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全員、悪人…「添野義二 極真鎮魂歌」から、相互の暴言・罵倒集

「添野義二 極真鎮魂歌」は「大山倍達正伝」「芦原英幸正伝」などを書いた小島一志氏が、昨年出した本。

添野義二 極真鎮魂歌: 大山倍達外伝

添野義二 極真鎮魂歌: 大山倍達外伝


彼の著書には控えめに言って賛否両論があることは重々承知しているが、とりあえず読むとすごく面白いのは間違いねえや。

それでだんだんだんだん、ぶっちゃけぶりが凄くなると言うか…まあ、芦原、添野という、 題材にした方々のパーソナリティと言うか喋りがぶっちゃけてるからそれを、掲載すると 非常にぶっちゃけたものにならざるを得ないということでもある。
何しろ今回も、冒頭からこんなふうに始まる!!

私、添野義二が極真会館を除名されたのは1980年9月8日(公式には11日付)。あえて言う。理由は覚えていないと。なぜなら、私には身に覚えのないあまたの罪を、大山館長の名で着せられたからだ。詳細は後に触れるが、私は極真会館時代何一つ組織に反することはしていない。もし道徳的または法的に際どい部分があったとするならばそれは全て「師」である大山館長の指示に従ったからである。


添野さんの若い頃の、喧嘩っ早い不良だったものが極真に入って武道精神に目覚め、色々と成長し… という話も普通だったらすごく興味深いレベルの話なんだろうけど、でも「空手バカ一代」…というより「四角いジャングル」世代の人にとっては、 極真内部の政治抗争、相互不信の紡がれたタペストリーのような人間模様がその何倍も興味深くてなあ(笑)

後半を彩る 「大山総裁、国会議員になりたかった話(選挙出馬寸前の話)」「大木金太郎大山倍達に挑戦した時の話」「世界大会、ウイリー・ウイリアムス反則暴走の真実」「アントニオ猪木対ウィリー・ウィリアムスの真実」など はどのエピソードも極めて興味深いのだが、体系立てて紹介するにはこちらもちょっと体力や準備時間が必要だ。


なので今回は、この本の中で、アウトレイジ極真空手関係者の面々が、 相互に投げつけ合う罵倒とDISのセリフをピックアップしてみたい。

実にもうどうも、痺れるフレーズだらけで、 ここからヒップホップ、ラップが生まれてしまったら大変なことになったろうなあ、アメリカが発祥で良かった…という。むちゃくちゃな連想をしてしまった(笑)


そそれでは紹介。


大山倍達、添野義二を(ここだけは)褒める

「添野、色々大変たったろうが、私は私で組織の長という立場があるからね。私の一存ではなかなか動けないこともあるのよ。もっと君のためにしてやれることもあったかもしれないが私の立場も考えてくれよ。私は今でも君はかわいい弟子たと思ってるよ。極真で一番の弟子は君たよ。たからね、しばらくほとぼり様して、また極真に戻ってくれればいいんたよ。大山の頼みたよ。極真は君がいなければダメなのよ」

※小島氏は、大山氏の喋りにじかに接したものとして、訛りに関しては修正せずに、聞いた音のまま表記しているところも多いようです。以下も同じ



添野義二、それに対して大山倍達を(面と向かって)ディスる

「今更何言ってるんですか?今まで大山先生の身代わりになって命を張って、人を殺す寸前までやらせておいて、それで逮捕されたら『責任は全部添野にある』と先生は逃げたそうじゃないですか。全く「仁義なき戦い」の金子そっくりだ。ずるいとなったらどこまでもずるい。逃げるとなったらどこまでも逃げる。責任はいつも他人…館長、あなたはそうやって今まで生きてきたんですよ(略)言っておきますが自分はただの鉄砲玉じゃないですから。芦原(英幸)先輩のように変化球使えるほど器用じゃないですから。今度お会いした時にはそれなりのケジメをつけさせてもらいますよ」

大山倍達、「キックの鬼沢村忠ディスる

「私たって昔アメリカ遠征で未知のレスラーと戦ったし、力道山にも挑戦した。強い弱いは理屈じゃないんたよ。あんな沢村なんて、ちょっと寸止めの学生空手をかじったたけの男じゃないか。学生空手チャンピオンなんて売り文句は根も葉もない嘘だし、山口(剛玄)先生の道場で剛柔流の真似事をしたたけの男がなんで連戦連勝なの、何が真空飛び膝蹴りなの。みんな八百長よ。、私もタイでムエタイと戦ったり稽古もしたからわかるのよ。沢村など、日本人選手の相手をして負け役を演じているのはほとんどムエタイを知らないタイ人の留学生たちなのよ。それでもムエタイはタイの国技たから負け薬の戦士たちも本気でやったら澤村なって一発で吹き飛んでしまうよ。中村や藤平がムエタイに挑戦した時も彼らは勝ったけど黒崎は額を割られ血だらけになって負けたことを忘れちゃいけないよ。まあ黒崎が勝てる確率は、相手が誰だろうと最初からゼロたったんだが…要は強いのはタイの選手。そのタイの選手を倒す前に、沢村八百長選手を君たちに一蹴してもらいたいんたよ」


大山倍達千葉真一芦原英幸ディスる

「ああいう男(千葉真一)のような、同じ2枚目でも目が大きくてクリクリしているような男は信頼できないんたよ。芦原も目がやたらギョロギョロしててね、いただけないよ。目を見ただけで千葉君も芦原も信用できないのがわかる。調子だけがいい。千葉君はその典型たよ。、君のような目が細い人間は正直者でまっすぐな正義漢なのよ。それも両目がつり上がっていればなお良い。朝鮮では 英雄の相と言われているんだ。私が好きなのは君のような目をした男なんたよ」

大山倍達梶原一騎真樹日佐夫ディスる

「私はすぐに人を信じてしまう。頼まれたら No とは言えない自分の性格が災いしてしまう。私が全てを任せると約束してしまったから…梶原は勘違いをして私や極真を引っ掻き回し『大山倍達』と極真会館を自分のための集金マシーンにしてしまった」

梶原一騎大山倍達ディスる

「あの頃の俺は何者でもなかったんだぜ、学生崩れのしがない無名の売文家がそんな偉そうなこと言うわけねえだろうがよ。<牛殺しの大山>として名前が売れている先生に向かって恐れ多いよ。俺が言ったのは『いつか大山先生のことを書かせてください』てことだよ。ところがな、大山先生はこう言いやがった。『私のことを書きたいと言ってくる作家は多いんだよ。新聞や雑誌からも引っ張りだこで困ってる』だとよ。そんで決めセリフが『芥川賞でも取ってから出直してきなさい』。あの頃は芥川賞作家の石原慎太郎がマスコミの超人になっていて石原が書いた太陽の季節がベストセラーを記録していたから俺を軽く見ていたんだよ。(略)だから俺は心に誓ったんだよ。ヒット作の2、3を飛ばして名前も石原に負けないくらい世間で有名になってから堂々と会いに来てやるってな。だから俺は大山先生や極真会館に頼らなくても『空手バカ一代』を書かなくたって金に不自由はしてねーよ。巨人の星からタイガーマスクあしたのジョーだとか、大ヒットの連続でどれだけ稼いだか。捨てるほど銭は稼いだよ。誰かが俺を極真の寄生虫とほざいたようだが、今の俺は寄生虫みたいな大山先生にくっつかなくても何にも困りはしねえよ。寄生してるのはどっちか?考えりゃバカでもわかるはずじゃねえか」


中村忠大山倍達ディスる

「館長が付き合う人間は皆金回りのいい韓国朝鮮系のギャングばかり・・・。グレート東郷朝鮮人社会にコネがあるから、東郷に可愛がられたギャングやアメリカ各地のアンダーグラウンドでのし歩く連中から金をもらって極真の看板を売っている。要は館長も金儲け、相手も金儲け。このままではアメリカで我々が汗を流す意味もないという結論になったのです」

 
芦原英幸、それに返す

「その館長の朝鮮ルートの一つが統一協会ですけん、茂師範は関わってるんですかね」

中村忠、返答す

「もちろん関わっている。でもそれを大山茂師範は嫌っている。泰彦君も活動的な人間だけど、あえてコリアン系とは一線を画している。今は茂さんたちに疑問を持たなくてもいいと思う。何か考えざるを得ない時が来るかもしれないが。問題なのは館長の好き勝手なやり方なんです」

大山倍達笹川良一ディスる

「何があっても、寸止め連中の度肝を抜く実戦大会を成功させなければならない。空手はダンスじゃないのよ。命をかけた武道なんだ。その先駆けを行くのがわか極真空手でなければならない。極真空手を笹川(良一)や彼の取り巻き連中は邪道、邪道と言うけれど文句があるなら実際に叩き合うこの大会に出てくればいい。我々極真は敵に背中を見せない。挑戦するものから逃げるような口たけの空手ではないのよ 」


松井章圭、芦原と添野をディスる

「極真史上、最低最悪の人間が芦原英幸だ。弟子を脅迫する、総裁に内緒で勝手に道場を出す。石井(和義)館長も被害者の一人だ。(略)切腹に値する大罪だ。(略)最低最悪のゴミは芦原と添野だからな 」


芦原英幸大山倍達ディスる

「大山館長がいる限り、確かに極真は駄目ですよ。あの人は人生そのものを嘘で固め、嘘も極真を作ろうとしていますけん。この人間は極真を作ったけれど、極真を滅ぼすのもこの人間に違いないと…芦原は何度も館長を暗殺しようかと考えたもんです。本気で考えました」


大山倍達黒崎健時やキック関係者をディスる

「キックに関しては野口に騙されたようなものたよ。弟子をタイに連れて行っていい結果を出したらかなりの報酬をくれる約束だったが、黒崎があんな負け方するものたからギャラはゼロだという。黒崎はコーチで行ったのたから試合に出れば負けるのはわかっていたのに、勝手に試合に出てぶざまに負けた。それを理由に報酬ゼロと言う。そんな野口を信じられるはずないじゃないのよ。もし一緒にやるならば私が主導権を取るという約束でね、私は野口と組むことにした。そこにまた黒崎が口を出してきた。スポンサーを見つけるのが黒崎の仕事だったのに私の弟子たちを私が知らないところで引き抜いてキックの練習をやらせたりね。(略) 私のお人好しが全部裏目に出たということだね」


黒崎健時大山倍達ディスる

「大山さんのわがままさには呆れるしかなかった。最後はお決まりの金、金、金の連続だし、これについては野口さんに同情した。大山さんに失望して野口さんは、別のコネクションで日本キックボクシング協会を旗揚げした。 TBS テレビをスポンサーとしてブームを作った。大山さんは完全に出遅れた。小銭を惜しんで大金を逃したのだ」

中村忠、梶原兄弟をディスる

「私は、最初二人を見たときにびっくりした。サングラスをして派手なアロハシャツを着た奇妙な風体。人間を人間とも思わない横柄な態度。その様子は良識ある極真会の会員をうんざりさせるのに十分なものであった」「この兄弟に会うたびに、<なんでこんな人間なのだろう>と思っていた。まず言う事とやる事がまるで正反対である。一方であしたのジョー巨人の星など、青少年に感銘を与えるような作品を書きながら(中略)どうして人に感動を与える物語が作れるのに、人間的には次元が低いのだろうか」


大山倍達、梶原兄弟をディスる

「梶原がやってきてこういうんだ。<総裁のお嬢さんと、ウチの真樹を結婚させてくれないか>ってね。そうすれば極真会館二代目会長は真樹日佐夫が鳴って、三代目は梶原の息子だというのよ。でも真樹日佐夫の身辺を探偵に頼んで洗わせたら、とんでもない結果が出てきた。プライベートがあまりにも派手で、品行方正と言うには程遠いものだった。それで断ったら梶原が怒ってね。。完全に極真を商売の道具にしていったのよ」

お腹いっぱいだー!!!!!しかし、最初に書いたように、これは悪口シーンを抜き出しただけで、本当に興味深い内容の核は、別にある・・・大木金太郎の挑戦状を受けた大山は…

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添野義二「極真鎮魂歌」より 大木金太郎の挑戦状を受けた大山倍達は…

少林寺拳法との抗争とは…笹川良一との確執とは… そして、統一教会…ピストル…暗殺… 逮捕…


いつやるかわからないが、つづく…