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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

司馬遼太郎が「小説に書ききれなかった」人々を一挙お蔵出し。エッセイ集「余話として」の人物紹介

だいぶ前に読んだ本だが、本棚の整理中に出てきたという「あるある」な理由で再読した。

余話として (文春文庫)

余話として (文春文庫)

この本は星新一でいうと、ショートショートにならないと判断した「できそこない博物館」のようなもの。

できそこない博物館(新潮文庫)

できそこない博物館(新潮文庫)

つまり、司馬遼太郎が知って、資料を収集し、検討した結果「なかなかおもしろいけど、ちょっと小説を書くまでには至らないな」と思った事件や人物をショートエッセイの形で紹介しそれを寄せ集めた、まさにタイトル通りの「余話」である。

だもんだからここで活躍する人物は、 メモしておかないとネット上の情報すらないだろうから…ということで、ちょっとメモして紹介する。

田切謙明

山梨県を中心に活動した明治の自由民権運動家。
明治16年甲府城近くの桜町温泉場を開発したことでも知られる。
国会の期成同盟が明治13年11月に作られた時、幹事の一員だった。しかし実際に国会が開設された時、第1回、第2回衆院選に立候補したものの落選。
2回目の落選の翌年に47歳で亡くなり、一度も国会議員にならずに終わった。
自由民権運動での奮闘ぶりから地元では「小田切謙明 一所懸命」という決まり文句や、対立候補と比べて金がないことを歌った「浅尾人力、金丸馬車で、小田切ゃわらじで苦労する」といった俗謡が残っている。
千葉周作の一族で、坂本龍馬の妻あるいは婚約者として知られる、千葉さな子と知り合い(千葉家秘伝の灸による治療を受けたのがきっかけ) 、老境の千葉さな子を夫婦で引き取った。沙奈子は晩年の3年間を甲府で過ごし、お墓も甲府市日蓮宗清運寺にある。

河内屋五兵衛

大阪府医師川村大ケ塚で、 江戸時代初期に庄屋を務めた。1636年生まれ。
壮年期から老年にかけて随筆おかき、大阪の陣で落ち武者になって住み着いた元武士の姿や 、家で起きた心中未遂事件の顛末などを残している。豊臣秀頼の逸話として知られる「サザエは木に成ると思っていた」という話は、彼が元大阪城の旗本だった善右衛門という男から聞いた話を書き残したらしい 。

ベゾブラゾフ

日露戦争前ロシア宮廷で活躍した男で、ロシア皇帝の信任を得て「東亜工業会社」を設立、 戦争の一因を作った。戦争直前に栗野駐露公使に対して「私の名前が変わったようですが」と、日本政府の暗号文をロシアは解読しているぞ、と誇示したことで知られる。

吉井友実

西郷隆盛の古い知り合いで、幕末から明治にかけて一緒のような役割を担っていた。 明治政府が、それまで字(あざな)や通称、名乗り名ななど、複数の名前があるのが普通だったら日本人の名前を一つにするに際し、西郷隆盛本人が留守だったためこの吉井が「本名は隆盛じゃ」とこたえ、西郷隆盛になった。だが、実のところ、あの西郷どんは「西郷隆永」だったらしい(西郷吉之助、などが一般的だったため親しい吉井も知らなかったのだった)

要らざる金六

関東を徳川家康が領土とし江戸を開府した際に、江戸本町一丁目に住んでいた男。
一種の家康の「追っかけ」で、 家康が江戸城から行列を組んで外出する時はいつも大手門の前で平服しており、時折家康が「金六」と声をかけると、勇んで行列の先頭に行き、青竹で地面を叩きながら「上様のお通りであるぞ」と”ボランティア”で 先導した。
それを繰り返すうちに一種の”顔役”となり、喧嘩の仲裁や町の巡回、戸締り確認などをこれまた自主的に行った。それを余計なお節介として嫌うものも多く、そこから余計なお世話のことを「要らざる金六」と呼ぶようになったと言う。




・・・・・・・・どれも、自分がもう少し漫画が描けるようなら、ショート歴史漫画として描きたくなるような人物だ。(※今の段階で、漫画を「一応は描ける」と自己認定している俺)1人1人の裏にも、さらに膨大なドラマがあるのだろう。


ちなみに、彼が書いた後に本格的に有名になった人もいて、元剣道家で、その技術を応用して戦前にフェンシングの世界的選手になった「タイガー・モリ」こと森寅夫はその後漫画化されたし、幕末の会津藩の外交官――結果から見たら「馬鹿正直すぎて負けっぱなしだった」となる、秋月悌ニ郎は松本健一が書いた

漫画「センゴク」主人公の仙石秀久も、司馬認定では「小説にかくまでもない人物」とされてここに登場している。
というか、但馬国出石の城跡と城下町を見て

――権兵衛程度の男でも、よくまあ大名になれたものだ。
という実感が湧く

とかはっきり書いてるんだよね。四国の敗戦を記述し「元来その程度の人物なのである」、鈴のついた奇装を「こういう似而非大将ほど、自分の無能を権威と装飾によって隠そうとするせいか」とか、悪口にむしろノリノリなんですが(笑)

センゴク権兵衛(19) (ヤンマガKCスペシャル)

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彼らはウィキペディアに載っているか、ゲーーーム!!!

結論
ja.wikipedia.org

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河内屋五兵衛…はなさそうだが、別名かな?こんなのあった
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金六(要らざる金六)は無し
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