlF
— m-take (@takeonomado) 2021年2月21日
Alissa Mittnik、この発表はDNA考古学の現状を知る最高の教材でもある。https://t.co/nySCp0gcCz
— m-take (@takeonomado) 2021年2月21日
そして考察の元になったデータは誰でもWebからExcel形式でダウンロードできるとか。 pic.twitter.com/iKTieiRO7b
興奮を抑えるのが難しい。
— m-take (@takeonomado) 2021年2月21日
「BC2000年〜に埋葬された人々のDNAから、家族関係、権力構造を明らかにする。」
考古学は10年前とは全く別の科学へと変貌を遂げたようだ。こんな瞬間は科学史上でも滅多に無い。
フランス人シャンポリオンがロゼッタストーンを読み解いた時に、古代エジプトは霧の中から蘇った。 pic.twitter.com/kowol7jAYg
— m-take (@takeonomado) 2021年2月21日
チェコ人フロズニーは百年前にヒッタイト楔形文字を解読し、当時は謎の民族であったヒッタイト人の歴史も霧の中から蘇った。文字として残る最古の印欧語族という事実は、比較言語学だけでなく青銅器時代ヨーロッパの民族形成を知る鍵として、現在さらに熱く研究が進む。
— m-take (@takeonomado) 2021年2月21日
(アンカラ文明博物館) pic.twitter.com/LoI2efXCcF
DNA考古学を筆頭に、C14以外の様々な同位体元素の精密な測定、水から金まで(water to gold)様々な物質の詳細な地理的マッピングとの照合。これらは考古学にとって未解読の文字を解読したのと同等以上の情報をもたらしている。
— m-take (@takeonomado) 2021年2月21日
「文字を持たない民族は蛮族」
— m-take (@takeonomado) 2021年2月21日
「文字記録が消えると暗黒時代」
総合最先端科学に変貌した考古学が、この10年で明らかにしたのは、ギリシャ・ローマ時代以降ずっと続いた、この歪んだ歴史観の終焉である。
=おしまい=
実はこのテーマというか問題意識は、当方も以前から持ってて、書いていた。
こういうふうに思うわけ。
ワンパターンの感慨だが、人類の起源や移動を、昔の学者は神話比較や遺跡発掘しつつ必死に考えてきた。だが科学の発達でウイルスやDNA等、ほぼ「正解」が登場。古い仮説は「残酷な答え合わせ」の時期を迎えた… / “JCウイルスから見たア…” https://t.co/JEZIgtjtj4
— gryphon(まとめ用RT多) (@gryphonjapan) 2017年12月7日
こんな議論ができた「グッド・オールド・デイズ」は終わり、さあ、遺伝子解析での「答え合わせ」の時間ですよー……と。
そこからさらに、あらたな謎が生まれ、それまでの苦闘が何かの役に立つことを祈ります。
・冷凍冬眠を駆使し、宇宙の果てを調査せんと地球を旅立った若者
— gryphon(まとめ用RT多) (@gryphonjapan) July 6, 2017
・だが冷凍冬眠の数百年中、人類はワープ航法を開発。彼が必死で到達したその地に先回りしてた…
という話はもはや一つのパターンだから一例紹介するけど、DNA調査で生物のルーツが明確に分かる最近の研究はこれを類推しちゃう pic.twitter.com/SlBKz1V7Vi
しかし、逆にこれぐらいポジティブに「新しい真実」に向き合うべきかもしれない。
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