島耕作、会長をやめて、相談役になり、なにやら天下のご意見番的にビジネスを論じてる。
そして新章は「プロスポーツビジネス」がテーマだ。
島耕作、いろいろやだなーと思うところだらけだけど、それなりに机上の空論的な話であっても、ある程度有益な知見を漫画で紹介することもある、これは認めざるを得ない。
それは漫画界でも相当に早いものだ。今や現実的に肌でわかっているだろう、「中国や韓国の電気製品は、相当に高度で、ものづくりの高い意識に基づいて作られ始めている。それが日本に追いつき追いつく可能性も高い」という話を、いち早く書いたもはけっきょく「島耕作」シリーズではなかったか(まあ、そういうジャンルの漫画自体が少ないといえばそうなんだが)
だから、今回、「有識者の講演」という形で書く、プロスポーツの現状の話は、漫画としての価値がアレだろ的な話とは別にして、やはり面白かった。
あんまり漫画をそのまんま引用すると、いろんな意味で危険があぶないので、この講釈の元ネタとなった経産省の資料にリンクを張っておく
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/jjkaigou/dai44/siryou7.pdf
あっ、読んだらあんまり経産省のほうはおもしろくないや。なんだかんだ言っても弘兼氏は、こういうのを面白く語るスキルがあるのだろう。
この話、つづく。
つづき
自分もなんだかんだと緊縮脳と言うか、プロスポーツにまつわるお金が3倍4倍になる、というのは「しょせん娯楽やで、それがそんなに金が回っていいんか?」と思ったりしないでもない。
でも現実にそうだし、悪いことかいいことかといえばいいことなのだろう。
そして、サッカーや野球と比べて、この規模の何十分の一かしらないけど、一時期は膨らんで、その後しゅうとしぼんだ、そして海外に比べて発展が著しく遅い……という点では格好のサンプルすぎる「格闘技」を見ていたものとして、背景はわかる。
要は広くいっての「PPV」のシステムがなかった、逆に言えば地上波一本だった、ということに尽きるのだろう。
PRIDEは逆に珍しく、スカパーありきで始まったものではあったけど日本では衛星放送はけっきょく普及に至らず終わってしまった…といっていいよね?
自分が縁が無くなったら興味も失ってしまったが、スカパーとか最終的には破綻するだろ、と思っている。あとで決算でもみていこう。
そして世界のコンテンツが「ネット配信」によって放送時間の制約がなくなったときに、それでもリアルタイムでみんなが見たがるものとして「ニュース」と「スポーツ」があったと。
その時に巨額の放送権料を、ネゴシエートできる有料チャンネルがあったかなかったか、にすぎないと。
今後はどうなるのかな。
日本だと、おそらくだが、今回視聴率がぼろぼろだったプロ野球の日本シリーズやCSなど…それらは、なんというか「世間がそっくりそのままついてくるスポーツの王、コンテンツの皇帝」の座を維持できなくなって、JリーグがDAZONEと巨額契約するような形で、やはり有料コンテンツ化を一層進めていくことになると思う。そして、「世間そのもの」の地位を維持はできなくても、「見たい人が金を払ってみる有料コンテンツ」となる覚悟を決めれば、そこでは完全に、圧倒的盟主になるだろう。格闘技なんぞふっとぶ(笑)
ただ、この場合、UFC、WWE、新日本プロレスなどが成功したようにコンテンツ丸ごとの「定額固定料金化」になるのかなあ。
そのへんの機微がわからない。もしあなたが、月1000円か2000円の、定額配信「NPBワールド」が生まれたら加入しますか?
そして……
あれだけ皆が見ている、客を呼ぶ高校野球。もっと稼げるじゃん!!
……というコンセプト、さあ皆さんどうでしょうか。
トンデモナイ!!という人多かろうね。教育の一環だ、野球道だ。
けがれをしらぬ白い球。ああ青春よいつまでも。
ああ青春よいつまでも(こおろぎ'73)を歌ってみた
・・・・・・・である。
ただ、ちょと面白い問題的ではあります。脳内で「おれが高野連会長に転生して(またかよ)、熱中症対策とマネタイズを圧倒的に進めて無双となる件」というシミュレーションでも、高校野球好きの皆さんはやってみてはいかがでしょうか。
(了)