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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

シールズ琉球メンバーの金王朝訪問記が、超絶に面白く必読。

興味深いという点では、これほど興味深い若者の文章は最近読んだことがない。

【シールズ琉球−これまで/これから−】(下)基地強化 新時代に逆行 訪朝体験 平和構築のヒントに | タイムス×クロス コラム | 沖縄タイムス+プラス


(略)…いつしか「北朝鮮」の人々と対話がしたいと思うようになり、昨年8月、実際に「北朝鮮」に行くことができた。

 この訪朝は、東アジアの子どもたちが絵を通して交流する「南北コリアと日本のともだち展」(日本国際ボランティアセンターなどの人道支援を行うNGO団体の主催)の事業の一環で、平壌外国語大学日本語学科の学生と日本側の学生が交流を行うというもの…
(略)
…日本が米軍基地を置くことで、戦争に加担している現状を初めて目の当たりにした。

 さらに私は板門店で人民軍兵士と話す機会を得た。「日本は戦後、日本国憲法の下で平和国家として再出発をした。敗戦を機に日本は変わったか」という私の問いに対し、兵士は、「オオカミが草を食べるようになったからといって、牙や毛皮が生え変わり、羊になることができようか」と答えた。

 日本は「朝鮮民主主義人民共和国」を国家として認めておらず、その理由から帝国主義の過ちを謝罪していない。そればかりか、朝鮮戦争をはじめ、戦後も米国の戦争を支援する形で積極的に戦争に関わってきた。兵士の言葉はもっともだと思った
(略)
・・・・・・・・訪朝以降、日本の一地域としての沖縄ではなく、東アジアの中の沖縄として、いかに東アジアの平和に関わるかという積極的な視点を得ることができた。

 軍事力ばかりを頼りにする東アジアの秩序は「新しい時代」にそぐわない。新秩序の形成に、沖縄だからこそ担える役割があるはずである。

 訪朝最終日、平壌の学生から「米軍基地のない美しい沖縄で幸せに暮らす、あなたの未来の生活を望みます。あなたは沖縄で、私は朝鮮で平和の世界のために頑張っていきましょう」とメッセージを受け取った。
(略)

論評の要はない。ぜひとも直接、全文を読み、それをもとに、シールズという存在を評価してほしい。
にしても、ひじょうにあけっぴろげで率直というか・・・・・・・・・・・、

とくに人民軍兵士が、「オオカミが草を食べるようになったからといって、牙や毛皮が生え変わり、羊になることができようか」と語るのは、そのままかつての金大中盧武鉉政権が金王朝に対して行った『太陽政策』の無謀さを表現した風刺のようにも見える。
あと、平壌の学生から「私は朝鮮で平和の世界のためにがんばって…」とかおっしゃるのを聞くと、なかなか「どんなふうにがんばるんだろう」と不安に思ってしまうのは、わたくしだけでしょうか。


北朝鮮訪問記といえば、こういう名著もある。

退屈な迷宮―「北朝鮮」とは何だったのか (新潮文庫)

退屈な迷宮―「北朝鮮」とは何だったのか (新潮文庫)