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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

「困難な任務をこなす有能キャラの物語」は英語で「コンピテンス・ポルノ」「ヒロイック・エンジニア・ストーリー」と呼ばれるそうな(=俺TUEEE?)

たまたま、はてブに上がっていた記事
100lightyear.hatenadiary.jp

たとえば日本で、普通に朝日・読売新聞やNHKニュースなどに出るような話ではないが、政治思想(ポリコレとかリバタリアニズムとか?)に絡んでサブカル方面で深刻な論争や対立を生んだ、そんなことがあったらしいと。実は自分は「ゲーマーズゲート」という言葉を…今書きながら、どういう事件だったか記憶にないんだけど(笑)そんな言葉をうろ覚えしていたので、その話かな?と思って読んだら、ちょと別のジャンルだった。
何しろ固有名詞や背景が分からないので、面白い雰囲気はあったが、全貌はよく分からない、ととりあえず言っておきたい。


だが、それとは別に…。新しい言葉を知りました。

過去15年間で、ファンダムは常にリベラルで変わっていないが、賞や候補に上がる作品は「文学的」SFに偏ってきていると書いている。同時に、それを揶揄するわけではないとも。

そして、彼の言うSFのサブジャンル「ヒロイック・エンジニア・ストーリー」、別名「コンピテンス・ポルノ」※訳変更 の話が出てくる。優れた適性をもって困難な任務をこなす有能キャラクターが主役となる作品のことで、 Analog 誌や Baen Books 社から出ている作品に多いとされる。文学的なキャラクターの掘り下げではなく、話における問題解決に重点を置いた作品で、良くも悪くもパルプ雑誌時代から続くひとつの潮流だ。これが売上を伸ばしていて、その読者は主に男性で、傾向としては保守寄りだと指摘する。そしてこういった作品はヒューゴー賞にほとんど挙がらない。

【注:最近ではたとえば映画化もされたアンディ・ウィアー『火星の人』(ハヤカワ文庫SF)のような作品と言えば分かりやすいだろう。そしてここで彼は2015年の『三体』受賞について、「この手の作品にとっては久々なのだ」と書いているが、『三体』の内容は「ヒロイック・エンジニア・ストーリー」と呼ぶにはいささか厳しいのではなかろうか……。】

火星の人

火星の人

オデッセイ(字幕版)

オデッセイ(字幕版)

  • 発売日: 2016/04/22
  • メディア: Prime Video
三体

三体

  • 作者:劉 慈欣
  • 発売日: 2019/07/04
  • メディア: ハードカバー

余談ですが「バーナード嬢曰く。」最新刊にも「三体」登場してました

f:id:gryphon:20200505130605j:plain
バーナード嬢曰く。5巻に登場する「三体」


でもなんで「エンジニア」限定なんだろうか?
コンピテンシー」(※その後、公式訳が『コンピテンス』となっています)に至っては、まずウィキペディアをみないと…

コンピテンシー(英: competency)とは、企業などで人材の活用に用いられる手法で、高業績者の行動特性などと訳されている。

この手法は、1970年代からアメリカ・ハーバード大学のマクレランド教授(心理学)がMcBer社とともに、1973年に学歴や知能レベルが同等の外交官に業績の差が出るのはなぜかを研究し、知識、技術、人間の根源的特性を含む広い概念として発表した。 コンピテンシー(competency)の定義としては従来、単に行動ディメンション、基準、特性、行動傾向を指すにすぎなかったが、ボヤティズ(Boyatiz,1982)によって次のように定義された。「コンピテンシーとは、組織の置かれた環境と職務上の要請を埋め合わせる行動に結びつく個人特性としてのキャパシティ、あるいは、強く要請された結果をもたらすものである」。また、「コンピテンシーとは、職務や役割における効果的ないしは優れた行動に結果的に結びつく個人特性である」とするEvarts(1987)の定義もある。 1990年代にアメリカで人材活用の場に取り入れられた。
ja.wikipedia.org


しかし
『優れた適性をもって困難な任務をこなす有能キャラクターが主役となる作品』ねえ……これ?

すまん、読んでないですのに。(電撃大王に連載中なんだから、ブックウォーカー経由で読めばいいのだが…)

でもなんか聞くんだよ、超絶に有能な主人公が活躍しまくる話だと。「さすがはお兄さんだ!」(※「お兄様です」との指摘有り)略して「さすおに」とも呼ばれると。

そしてブクマでは、この作品が挙げられている。

id:y-mat2006 その後の動きなども。/シンゴジラ?>「別名「コンピテンス・ポルノ」の話が出てくる。優れた適性をもって困難な任務をこなす有能キャラクターが主役となる作品」 SF

ふむう

シン・ゴジラ

シン・ゴジラ

  • 発売日: 2017/03/22
  • メディア: Prime Video

【追記】この記事のブクマでは、こんな作品名や用語が挙がった

id:amunku メアリー・スーではないのか??
ja.wikipedia.org


id:gabillヒストリエ』ってそういう要素が強いのに嫌らしさをあまり感じられない不思議。最初で主人公が徹底的に堕とされたからか、アレクサンドロスというより絶対的な英雄を配置してるからか。

ヒストリエ(11) (アフタヌーンKC)

ヒストリエ(11) (アフタヌーンKC)

  • 作者:岩明 均
  • 発売日: 2019/07/23
  • メディア: コミック


id:mori99 異世界に行った技術者が現代知識で俺tueeは、マーク・トゥエインからの伝統ぞ

最後のやつ、記事書いたこともある
m-dojo.hatenadiary.com


ついでに覚えて持ち帰ってください。中国では…

m-dojo.hatenadiary.com
から孫引き。

「トリップ」や「俺TUEEEE」はネット小説における日中共通のお約束

 最後に、日本のネット小説と中国のネット小説の内容で共通する「テンプレ的な要素」に関して紹介させていただこうかと思います。

 中国のネット小説だろうと日本のネット小説だろうと、「よくある話」「テンプレ的な展開」というのがイロイロとあるかと思いますが、中でも「トリップ」(中国語では「穿越」)系の作品は、日中どちらでもよくある話です。

 トリップ(穿越)系の作品は中国のネット小説でも一大ジャンルとなっていて、異世界や過去にトリップしたり転生したりして、やはりその際にはチートな能力を得たり現代の知識やアイテムを持ち込んで大活躍、無双するというのもお約束となっています(そしてそんな「俺TUEEEE」な主人公やその活躍を指す「龍傲天」という言葉も存在します)

 もちろんトリップの方法や、チート能力を得る展開などに違いもあるようですが、大まかな流れとしては似たようなものに見えるのも確か・・・

元リンクは 
日本のラノベのネット小説化に戸惑う中国のオタク | ダ・ヴィンチニュース
「コンピテンス・ポルノ」「ヒロイック・エンジニア・ストーリー」=「龍傲天」なのかは、有識者の検討を待つ。



コメント欄より(リンク先元記事の方からも)

id:Ditty
元記事の著者です。「Competence Porn」についてはこの辺の解説を参考にしました。
なお訳は「コンピテンス・ポルノ」に修正しようかと思います(すみません)。
https://en.wiktionary.org/wiki/competence_porn
https://tvtropes.org/pmwiki/pmwiki.php/Main/CompetencePorn
アニメ作品だと『ゲート』『攻殻機動隊』(特にSAC)『ゴルゴ13』『ヨルムンガルド』あたりが挙がっていますね。他にも映画『アポロ13』とか、〈シャーロック・ホームズ〉シリーズも挙げられています。専門家独りではなく、集団(チーム)で活躍する話にも使われている用語のようです。


id:gryphon
ありがとうございます、それに合わせこちらも変更します。/そちらの、話題のメイン記事の一部ピックアップにすぎない当記事ですが、興味を持たれている人が多いようなのでこの部分についても更なる紹介があれば幸いです。