2018年の日本の夜郎自大、本当に危機的。レーダー照射も捕鯨委員会脱退も、問題をあいまいなままにとどめておくのが政治家の知恵であるはず。100%俺が正しいの言わなければ気が済まないというのは、稚拙な態度。
— 山口二郎 (@260yamaguchi) 2018年12月28日
一体、日韓関係を泥沼化させて誰が得するんだ。はやる防衛当局をなだめて穏便な外交決着を図るのが真っ当な政治だが、安倍はまさに逆。拉致や核問題を抱えている朝鮮半島情勢を前に今は日韓が協力すべき局面。外交センスのなさを超えて安倍の異常な裏の意図を勘繰りたくなる。 https://t.co/Hx9n2xGPBl
— 佐藤 章 (@bSM2TC2coIKWrlM) 2018年12月28日
今回のレーダー照射問題、あるいは尖閣の「sengoku38」が動画を流出させた問題も、ぜんぶ非公開で、メディアを通じて紛争両国の国民が知らなければ、いろんな意味でスムーズに処理出来ただろう。というか、秘密にしていれば、そもそも「紛争」というのはある意味で起きない。もちろん秘密の舞台で、当局同士が生きるか死ぬかの闘争をするのかもしれないが、それは人知れず抜け忍と追手が戦うようなもので、死して屍拾うものなし、誰も知らないところで戦闘が起きて、終わっている的な(笑)
ただ、その場合、こと民主国家に限っては、そもそもそういう解決に正統性が得られるのか、という問題がある。
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という名著があるが、白手袋をはめて舞踏会で優雅に踊り、ワインを傾けながら、テーブルの下でごそごそやって落としどころを決める。(だから今の外務省、大使館でも、ワインとかの贅沢が認められているし、実質上の閨閥も根強いのだ)
しかしフランス革命後、「市民」とやらが政治判断を決めるから、厄介になっていったのだ。しかし良くも悪くも、今やそこを基盤にしないとそもそもの正統性が無くなる。日比谷焼き討ちすっぞ。
そしてまた、公開性が「流出のリスク」によって、左右されるという珍事。
首相の強硬姿勢は、2010年9月に沖縄県・尖閣諸島沖で起きた中国漁船衝突事件で対応のまずさを露呈した旧民主党政権の教訓も背景にある。
当時、海上保安庁が撮影した映像を菅内閣は公開せず、海上保安官がインターネット動画サイトに投稿して騒ぎが拡大。首相は13年12月の党首討論で「出すべきビデオを出さなかった」と批判した。政府関係者は今回の首相の胸の内を「後で映像が流出するのも嫌だから『出せ』と言っているのだろう」と解説した。
これはいささか笑える話で、映像流出という、少なくとも当事者が裁かれ有罪になった違法行為が、公開を後押しすることに結果的にはなった。
今後、文科省のメールや官邸の面会記録なども、流出が公開性を高めることになるのでしょうか(笑)
そも、sengoku38が尖閣の衝突現場の動画を公開したこと、司法の場では有罪確定なわけだけど、政治の、社会の問題として「あの時、映像が流出、公開されてよかった。リーク者は(司法とは別に)社会的観点からは称賛に値する」と評価すべきか、「あの時、映像は非公開を保ち、密室処理すべきだった。リーク者は社会的観点からも非難に値する」なのか、という部分も併せて思い出させる。
IWC脱退にしても、レーダー照射の動画公開にしても、これまでなら現場の専門家の意見を尊重して判断していた案件を、官邸の独断で進めるケースが増えている気がする。
— 小田嶋隆 (@tako_ashi) 2018年12月28日
官僚支配から政治主導にシフトしたと見ることも可能なのだろうが、個人的には独裁化の進行を憂慮している。
現場の軍人の暴走を文民たる政治家が制止するのがシビリアンコントロールの意義だと思いこんでおったのですが、現場の軍関係者の制止を振り切って隣国との対立を深める方向に舵を切るタイプのシビリアンコントロールもあるということを学習いたしました。 https://t.co/Keb6oZiFUF
— 小田嶋隆 (@tako_ashi) 2018年12月28日
「情報公開」と「暴走」の関係が、じつはちょっとねじれている。
ちなみに、sengoku38氏当人も、この件を論じてて
何だか、まるで安倍総理が悪いような書き方をしておりますが、これがシビリアンコントロールってもんじゃないんですか
— 一色正春 (@nipponichi8) 2018年12月28日
渋る防衛省、安倍首相が押し切る=日韓対立泥沼化も-映像公開:時事ドットコム https://t.co/rvweELSePQ @jijicomさんから
とかいてる(大爆笑)
その後、こんなのも。
今回のレーダー照射動画の公開を非難している人たちの多くは特定秘密保護法や自衛隊の日報問題などで「政府が情報を隠蔽するのはけしからん」と言っていたような気がしますが・・・
— 一色正春 (@nipponichi8) 2018年12月30日
こういう、最高権力者、意思決定者を飛び越えて、あるいは彼に情報を隠して ー民主主義時代なら、国民に、ともいえるー「専門家」間で、プロならでは?の芸術的紛争処理を行うという点では、最盛期の輝きを放ったタレーランの姿が長谷川哲也「ナポレオン 覇道進撃」で描かれたことは忘れがたい。
あるいは、あからさまにベタベタすぎるけど、それに近いものは確かにあった「左右両方に『顔が利く』黒幕によってなんとなく妥協する政治」を描いた藤子・F・不二雄氏のこれ(中年スーパーマン左江内氏)。
そして参考過去記事
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