「ジャイアントキリング」も原作者がフェードアウトしたりなんなりしつつも、大変な長寿連載になっている。というか、今、単行本は何巻まで出てるよ?
この前、まさにこれから語る東京ダービーの巻が出たばっかりか。
GIANT KILLING(44) (モーニングコミックス)
- 作者: ツジトモ,綱本将也
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2017/07/21
- メディア: Kindle版
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白熱の東京ダービー!鬼気迫る持田の活躍で前半は東京ヴィクトリーが2点リード!しかし、後半に達海が投入したのは守備が得意なベテラン石神!相手を揺さぶり、自分たちのペースに引きずりこめ、ETU!
何度か主張しているテーゼだけど、超長期連載を読むってのはやっぱり大変だから、ところどころで、作者の自称なり、読み手の勝手な認定で「X巻からXX巻までの『〇〇編』は特に傑作だ」というのをピックアップし、そこをお勧めするのがいいんじゃないかと思っています。
村上もとか「龍」だったら初期の「武専編」、
みなもと太郎「風雲児たち」だったら無印は「大塩平八郎編」、幕末編なら「安政の大獄・桜田門外の変」編、みたいなのを勝手に認定しています。
いや、実は、GIANT KILLING−ジャイキリにおいても、当方は一回そういう区切りのピックアップをしたことがあった。2013年の漫画十傑を選んだときのこと。
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20140702/p2
- 作者: ツジトモ,綱本将也
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2014/01/23
- メディア: コミック
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ここに取り上げた「ジャイアントキリング」も、再受賞組。、今年はじめに節目の30巻が出たところだ。そして30巻ともなれば、初期は読んだけど今は…という読者や、評判は聞くけど、今から既刊を30冊読むのもねえ…と躊躇する人がいるのも、これは当然かと思います。
そこでよし分かった。
逆に、30巻からを「新たなる新章」として、ここから読み始めるという荒唐無稽な案を提唱するのです。いや、というのは、ひとつの節目となるエピソードがあるのですよ。
本当に30巻からを「新章」として読もうという人は、こういう予備知識だけ持ってほしい。・弱小チームに若き新監督「達海猛(タッツミー)」が就任する。元名選手だが怪我で引退した(らしい)
・最初のうちは、突飛なチーム指導に反発や戸惑いもあったが徐々にそれが結果を出し、チームはまとまり始める。だがまだ一歩、壁を破ることができずチームは息切れの様相を呈す。
・達海は親友のGMに「Jリーグは選手兼監督ってできんの?」「いや、禁じる規定は無いはずだが…」「ふーん…」
・果たしてJ初の選手兼監督が生まれるのか?彼の選手としての実力は?というような流れで、30巻から現在の雑誌で展開中の大阪戦にまで至っているのです。
「達海の現役復帰」を匂わせる挿話は、「うわ、これはひょっとしてちまたで噂の『俺TUEEEE系』な、ど派手なスーパーマンの位置に達海をおいてテコ入れする流れか?」と不安七分、ある意味の”大暴れ”期待が三分…だった(笑)。
だが、達海現役復帰を廻るストーリーは、そんな不安や予想を軽くかわして、そして凄い話に昇華していく。なかなかその展開は、機微に触れるので詳しく書けないのが残念だ。ネタバレに関しては責任を持たないが、それでも気になる人は、以下のリンクを参照のこと。
今週のGIANT KILLING #292(モーニング2013 No.28) | t011.org http://t011.org/giant-killing/64903.html#.U7O3jyCtf-I.twitter
今週のGIANT KILLING #296(モーニング2013 No.32) | t011.org http://t011.org/giant-killing/66396.html#.U7O39XHCDSc.twitter
達海猛の終わりと始まり「GIANT KILLING・第30巻」 - 無駄話 (id:toldo13 / @toldo13) http://d.hatena.ne.jp/toldo13/20140124/p1
「GIANT KILLING」が神の領域に入りつつあるようだ。 http://shintaro-hato.com/hatonosu/?p=1545 @_shintaro_さんから
30巻から、数年の時をおいて、また1エピソードを、ピックアップできることに感謝したい。
そう、今回の東京ダービー編を、ジャイキリの未読者、あるいは一時は読んだが長期連載のなかでいつしか読むのをやめた人が「独立したシリーズとして読む」回として推薦したいのです。
巻でいうと

- 作者: ツジトモ,綱本将也
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2016/10/21
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- 作者: ツジトモ,綱本将也
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GIANT KILLING(44) (モーニングコミックス)
- 作者: ツジトモ,綱本将也
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2017/07/21
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強豪・東京ヴィクトリーと、同じく地元東京だが、弱小チームだったETUは「東京ダービー」を戦い、これまでの戦績は圧倒的に東京V有利
しかし達海監督のもと生まれ変わったETUは成績も好調。王者の誇りを持つ東京Vに今度こそ一泡ふかす(勝てばダービー勝利は10年ぶりとのこと)つもりで闘いに臨む。
しかし、東京Vには支柱となる、日本代表だった持田という選手がいる。
絶対的な技術とカリスマを持ちながら、ここ一番というときに怪我に泣かされてきた存在。今回の試合は、そんなイメージを自ら払拭するために気合十分の大活躍で、彼1人のためにETUは不利な戦いを強いられる。
持田/ジャイアントキリング
— キクラゲ (@kikura_ge) 2017年7月31日
スポーツ漫画の主人公の前に立ちはだかる敵キャラとして、今一番好きなキャラ。 pic.twitter.com/xuxMPLupHK
だが、持田の怪我は本当に完治しているのだろうか?
そして、ETUの椿大介。気弱さが欠点だった彼だが、達海の導きの元、試合ごとに成長を続ける彼が、持田のレベルに反応し、また一段の進化を試合中に・・・・・・・
あー。もうマジでジャイキリ熱い。
— 井上博正 (@irh9d) 2017年6月19日
持田やばい。怪我になくって辛いよな。悔しいよな。泣けるぜ。
傷があってもとことんポジティブなやつを止めるもんてこの世にねえ。 pic.twitter.com/T3lFUU6h5m
などなど、大いに見所がある東京ダービー編だが、
特に「こりゃあ、ちょっと今までとは違うぞ!」と思ったのが、やや不利な状況が続く、緊迫した試合展開の中で達海が見せた一手。
すなわちタイトルでうたった「秘密兵器」。
それは・・・・・・・・
ジャイキリはスポーツ漫画の中でもとびぬけて応援団、サポーター、ファンの持つ役割や意義を、負の側面も含めて描いているけど、良くも悪くも達海は超俗というか飄々としたというか、真正面からファンと対峙して、ありがとう!とか、がんばります!というタイプの監督ではなかった。
その彼が
東京ビクトリーをダービーで破る、という巨大な目標(ちなみに、10年前の最後のETU勝利は、達海が現役でエースの時代だった)のために、封印というか、最後のとっておきの武器を繰り出す。
それは、サポーターの側すら初めて見る、達海が「サポーターのみんな、もっと俺たちを応援してくれ!盛り上げてくれ!!」という”煽り”だった、という……
地球のみんな、オラたちに元気玉をちょっびっと分けてくれ!とか、みんなウイングマンになれる!叫べチェイング!
みたいな観客参加型ドラマ。
だいぶ前の回だったので、7月発売の巻かな?その前の巻かな?
ああ、44巻にて間違いないようだね。
『GIANT KILLING』44巻、熱いわー。王子vs持田がたまらんです。持田は敵キャラとしてほんと魅力的だわぁ。ジーノのセリフがほとんどないのは何かの伏線なのかな? あと達海がサポーターを煽るシーンもいいね。#GIANTKILLING #ジャイキリ pic.twitter.com/BE9mZPBcKD
— IKEDA (@IKEAJANAIYO) 2017年7月23日
まあ、こんなカタルシスが発揮されながらも、敵方の東京ヴィクトリーと持田はそんなことで瓦解するようなやわな敵ではない。ここからまさに二転三転四転五転ぐらいするのだが・・・・・・・・・・・・
ジャイアントキリングには、毎週の回ごとにレビューしてる熱心なファンもいたはずなので、そちらのリアルタイムの感想を遡って読むのもいいかもしれない。
どこだろうかなあ…以前いろんなことろで見つけたのだけど
https://osusumedia.info/article/1177
とかかね?