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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

平昌冬季五輪中、JOCが命じた「誤解を招く服装は避けよ」について尋ねたら闇(不透明性)が強かった件。

ちょう久々に、調査報道(?)シリーズ。
この前の2月、報道がありましたよね。
その記事を、再引用させていただこう。

西「申し訳ない」旭日旗を連想させる帽子着用/モーグル - SANSPO.COM http://www.sanspo.com/pyeongchang2018/news/20180209/pye18020914520045-n1.html

 平昌冬季五輪の選手村でフリースタイルスキー男子モーグル西伸幸(32)=マンマーノフーズ=が旭日旗を連想させるデザインの帽子を着用していたことを9日、明らかにし、謝罪した。同日の予選終了後に「スイスで買った帽子で、悪いという認識はなかった。いろいろなところで迷惑をかけて申し訳ない」と述べた。

 韓国紙、中央日報(電子版)の報道について、同選手が説明した。

 同紙によると、国際オリンピック委員会(IOC)が公式インスタグラムで、選手村で過ごす選手の様子を伝えようと、他国の選手と談笑する日本選手の写真を掲載。この選手の黒い帽子に旭日旗に似たマークが入っていた。

 日本オリンピック委員会(JOC)は、全日本スキー連盟を通じて西に「誤解を招く服装は慎むように」と注意した。(共同)

当時も、ちょっと興味をもって書いておいた。

ところで平昌五輪の途中で報じられた「誤解を招く服装」(JOC)って何だろう?その定義や、今後の方針は…? - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20180226/p2

ホホーッ!なんとも興味深い……

【問い】
「悪いという認識はなかった」とのことだが、最終的に「悪い」ことだったのか、どうか。
「いろいろなところで迷惑をかけて」とは具体的にどんな「迷惑」だったのか。その迷惑の原因は自分にあるのか。
旭日旗を連想させるデザインの帽子を着用」とは悪いことなのか。JOCもそういう認識なのか
JOC全日本スキー連盟を通じて西に注意した「誤解を招く服装は慎むように」という注意内容の原文は。
「誤解」とは、だれが、何に対して、どのような誤解をしたのか。
それは「誤解」ということでいいのか。
JOCの正式かつ公的な認識か。
今後も、この注意内容は日本選手団全体に適用されるのか・・・・・・・・


など知りたいこと、聞きたいこと多すぎる。
実はいち早く、2/19にIOCにはお尋ねしたのですが・・・・・・・・・・

ということで、物理的に内容を知るものがIOCには当時いなかった。帰国後、把握するということ。


では仕切り直して……ということで、3/20の午前10時20分に日本オリンピック協会に電話し、上の件について伺ってみたのだが、かなりその応答はしょっぱかった。

以下、要約及び再現。
・まず担当者をお願いしたのだが、電話に出た女性の方がそのまま対応するということだった。まあその応答ができるだけの情報の把握と、回答する権限が JOC によって彼女に与えられているのならそれで良いのだが。ただ一連の事態に関する把握自体が、この方ができていたかは大変疑わしい

確認できたのは

このJOCによる注意は、文書などは造られず口頭で行われたということ。
服装の規定は、ユニフォームに対してのものはあるが、それ以外のものは定めていないこと。

しかし肝心のテーマである

「誤解を招く」との定義や、
その責任はどこに帰するのか
どのような意思決定を経て、 JOC として選手に注意をしたのか…
そもそも「JOCとして」注意したのは分かっているが、
注意をしようと決定した方、その注意内容を決定した方は
どこの誰が…というバイネーム
などについては 「回答する必要がないと思っている」とのことであった。

いやちょっと驚いたですね
だってJOCって、「公益財団法人」日本オリンピック委員会 ですからね。
あれだけ公に報道された件についての質問で、把握できない、とか不明であるとかじゃなくて、堂々と回答を拒否したんだから。いわゆる説明責任というのはどうなったんだろうか。
この辺について食い下がったのだが、
誠に残念なことに彼方から「これ以上やり取りするつもりはないので電話を切らせていただいていいか」との通達があったので、なるほどそれでは仕方ないと挨拶して質問を終えました。
この回答者の役職、つまりどんな権限で、どんな責任でお答え頂いたかと言うこともお尋ねしたが、 「JOC 職員です」の一点張りでありました。
(上記のような電話のやりとりの事実があるのか疑わしいと思う方は、JOCに、この話題に関する問い合わせなどの総数も含め、確認してみてください。あちらは電話録音)

まあ彼らの言い分も分からんではない。
いや正当性については全く理解しがたいのだが、ただ市井の一住民が、電話で疑問点を尋ねた時に、そに対して回答しなければいけない法的責任を JOC が負っているわけではない。
だからまあこれに限らずどんな質問でも「答えたくないから答えない、文句があるか」といえば言える。
もちろん文句はあるんだが(笑)、あちらが答えたくない、もう電話を切るといったら、いかんともしがたい。

でも、私としては、「この回答を拒否された」ということも、 それ自体が十分な収穫だと思っています。
少なくとも JOC が公に JOC の意思として発動し、選手に権力を持って命じた命令に関し、 その意思決定プロセス、内容の詳細、その結論に至った理由について一切が…強大な権力の「闇」に包まれていることが分かったのですから。
「闇」という言い方が文学的に過ぎるなら「極めて不透明」であり「説明責任を果たしていない」ことは誰も反対する者がいないでしょう。
誠に残念なのは、JOCはもう少し緻密な論理構成のもとに報道されたような「注意」を行い、「誤解を招くという定義はこれこれです、そう考えた理由はこれこれです」とよどみなく説明できるんじゃないかと思っていたんですよ。
賛成も反対も、その説明に対して考察、議論することでさらなる深みに至ると思っていたのですが、回答を拒否したらそれ以前の問題ということになる(笑)


ですがまあ、わたくしの取材、調査報道(?)によって、とりあえずJOCの闇を提示することは成功いたしました。
後は JOC にもっと深い取材や、公に公開された記者会見での質問が可能な専門メディアに、あるいは国民の代表として監督官庁文部科学省か)を通じて JOC に責任ある回答、もっと詳細な説明を求めることができる関係の国会議員や政務官などが「闇」に挑んでいただくことを期待したい。(おー、奇しくも最近の話題に被るような話だね(笑))


少なくとも、

について、そんな「闇」があることを再認識していただければ幸いです。